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窓から見る景色はすっかり紅葉の季節になった。
いよいよ本格的に文化祭が近づいてきた。
私の仕事は少ないが、一発本番。
まだこの不安には慣れない。
少し辺りを見渡す。各々の気持ちもあるだろうが
皆楽しそうだ。
その中で、部室の隅で座り込んでいる人が居た。
「松野君、どうしたの?」
そう聞きつつも、緊張していることは分かる。
初めての主役、最後の文化祭。
顔を見て、改めて焦っているのだろうと考える。
「読み方教えてもらったし、練習も付き合ってもらったのに、ごめん。やっぱりどうしても不安で。」
「君なら大丈夫だよ。自分の頑張りを信じてあげて。」
「信じる、か。ありがとう、千代木さん。」
頑張ってみる、と言い練習を再開した。
私は、私には何ができるだろう。
文化祭当日まで後数日。
恋にうつつを抜かしている訳にはいかない。
皆本気だから。その気持ちは私も同じだ。
「最終確認しとくか。」