___マリ side
『…夏祭り?』
「そう!夏祭り!あんた風楽好きなんでしょ?誘っちゃいなよ〜!」
「そーそー。奏斗くんも絶対マリのこと好きだし誘ったら?」
あの後、すぐに放課後になり奏斗くんを誘って一緒に帰ろうと思ってたけど既に帰っていたようで。友人に慰めて貰いながらスタバでおしゃべりをする事にした。と、思えば急に夏祭りに誘え。と言われた
そっか、夏祭りもうすぐなのか
『……そう、だなあ…』
「マリが可愛い浴衣来たら絶対ドキドキするって!私着付けするからさ〜!」
「私は後ろからついて行こうかな。隠れて写真撮っちゃお」
楽しそうに話している友人を見つめるだけしか出来なくて、ぎゅっとグラスを握りしめる。___勿論、奏斗くんと夏祭りに行きたいけど、きっと奏斗くんは渡会さんを夏祭りに誘うだろうし。私が入る隙間なんてない。
「…マリ?どうしたー?」
『え…あ、いや。…奏斗くん、好きな人いるから…私が誘ったら迷惑かなって』
「はあー?迷惑だったらお昼ご飯一緒に食べたりしないでしょ!アンタどこまで自信ないん?」
『いや、でも…本当に奏斗くんが好きなの私じゃなくて、』
私がそういうと、前に座ってた友達が私の頬をむにゅと掴み、目を合わせてきた。私が困惑してると友達がはぁ、とため息をついて私に言った。
「…マリが何を気にしてるか分かんないけど誘いたいなら誘えばいいじゃん。何がそんなに怖いの」
「そーそー!アタシ達もう2年せいだし、3年になったら忙しくてもう夏祭りとか行けないし!どうせなら誘っちゃおうよ!」
『…でも、』
「でもじゃない。誘いたいなら誘えばいい。マリは奏斗くんと行きたいの?それとも行きたくないの」
『…………いき、たい』
私だって奏斗くんの好きな人になりたい。奏斗くんと夏祭り行って、一緒に屋台回りたい。本当は誕生日だって知りたいし連絡先も交換したい。___奏斗くんの事が好きな気持ちは誰にも負けたくない___絶対、負けてない
『誘ってみる。…2人とも、ありがとう』
奏斗くん、私のことも意識してくれるかな
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___knt side
あんな事があった後でも、雲雀はいつも通りに僕の横を歩いて嬉しそうに色んなことを話している。その眩しさが羨ましくて、好きだった。
「でな、それで___」
『雲雀。ごめん』
「……え、?」
雲雀の声に被せてそう発言する。雲雀はピタリと動きを止め、僕を見てきた。
『…雲雀を襲おうとするなんて、本当におかしかった、ごめん。…早川先輩を否定したのも、雲雀の気持ち何も考えてなかった。…ごめんなさい』
そう言って謝ると、雲雀はビックリしたような顔をし、くしゃりと表情を崩した。それは悲しそうなでも嬉しそうな、何が何だか分からない表情をしていた
「全然大丈夫。でも早川先輩を悪く言うのは許せんかった。でもあれが奏斗の本心じゃないってことも分かってるから、そんな顔せんでよ…?」
雲雀が優しく笑う。その笑顔にまた自分の顔も酷く崩れた。雲雀の手が僕の頭を撫でる。涙が視界を見えなくした
雲雀は「大丈夫、大丈夫やから」と自分も泣きそう声をしながら優しく頭を撫でた。
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_hbr side
『送ってくれてありがとな』
「うん、全然。また明日」
既に日が暮れ始めた頃、奏斗は俺を家まで送ってくれた。あの後2人で泣きじゃくって通行人の人から白い目で見られたけど、仲直りできたからwin winだろう。
『また明日な!奏斗』
「…うん、また明日___」
「あれ、…雲雀?」
『……え、…?……』
カチリと視線が合う。
そこには、俺が大好きな彼の姿があった
コメント
6件
大好きな彼…まさか…!!奏斗頑張れぇ…!!
早川先輩か!めちゃ気になる〜! 奏斗!頑張らないと取られるよ〜💦 いつも面白い話ありがとうございます! こんな面白い話を書けて尊敬です!✨️
めっちゃ気になる終わり方...!! やっぱりknhbを応援したいけどマリさんたちsideを知ってから健気に頑張ってる2人もいい...。つづきが気になるような書き方やっぱ良いですね〜!これからも楽しみにしてます‼️