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ドームライブの熱気がまだ残る控室。元
貴、若井、りょうちゃんの3人は、テーブル に缶ビールやチューハイを並べて乾杯して いる。
ライブの成功を祝う、久しぶりの飲
み会だ。元貴は酒が弱いから滅多に飲まな いけど、今日は特別な夜だからと一ロだけ ビールを飲む。
「いやー、今日のライブ、マジで神だっ
た! りょうちゃんのキーボード、めっちゃ キレてたし、元貴の歌、最高だったよ!」
若井がビールをグイッと飲みながら、目を キラキラさせて言う。すでに2缶目で、ほろ 酔い気味の若井の声はいつもより少し低 く、どこか色っぽい。
「若井、うるさいよ。りょうちゃんのキー ボードは良かったけど、若井のギターも。あ、悪くなかった。」
元貴はビールをチビチビ飲みながら、チラ ッと若井を見て小さく笑う。顔が少し赤いのは、酒のせいか、若井の熱い視線か。
「へー、元貴が褒めるなんて珍しい ! 若 井、よかったね!」
りょうちゃんがチューハイを片手にクスクス笑う。
元貴は「りょうちゃんまでうるさいよ」と照れ隠しで目を逸らす。
しばらくワイワイ飲んでいると、元貴は酒 の弱さが露呈し、ソファに寄りかかって少しぼ一っとする。
りょうちゃんが「ほら、 元貴、飲みすぎんなよ」と笑いながら機材を片付け始め、若井はさらにビールを空けてニヤニヤ。
「じゃ、俺、先に帰るわ。スタッフと話あるし。元貴、若井に送ってもらえよ」とりょうちゃんが立ち上がり、控室を出ていく。
スタッフの声も遠ざかり、控室には元 貴と若井だけが残される。薄暗い照明の 下、静かな空気が流れる。
若井が元貴の隣にグイッと近づき、酔った 勢いで肩を寄せる。
「なあ、元貴。」
若井の声は低く、いつもよりエロい雰囲気 を漂わせる。
元貴は酒のせいで少しふわふわした頭で、ドキッとして目を逸らす。
つづく…