一覧ページ

『Ωのおまえとβの僕』

第17話 - 第17話

2,072

2025年06月01日

#knhb

#nmmn

#ヴォルタクション

#VOLTACTION

#にじさんじBL

#vlt

LuNa

___hykw side

「ふー！蒼ナイス！かっけえ！」

「開始数分で点入れるとかやばすぎね？」

『はは、ありがとー』

クラスメイトが俺の周りに集まってくる。適当に返事をしながら、2年校舎をふと見る。

雲雀は先生に怒られたのか、既にこちらを見ていなかった。

その瞬間、肩に強い衝撃が走って誰かの声がした

「おーい蒼。どーこみてんの？……って、また噂の渡会か」

「お前ほんとあの二年のこと好きだよなあ。美人の女子の番がいなければ、なあ？」

『…お前それわざとだろ、あれは俺の姉。２年と1年がうざくてついた嘘』

「で？まんまと渡会も騙されましたと？自業自得じゃね」

『それは、…っはぁ、…そうだけど』

「好きなんだろ渡会の事。早く告っちまえよ〜？風楽に取られちまうぞ？」

『…その名前出さないで。イラつく』

「あーあ可哀想〜でも風楽いいやつだけどな〜…犬みたいで。俺は好き♡」

「語尾に♡つけんなよきしょくわりぃ」

友人達の会話を聞きながら静かに頭を抑える。そう俺、早川蒼は渡会雲雀の事が好きだ。明るくて、太陽みたいで、誰にでも好かれる雲雀を、俺は好きになった。

___美人の番がいる。という嘘をつかなければ、きっと今頃には…

『はぁ…くそ、っ』

「あれあれ〜？いつものイケメン王子様キャラはどうしたんですか〜？」

『うるさい。…お前らにはずっと素見せてるだろ』

「まあそれはそう〜……で、お前渡会に告白とかすんの？」

そんな友人の質問に、少しため息をつく。コイツも風楽も嫌いだ。

『まあ、いつかはね』

「きゃーーっ！♡蒼きゅんかっこいい〜！」

『キモい』

___ﾋﾟｰｰｰｰｰｰ！

「おいそこ！！喋るな！」

「うげ、怒られた…はーーーい。」

『お前ちょっとは静かに出来ねえのかよ』

「はあ！？蒼も喋ってただろ！」

『何を言ってるか分からないなぁ』

「うっわ、猫被った」

未だにギャーギャー騒いでいる友人から離れて、水分補給をするために水筒を取る。

その時、校舎からなにやら視線を感じ、顔を上げる。___綺麗な蜂蜜色の瞳と目が合った。

俺と目が合うと、びっくりしたように目を見開いた後、にぱりと効果音がつきそうな笑顔で小さく手を振ってきた。

…あー、可愛いな

それに応えるように笑みを浮かべて手を振りかえす。それがよほど嬉しかったのだろうか、また大きく手を振ってきた。かと思えば、先生から怒られたのだろうかシュンとしたような顔をして授業に戻っていった。

『…ふは、なにしてんだ雲雀、』

可愛いらしい彼を見たらなぜか元気が湧いてきた。やっぱり、雲雀パワーは凄いな

___knt side

「おい渡会、手を振るな！」

「あ”、す、すんません…！」

先程の幸せそうな顔とは打って変わって、シュンとしたような表情になって窓から視線を逸らした。クラスがくすくすと笑いに包まれる。それは決して馬鹿にしているような笑いじゃなくて、癒されているようなそんな笑い声

全員が笑っているのに、自分は凍りついたように無表情のままだった。

パキッとシャー芯が折れる音がする。しまった、力を入れすぎたみたいだ。内心うんざりしながら新しいシャー芯を取り出して補充する。カチカチと何回か押すと、新しいシャー芯が出てきた

『……、』

もう、授業を受ける気にもなれなかった。

まるで世界の終わりのように自分の周りの空気は温度が下がっていて、今は何も見たくなかった。

自分でも女々しいな、と思うが今の俺にはこの感情を治す術が思い浮かばなかった。

ただ授業を聞き流して、ノートもまったく取らないでボーッとしてるだけ

早く、授業終わんないかな

そしたらこれ以上、雲雀を見なくて済むのに

時は進んで、すっかり下校時間になった。

鞄に教材を詰め込みながら携帯の予定表を開く。…そういえば、今日は病院に行く日だったような。が、僕の予想は外れていて明日が病院に行く日だったようだ

今日は何も用事がないし、帰ろ

机の間を縫って、

教室を出ようとした瞬間

「あ、待って奏斗！俺も帰る！」

雲雀から声をかけられた

『…ひば、』

一番、会いたくない人物に会ったというのに、俺の心臓はドキリと小さく鳴いた。

不毛だ

雲雀は俺のこと好きじゃないのに

「…？あ、もしかして予定あった！？」

『…ううん、違う。なんもない』

「じゃあ帰れるやん！早くいこーぜ！」

雲雀に手を引かれて、教室を出る。

その瞳には僕が映っている、けど

そこには”相棒”としか書いていない

きっと、ずっとこれからも

___分かってはいる

いるけど

『(嫌だなあ…)』

『Ωのおまえとβの僕』

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

2,072

17件

全然見れてなかった😭 念願の早川先輩side！？ありがとうございます〜🫶💕メイン以外のマリさんと早川先輩がそれぞれの視点で見たら印象めっちゃ変わるし、2人ともいい所があって最高です‼️ これからも待ってます！

え早川…はや…え？早川先輩まじすか…奏斗頑張って…！！

面白かったです！早川先輩ほんとに好きだったんですね、告白されたら付き合っちゃうのかな？？奏斗頑張って〜！！

LuNa

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

『Ωのおまえとβの僕』

第17話 - 第17話

作者の他の作品すべて見る

#knhbの新着小説
一覧

関連するタグ

『Ωのおまえとβの僕』

第17話 - 第17話

作者の他の作品すべて見る

#knhbの新着小説一覧

関連するタグ

#knhbの新着小説
一覧