『初音ライダー剣』
第24話
“激突”
MEIKOはギャレンに変身し、ルカ=ジョーカーを封印しようとする。ミクはそれをさせまいとブレイドに変身し、ギャレン/MEIKOを止めようとする。そうして2人のライダーの意見は決闘にまで発展した。
MEIKO「ミク、どきなさい!」
ミク「嫌だ!」
ギャレンは最後通告のようにブレイドに退くことを促す。だが、ブレイドは退かない。ギャレンは仕方なく、ギャレンラウザーを抜いてブレイドに向けて連射する。ブレイドはこれを左に回避していき、得意とする接近戦に持ち込もうとする。
ギャレン/MEIKOは当然、そこを理解しており、そうはさせまいとギャレンラウザーを連射し、ブレイドを追い詰めていく。だが、ブレイドは途中で遮蔽物に身を隠し、ギャレンの銃撃から逃れた。ギャレンは銃撃を止め、ブレイドの出方を伺う。そこに、遮蔽物の上からブレイドがジャンプしてギャレンに斬りかかってきた。
MEIKO「ッ!」
ギャレンはサイドステップでブレイドの斬撃を回避する。だが、距離を詰められたことでブレイドの得意とする接近戦に持ち込まれてしまった。ブレイドはブレイラウザーを振るい、ギャレンを攻撃していく。だが、ギャレンも接近されたからと言って弱体化するワケでもない。ギャレンはブレイドがブレイラウザーを振るう隙を狙ってブレイドの懐にギャレンラウザーを突きつけ、連射する。
ミク「ッ!」
ブレイドはよろけてバランスを崩し、尻餅をついた、ギャレンはそこを追撃すべく、ブレイドに組み付こうとする。だが、ブレイドは♠Jのカードを取り出し、ラウズアブゾーバーでラウズする。
「FUSION JACK」
ブレイドはジャックフォームとなり、空中に飛んでギャレンの組み付きを回避した。ギャレンはブレイドを追うべく、♦Jのカードを取り出してラウズアブゾーバーでラウズする。
「FUSION JACK」
ブレイドに続いてギャレンもジャックフォームとなり、空を飛んでブレイドの後を追う。ブレイドは先手必勝を心掛け、自分の後を追ってきたギャレンに高速で接近して強化型ブレイラウザーを振り下ろす。ギャレンはこれを察知し、強化型ギャレンラウザーの銃剣でブレイラウザーを受け止める。そして、2人は鍔迫り合いを展開した。
MEIKO「ミク、何でジョーカーを庇うの?」
ミク「分からない…でも、あの人を見捨てられない!」
ギャレンは鍔迫り合いの中で再びブレイド/ミクの思惑を聞いた。何故ルカ/ジョーカーを庇うのか、それはブレイド/ミク自身にも分からなかった。だが、彼女はどうしてもルカを見捨てられなかった。そこに、2人が戦っている空域の真下にウタが現れた。
ウタ「やめてミク!MEIKOさん!2人が戦うことなんてないよ!」
ミク「!?」 MEIKO「ウタ!?」
ウタの声にブレイドとギャレンは一瞬下を向く。だが、その次の一瞬、ブレイドがより上空に上がった。そして、ブレイドはブレイラウザーに♠2と6のカードをラウズする。
「SLASH」
「THUNDER」
「LIGHTNING SLASH」
ミク「姉さん、ごめん!」
ブレイドは電撃のエネルギーを纏ったブレイラウザーをギャレン目掛けて振り下ろす。ギャレンはこれを回避しようとするが、回避しきれず、右側のオリハルコンウィングに斬撃を受ける。
MEIKO「うッ!?」
ギャレンはウィングにダメージを受けて飛行能力を奪われ、地表へ落下する。
ウタ「ひゃっ!?」
ギャレンはウタの真横に振ってきた。驚いて腕で顔面を覆うウタをよそに、ギャレンは仰向けに倒れ伏し、変身が解除されてMEIKOの姿に戻った。
MEIKO「う…」
ウタ「MEIKOさん!」
ウタは倒れたMEIKOを気遣う。直後にブレイドも降りてきて、変身を解いた。
MEIKO「…私の敗けね。あんたの思う通りにしていいよ。」
ミク「姉さん…」
MEIKOは潔く敗北を認め、ルカ/ジョーカーのことはミクに任せることにした。その一方でもう一言、言うべきことを言う。
MEIKO「…でも覚えておいて。ジョーカーは必ず封印しなければならない。」
MEIKOはまだ、ジョーカーを封印すべきと思っている。そう言うと、MEIKOはウタに肩を駆りて宿舎の奥へ入って行った。
ミク「…」
ミクはウタの肩を借りて去るMEIKOを無言で見つめた。
後日、ミクはアンデッドサーチャーに反応があった場所にブルースペイダーで向かう。その最中、先日の出来事を思い出した。ルカとのやり取りだ。
ミク/ブレイドとMEIKO/ギャレンの一騎打ちの一部始終はルカも見ていた。その戦いの後、ミクはルカと話をした。
ルカ「何故、私を庇った?」
ミク「だって、あなたを見てて、あなたが人間を滅ぼすなんて考えられなかったから。」
ミクはどうしても、ルカが人間を滅ぼすとは考えれなかった。
ルカ「…何でそう考えた?」
ミク「そりゃ、あなたには大事な人がいるでしょう?」
ルカ「…」
ミクはルカには大事な人がいるという。その人のことを考えると、ルカは人間を滅ぼすなどできないはずだ。だが、ルカはそれを考えたことがなかった。
ルカ「…やはり私はここにいない方が良いらしい。」
ミク「へ?」
ルカ「世話になった。帰る。」
ルカはミクの言葉を聞いて複雑な気持ちになり、BOARDから去ることにした。
ミク「…待ってるよ。」
ミクは立ち去るルカを無理に引き留めたり、「さようなら」と言ったりするよりも、再び会う約束をするように「待ってるよ」と声をかけた。
そんなやり取りを思い出していたミクだが、そろそろ目的地の仮設住宅地帯に着く。ミクはそれを考えて、ブレイバックルを取り出す。
ミク「変身!」
「TURN UP」
ミクはブルースペイダーごとオリハルコンエレメントをくぐって仮面ライダーブレイドへと変身し、目的地へ向かう。
目的地の仮設住宅地帯ではスカラベアンデッドがチャクラムのような円盤状の刃物を投げて近隣の住民を脅かしていた。それを見たブレイドは早速、ブルースペイダーを降りてブレイラウザーを抜き、スカラベアンデッドに斬りかかる。ブレイドが自分に斬りかかってくるのを見たスカラベアンデッドはブレイドがいる空間の時間を止め、ブレイドの動きを一時的に止める。自分がいる空間の時間を止められたブレイドは自分の動きが止まっていることすら気付けない。スカラベアンデッドはそこを突いてブレイドにチャクラムを投げる。だが、投げる前に銃撃に阻まれた。仮面ライダーギャレンだ。
MEIKO「…っ!」
ギャレンはギャレンラウザーを向けてスカラベアンデッドを牽制する。その隙に動けるようになったブレイドはそのままスカラベアンデッドに斬りかかり、スカラベアンデッドと斬り結ぶ。スカラベアンデッドの力は意外と強く、持ちにくいチャクラムでブレイドのブレイラウザーを押し返そうとする。だが、ギャレンの銃撃により怯んだ。スカラベアンデッドはギャレンのいる空間の時間を止め、ギャレンの動きを封じる。そこにチャクラムを投げつけた。
MEIKO「ぐっ!?」
ギャレンはチャクラムを受けて倒れた。だが、そこに再びブレイドが斬りかかってきた。ブレイドは手持ち武器のなくなったスカラベアンデッドを追い詰める。だが、スカラベアンデッドは再びブレイドの時間を止め、ブレイドを攻撃する。
ミク「うっ!?」
ブレイドは時間を止められた直後に攻撃をくらって怯む。そこにギャレンが駆けつける。
ミク「…姉さん。」
MEIKO「二手に分かれましょう。左右から追い込むわよ!」
ギャレンはブレイドに二手に分かれるよう指示し、自分はスカラベアンデッドの背後に回る。そして、頃合いを見計らうとブレイドは再びスカラベアンデッドに斬りかかる。スカラベアンデッドはブレイドのいる場所の時間を止める。ブレイドの動きが止まったのを見て、攻撃しようとしたその矢先、横からギャレンの銃撃を受けた。スカラベアンデッドは怯んだ。その隙に時間停止から解放されたブレイドがブレイラウザーから♠5、6、9のカードを取り出し、ブレイラウザーでラウズする。
「KICK」
「THHUNDER」
「MACH」
「LIGHTNING SONIC」
ミク「はあああああ!」
ブレイドは猛スピードでダッシュし、空中に飛び上がって電撃のエネルギーを纏った右足を突き出してライダーキックを入れる。スカラベアンデッドはその一撃を受けて蹴り飛ばされ、壁に激突してアンデッドクレストを開いた。ブレイドはそこにブランクのラウズカードを投げ入れ、スカラベアンデッドを封印した。その直後、謎の声がした。
キング「へえ、僕の眷属を倒すなんて…少しはやるじゃん。」
建物の後ろからキングが出てきた。
ミク「…カテゴリーK!」
キング「だからキングで良いって。それより、君たちのラウズカードももらおうかな。」
ミク「誰が!」
ブレイドはキングを睨む。キングはコーカサスアンデッドへと姿を変え、剣と盾を構える。ブレイドはブレイラウザーを振るってコーカサスアンデッドに挑む。コーカサスアンデッドは手にした剣でブレイドのブレイラウザーでの一撃を受け止め、力押でブレイドを押す。
ミク「…ッ!」(何て力…)
キング「その程度かよ!」
コーカサスアンデッドは剣でブレイドを押し切り、そのまま剣でブレイドを正面から斬り裂く。
ミク「ぐッ…」
ブレイドは正面から大きく斬られて大ダメージを負う。コーカサスアンデッドは追撃しようと剣を振り下ろすが、ギャレンの銃撃に阻まれた。ギャレンは銃撃を仕掛けた後、コーカサスアンデッドの懐に飛び込んで、そこでゼロ距離射撃を決める算段を取っていた。しかし、コーカサスアンデッドは簡単には怯まず、懐に入ってきたギャレンを剣で薙ぎ払う。
MEIKO「くっ…」
ギャレンは弾かれて倒れそうになった。今度はブレイドが再び攻める。ブレイドは♠Jのカードを取り出し、ラウズアブゾーバーでラウズする。
「FUSION JACK」
ジャックフォームとなったブレイドは空中へと飛び上がり、♠2と6のカードをラウズする。
「SLASH」
「THUNDER」
「LIGHTNING SLASH」
ブレイドは空中から電撃のエネルギーを纏ったブレイラウザーを振り下ろす。コーカサスアンデッドはこれを盾で防ぐ。その後、剣でブレイドに一撃を入れる。
ミク「くはっ…」
ブレイドは脇腹に一撃を入れられて倒れ転げる。コーカサスアンデッドは倒れたブレイドに対し、剣を振り下ろそうとする。しかし、またしてもギャレンの銃撃に阻まれた。
キング「…ふん。」
コーカサスアンデッドはターゲットをギャレンに変える。ギャレンはラウズアブゾーバーで♦Jのカードをラウズする。
「FUSION JACK」
ブレイドに続いてギャレンもジャックフォームとなり、空中へ飛んでそこから銃撃を仕掛ける。しかし、コーカサスアンデッドは盾をかざして銃撃を防ぐ。ギャレンは強化型ギャレンラウザーから♦2、4、6のカードを取り出し、ラウズする。
「BULLET」
「RAPID」
「FIRE」
「BURNING SHOT」
MEIKO「くらえ!」
ギャレンはギャレンラウザーから炎の弾丸を高速で連射する。コーカサスアンデッドは炎に包まれ、辺りは炎の弾丸の余波で爆発し、爆発音が鳴り響いた。
MEIKO「…やった?」
ギャレンはコーカサスアンデッドを倒したかどうか確認すべく、地表に降りた。しかし、煙の中からはコーカサスアンデッドがほぼ無傷で出てきた。
MEIKO「な…!?」
コーカサスアンデッドは驚くギャレンをよそに、剣を持ってギャレンに挑む。ギャレンは強化型ギャレンラウザーの銃剣で受け止めるが、圧倒的なパワーに押され、ブレイドと同じように正面から斬られた。
MEIKO「ぐはっ…」
ギャレンは怯む。ブレイドは再び立ち上がってコーカサスアンデッドに挑むが、コーカサスアンデッドはブレイドの一撃を軽く回避し、右手でブレイドの首根っこを掴む。その直後、再度挑んできたギャレンの首根っこも掴み、2人のライダーを宙釣りに持ち上げた。
ミク「う…」 MEIKO「く…」
キング「この程度かよ。」
コーカサスアンデッドはブレイドとギャレンの首根っこを掴んだまま、2人を同時に投げ飛ばした。ブレイドとギャレンは投げ飛ばされた先で仰向けに倒れ、変身を解除された。
ミク「…はあ…」 MEIKO「…はあ…」
キング「ふふん♪」
コーカサスアンデッドは倒れたミク=ブレイドのブレイラウザーからオープントレイを開き、♠のラウズカードを全て奪い取った。その後、コーカサスアンデッドはMEIKO=ギャレンのギャレンラウザーからもカードを全て奪い取った。
キング「あ~楽しかった♪んじゃ、ありがたくもらっとくよ♪」
コーカサスアンデッドはブレイドとギャレンのラウズカードを奪うと、満足して仮設住宅地帯を去った。
キヨテル「ミク!」
ウタ「MEIKOさん!」
その後、雨が降り注いできた中、キヨテルとウタがミクとMEIKOを見つけ、声をかけた。だが、2人は膝を抱えて座り込んで、全く返事をしなかった。
ミク「…」 MEIKO「…」
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