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またまたまた遅くなりました…
本当に本当にすみません🙇😭
チュン…チュン…
窓辺から朝を知らせる音が聞こえて、目を微かに開く。
☀「……」
まだ日が出たばかりの時間。
むくりと起き上がって、まだ眠たい目を擦ると、私は素早く支度を始めた。
今日は、大事な用事がある。
看護師さんには外出すると伝えてあるのだ。
だから、大丈夫。
…もうここには、戻ってこないかもだけど。
ここにいても、ちょっとの外出なら許されるが、傷が治らない限りはすぐにナチを助けに行くことができない。
…なにより、イギリスが…
☀「ッ…」
嫌なことを思い出しても仕方がない。
今はただ、ナチを助けに行くことができたらそれでいい。
☀「…いや」
それは言い訳かもしれない。
私が生きているナチを一目でも見られたら。
私の最期にナチがついていたら。
願わくば、ナチを取り戻せたら。
…死んでいる可能性もあることは当然分かっている。
どれだっていい訳では無いけど、ナチがどんな風になっていようと、今の私なら受けとめられる気がする。
結局は、全て私の要望だ。
☀「…はぁ…」
大きな深呼吸のような、ため息のようなものを吐きながら、私は病院を出た。
そこには少しの自然が広がり、何十kmか遠くには小さく魔王城が見えている。
卍「………」
もう、何も考えられない。
頭が回らない。
この“いつも“に慣れすぎると、執着してしまうかもしれないと心のどこかで不安に思う。
…不安に思うのって、なんでだっけ?
分からない。
何もかも分からない。
脳が疑問でいっぱいになっている。
ここでずっと暮らしていたら、俺はどうなるのだろうか。
今のように、何も考えられないのだろうか。
それとも………
卍「…なんてね…w」
牢獄には、一つの乾いた笑いが響いていた。
⚒「……」
昨晩は感情の勢いに任せて犯してしまった。
また、大きな後悔が心に残る。
最近の俺は、葛藤ばかりで俺らしくない。
いや、ナチが俺らしくなくしているのかもしれない。
そう考えると、少しの嬉しさと何か分からない感情が立ちこめてくる。
キィ…
⚒(ピク)
誰か、俺の城に入ってきた。
考え事をしていたからか、今更気配に気づいた。
この気配は確か…
⚒「…日帝…?」
おそらくそうだ。
ナチを…助けに来たのだろう。
あの手紙であった通りとは分かっているが、突然のことに少し驚いた。
⚒「………」
今の俺は、ナチを取り戻されるという焦りと、今まで酷い事をしてきたという罪悪感で埋め尽くされているかのようだ。
ただ、今は罪悪感の方が勝っている。
⚒「…そろそろ、返さないとだよな」
自室に哀愁漂う声が響いた後、俺はその音を感じながらじっとしていた。
キィ…
☀「………?」
病院を出てから数時間後。
あの時戦ったロビーにはソ連がいない。
まるで、城全体が「早くナチを探せ」と言っているかのようだ。
コツ…ン
私は、底が硬くしっかりとした靴で恐る恐る歩き始めた。
周りが静かすぎて、自分の足音が余計に大きく聞こえる。
こんなに静かで誰もいないとは思いもしていなかったからか、少し体が強張る。
☀「…ナチ…」
だけど、最優先はナチだ。
いち早く見つけなければいけない。
私は衝動的に走り出した。
☀「はぁっ…はぁっ…」
頬を伝う一滴の汗を拭いながら、息を切らす。
こんなにひたすらに走った私が馬鹿だったとつくづく思うほどに広い城だ。
ここまで色々な部屋を開けてきたが、ナチはいないままだ。
☀「ここ…か…?」
ガチャ
☀「ッ!!」
だけどついに。
卍「!?」
☀「…ナチッ…!」
ナチに出会えた。
これまでのナチとの思い出が蘇り、今のナチと重ねる。
私はやっと会えたこととナチが生きていたことなどへの感動が込みあげてきて涙を流した。
城へ来るまで歩いたのと、ナチを探して走ったので足が疲れているのだろうか。
私の足は動かない。
その代わりに、ナチに話しかけようとする。
☀「ぅ″ッ…ナ…」
卍「だ…」
卍「誰…ですか…?」
☀「………ぇ…?」
その瞬間、私の中の糸が切れた気がした。
ぷつぷつと音を立てながら。
城まで歩いてきていた時は、どうなってもいいと覚悟していた。
だけど今のナチは、おそらくソ連にめちゃくちゃにされ、私のことも忘れて、もう完全に私のものではなくなったかのようだ。
独占欲、絶望、怒り…
次々に色々な暗い感情が湧いてくる。
駄目だと分かってはいる。
ただ、今の私にはぐちゃぐちゃになった感情を抑えきれない。
ふいに私の手足が動いた。
☀「…本当に、覚えてないのか?」
卍「……ぇ」
ダンッ
卍「ぃ″ッッ!?!?」
久しぶりにこんなことをした。
いや、初めてかもしれない。
ナチはもう、私のものではない。
性格だって、記憶だって。
それに…
おそらく、孔だって。
あの時の表情、あの時した約束も。
全部全部全部。
もう元のナチではない。
そんなことを考えていると、どうしても体が動いた。
気付けば私は、ナチの服を脱がしていた。
卍「ひッ…」
はだけた自身の胸元を見ながら、ナチはあからさまに怯えている。
ナチも、いきなり知らない誰かに犯されるのは嫌だろう。
だけど、もう私は独占欲に支配されている。
怒りや、絶望や、
せめて孔だけでも、私のカタチにしたい。
そんな思いも含めて。
☀「………」
だけど。
やっぱりナチが可哀想だ。
元々は平和に過ごしていたはずだったのに、ソ連に壊されて……
今は…私に…
☀「………」
☀「…ごめん。怖かったよね。」
☀「帰ろうか。」
卍「………ぁ…」
ナチは疑っているような、怯えているような様子でこちらを見た。
とにかく帰るのが最優先だ。
それに、帰ったら記憶が戻るかもしれない。
私はそれをするために、ナチの手を引いた。
卍「…か…帰るって…どこに…?」
☀「付いて来て。」
できるだけ優しく、柔らかい声で。
日帝とナチの声が聞こえる度、俺はどうすればいいのか分からなかった。
耳を澄まさないと分からない微かな声は、鮮明には聞こえないが俺の中で強く響いた。
そんな中。
☀「帰ろうか。」
最も俺の中に響いた声がした。
待って。
行かないで。
そんな気持ちが一瞬でぐるぐると体中に渦巻いている。
時間がない。
コツ…コツ…
二つに重なった足音が出口の方へと向かっていく。
俺は耐えられなくて、部屋を出た。
⚒「ナ…」
一瞬、ナチの名前を呼ぼうとしたが、途中でやめた。
俺に気づいた日帝は、振り返って何か言っていたような気がしたけど、俺には分からなかった。
そして、ナチと日帝は俺の城から出ていってしまった。
To be continued…
コメント
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好き好き好き好き好き マジで天才ですやん…