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明那side


主犯を探す。

ふわっちにこんなにも酷いことをしたやつを

簡単に許すことができない


ふわっちは

俺が主犯の名前を聞いても教えてくれなかった

きっと彼なりの優しさなんだろう。


その事実が怒りを強くさせる

こんなに愛らしく愛おしい人に

トラウマを植え受けて、傷つけて

ボロボロにしてしまった

許せない











俺は主犯の2年を屋上へ呼び出した


「え〜♡明那くん!用事ってぇなぁにぃ?♡」

甘ったるい声に虫唾が走る


「君だよね、ふわっちのこといじめてたの」


「え〜♡いじめてないよ〜♡ちょっとお仕置きしてただけ♡」



「あんなのただの遊びの一環だよぉ♡」


ふざけるなよ


「”そんなこと”より明那くん♡私前からずっとぉ、明那くんのこといいな♡って思って、」






「…そんなこと?」



「え?♡、え、明那くんどうしたの、?」


「嘘の噂を流されて、お腹を殴られ、蹴られたり、腕に数えきれないほどの傷をつけられたり、虫を無理やり口に放り込まれたり、男にレイプされることが…それがどれだけ辛いことなのかわからないのか…!」


主犯にとっての”そんなこと”は

ふわっちにとっての”地獄”で


この事象にふわっちは

何度心を殺されて

何度死を考えただろう


消えない傷、忘れられないトラウマ

優しい彼が背負うべきものじゃないだろ



「え、でっでも〜♡それはあいつが悪くて!」


何したっていうんだよ


「明那くんに勝手に近づくからー💢」


勝手なこと言うなよ

俺は、俺は


「俺は君なんかより100倍ふわっちの方が好きだ」



「え、」

「な、なんであいつなの?!私のが可愛いじゃん!」

「不破くんを悪者に仕立て上げたのだって

明那くんのためなんだよ!?」

「変な害虫が明那くんに近づこうとしてるから私が排除しようとしてあげたんだよ!?」

「なのになんで私じゃないの…?」



「俺は君のことなんてこれっぽっちも好きじゃない」

そう、大っ嫌いだよ

ふわっちを傷つけた最低な人間


「それに…」



「害虫はそっちだろ」


罪のない優しい人を

取り返しのつかない状況にした

どっちが悪かなんてわかりきってる



「…そんな…」

「明那くん…ご、ごめんなさいわ、私が悪かったから」

「だから嫌いにならないで…」


もう遅い


「ふわっちをいじめたのは認めたね」


「だってグスッあいつがぁあいつが悪いのぉ」

「だから許してよぉ…」



あぁこれ以上話しても無駄か


俺は泣いている主犯をおいて扉へと向かう

「待って!…待ってよぉ明那くん、」


バタン


後はあれをしなきゃな




ポケットにしまっておいたボイスレコーダーを取り出す


うん。よく撮れてる



俺はダッシュで放送室へと向かった




はぁはぁ

息を切らしながら放送室につく

みんなが帰る前に…やらなくちゃ…!

俺はボイスレコーダーを片手に放送ボタンを押した

ジジッ

サー

「だって!あいつが悪いじゃん!」

「不破くんを悪者に仕立て上げた…」

「不破くんをいじめた、」

ジジッ


よし完璧だ

きっと後から先生の注意を受けるだろう

それでもやっておくべきだと思い

俺は噂の撤回に必要な単語を全校放送した


これでやっとふわっちの変な噂がなくなる

そして主犯の評判も下がる





これで満足したわけではない

でも、ふわっちは多くの復讐を望んでるわけでもない

だからこの方法が最善だ








「ふわっち、もう大丈夫だよ」








俺は初めてふわっちを

サポートできたような気がした

大好きだっただけなのに fw嫌われ

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