明日…いや、もう今日か。今日は抹茶の日らしいですね。
愛知県西尾市茶業振興協議会が1992年(平成4年)に制定。
日付は茶道において釜を掛けて湯を沸かす道具「風炉(ふろ)」から「ふ(2)ろ(6)」と読む語呂合わせで2月6日としたもの。西尾茶の創業120年の記念と、販路拡大が目的。
風炉は現在の作法では夏季の5月から10月まで使用されるが、元々の茶の湯の作法は風炉から起こったもので、今でも最高の形式でお点前(てまえ)をする場合には風炉が使用される。
2021年(令和3年)2月時点で、一般社団法人・日本記念日協会のWebサイトでは、「抹茶の日」を抹茶の生産地として名高い愛知県西尾市の西尾茶協同組合が制定、と記載されている。そして、西尾茶協同組合が制定した記念日として、日本記念日協会により認定・登録されている。
故に折角なので抹茶に纏わる竜春を書こうと思った次第でございます。蘭春も書きたいけれど多分寝落ちてしまいそうなので…今日の午前中までに高評価2000行ったら蘭春verも書こうかな。殆ど無理難題だけどね。
※竜胆と春ちゃんが付き合っていること前提です。
春の香り
任務が終わり、本部へ帰ると、三途が死んでいたのを目撃した午前3時、灰谷竜胆。
あぁ、帰ってきたけど帰りたい。
というか付き合ったときもう薬はやらないよう約束させた筈だが、もう破ってしまったのか。自分との約束はそんな軽いものだったのかと、竜胆の顔が少し陰る。
「キメたのか。」
「・・・キメてねぇ。」
思ったより真面目なトーンで三途がそう返す。もし薬をキメていないのであればそれはそれで酔狂なことをしていると思うが、ホッとした気持ちには勝てなかった。
「キメねぇよ…だって、お前と約束したもん。」
至って真面目に、仰向けに寝転がったままの癖に、そういうのだ。
竜胆の頬が緩み、三途を見下ろす眼差しに甘みが滲み始める。
「そうか。」
「おう。」
ふと、思い立ったように竜胆が三途の隣に腰を下ろし、三途の頭を優しく撫で始めた。
「っ⁈、り、あ」
突然の出来事に三途が真っ赤に染まるが竜胆はお構いなしに三途の頭を撫で続ける。
「ふふ、別にいーじゃん。俺たちしか今はいないんだし。」
「・・・」
三途がフイと視線を逸らす。長く濃ゆい睫毛を俯きがちに細め、左下を見るのは三途が恥ずかしさ半分で喜ぶ時の癖である。
それをみて、竜胆が更に笑みを深くした。
「春、かわいーね。」
「⁈、竜胆…お前、今日、なんかあったのか?」
「いや、別に。」
むしろスイッチを入れたのは春だよ、と茶化してみたら三途はどんな顔をするだろかと想像しながら頭を撫でる。竜胆のひんやりとした大きな手に包まれて、三途は頬を赤らめながらも気持ちよさそうにしいる。今にも猫のようにゴロゴロと喉を鳴らし始めそうだ。
その時、偶々デスクのロッカーからはみ出た書類が目に留まり、報告書を作成しなければいけないことを思い出し三途を撫でる手を止めた。明日までに提出しなければとまだ甘やかし足りないが仕方がなくその重い腰を上げた。すると、ぎゅ、と。スーツの裾を引かれた。
「ん、春?どうしたの??」
「なぁ、竜胆…」
「うん。」
「もうちょっとだけ…あ、いや。えっと…」
三途がもじもじして視線を右往左往させながら必死に言葉を紡ごうと舌を回す。
三途が可愛いすぎる。その情報のみで竜胆の脳の容量を余裕で飛び越していった。
「っ、はぁ〜〜〜〜〜」
「え、あ、あのごめん…、俺。」
大きく溜息をついた竜胆に三途がウルっと瞳を溶かす。
「違う。」
「え?」
そういうなり、竜胆は三途を抱き込むようにして、仰向けに寝転がる三途の上へとのしかかった。
「重い…」
そういう割には、三途の顔は嬉しそうに緩んでいるし、手はしっかりと竜胆の背中へと回されている。
すぅーーーーーー
「ん、春いーにおい。」
「え、俺そんなににおいするか?」
「うん、抹茶のいい匂いがする。」
竜胆は三途の耳元でそう囁くと、もう一度三途の香りを胸いっぱい吸い込んだ。
すぅーーーーーー
「…それ、恥ずかしいんだけど…」
「いい匂い〜。」
嬉しい半分、羞恥心半分といったところか。それでも竜胆のことを抱きしめ続けるあたり、竜胆が三途に惚れ込む理由が伺える。
「なぁ、春。」
「なんだ?」
「抹茶飲みにいかねぇ?ちゃんとしたやつ。」
「デートってことか?」
「ん。そーそーデート」
「今取り敢えずデートってことにしたろ。」
「春とはどんな形で出かけても俺は楽しいよ。」
「・・・」
三途、死因、尊死。午前3時42分、御臨終です。
「春、好きだよ。」
竜胆が三途を抱きしめる腕を少し強めて唄うようにそう口にする。
「俺も、竜胆が大好きだよ。」
三途もそう負けじと愛を囁く。
互いに顔が見えないという安心感からか、三途の顔は勿論、竜胆の顔も、真っ赤に染まっていた。
終わり。
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次のお話はこちらに引けを取らない超甘々蘭春となっておりますのでそちらも是非!
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