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不穏
何日かたって、雲雀が目を覚ましたとのことで4人は雲雀のいる病室に向かった。
hb「あ、いらっしゃい」
いつもと変わらない優しい笑顔。
これが嘘だなんて思いたくなかった。
ri「っ、ひばにい、いや、渡会さん。これから貴方は軍に引き渡されます」
hb「うん、そやろうね。」
ニコニコと笑顔のまま話を聞く雲雀。
このままでは死罪になることは確定なのに。
ri「なんで、こんなこと、したんですか…?」
hb「それは軍からの質問?それとも個人的な?」
ri「個人的ですけど、後で軍からもされると思います」
hb「そっかぁ。んーじゃあ、今のところは『壊したくなった』からかな」
ri「?それってどういう・・・」
ライが問いただそうとしたときに警報がなった。
wn「こんなときに!?」
rb「っ侵入者らしいです」
ri「たぶん狙いはひばにいだ!!」
tt「じゃあ、固まって…」
ri「いや、俺らが固まってたほうが目立つから一回散ろう」
tt「了解!!」
rb「配置は?」
wn「テツ、雲雀さんは任せた」
tt「え、俺!?!?」
ri「わかった。じゃあ、行こう!!!!」
3人が駆け出していく。
いくら病院といえど緊急事態。
走る彼らを責めるものはいなかった。
hb「さて、てっちゃんはどうするん?」
tt「ちゃんと、話したいです。」
hb「俺と?」
tt「はい」
hb「熱烈やね。いいよ。何が聞きたい。」
イッテツは迷った。
一体この場で何を話せばいいのか。
きっと何を聞いてもはぐらかされてしまうだろうけど。
tt「…どうして、庇ったんですか?」
hb「え?」
tt「マナくんと戦った時、先輩は爆弾を使いましたよね」
hb「せやねぇ」
tt「それを、マナくんにぶつけるんじゃなくて、自分の後ろに投げて、マナくんを庇って爆発を受けたと聞きました。」
hb「…誰に?」
tt「お医者さんが、マナくんに傷が比較的小さかったことと、先輩が背中の広範囲にやけどを負っていたことからそう言ってました。」
hb「別に庇ったつもりはないんやけど…」
tt「それが事実なら、まだっ」
hb「なにが、まだなん?」
tt「っ、それは…」
hb「俺らは一発で死罪になるような罪を犯した。善意とかそういうもんで生き残れるほどこの世界は甘くない…。そうやろ?」
tt「けど、先輩は…!」
hb「もう、ええんよ」
ニッコリ笑う雲雀に、イッテツの胸が痛む。
イッテツは、まだ美しい先輩たちの姿を捨てきれていなかった。
――
ri「こっちの方に確か信号が…って、うわっ!!」
3人と分かれて薄暗い廊下に入る。
すると、ナイフのようなものが頬をかすめ、後ろに飛んでいった。
sr「いい反応速度だね」
ri「!!セラフ、さん」
一番厄介な相手にあたったと、ライは内心でため息をついた。
自分は、ロウやカゲツのように気配を消せたり、逆に察知したり、ショウのように物量攻撃ができるわけではない。
奴らが街を壊していなければ、冗談を言って仲間が来る時間を稼いでいただろう。
だが、奴らは街を壊した。
仲間を傷つけた。
もう、憧れる先輩ではないのだ。
sr「いい顔になってきたね。でも…」
ri「っ!?」
前にいたはずのセラフの姿が消える。
慌ててあたりを見渡すが、気配も、姿も、どこにもない。
sr「力が入りすぎ」
ri「!!!!!!!」
後ろから声がしたかと思うと、凄まじい電流が身体をはしった。
ri「スタ、ンガン…?」
sr「そう、スタンガン。今回は誰も大怪我させるなって指令が出たから」
ri(手加減されて、これ、かよっ…)
sr「じゃあね、ばいばい」
ライの意識はそこで途絶えた。
――
wn「あいつら、大丈夫かなぁ」
見るからに細いライと、ここで力が使えるかわからないショウと、キョドるイッテツのことを考えて小さく笑う。
wn「ま、僕も人のこといってらんないんだけどね」
眼の前にいるのは奏斗。
目を光らせ銃を構え、いつでも撃つ準備はできているようだった。
kn「別のこと考えられるなんてすごいねぇ」
wn「奏斗さんだって話しかけてるじゃないですか」
kn「僕はひばを救いたいだけだから」
wn「…雲雀さんはもう軍に引き渡されましたよ?」
ここでハッタリをかましてみる。
奏斗の眉がピクリと動いたあと、銃がぶっ放された。
wn「っ!!」
それを大剣で凌ぐ。
が、手がしびれてしまい、素早く動けない。
kn「嘘は良くないよ?それに、それがもし本当だとしたら、君等を潰してもOKになっちゃうから」
wn「え?それってどういう…」
kn「今回は誰も大怪我をさせないことが条件だから。無事に雲雀を救い出せってこと」
銃で何発も撃たれ、防戦一方だ。
だが、必ず弾は底を尽きるはず。
その隙を打てば…
kn「残念」
wn「!?!?!?!?」
kn「考えてることが分かりやすすぎだよ」
wn「ガッッッ」
首に強い衝撃を受け、ウェンは気絶した。
――
rb(こっちに電気反応が…)
病院の外にある小さな小屋に通信装置があるかも知れないと報告を受け、そちらに向かう。
もし、通信装置があるとするなら、俺の相手は…
rb「ですよね、アキラさん」
ng「お待ちしてましたよ、ヒーロー」
アキラは立ち上がってニッコリと笑う。
ずいぶんと余裕そうで、なにか策があるのではないかと身構える。
ng「そんなに警戒しないでくださいな。私たちは今回貴方がたを傷つけませんから」
rb「はい?」
舐められている。
いや、それよりも仲間を傷つけておいてなんだその言い草は…。
ng「ふふ、思考が単純化してますよ?純粋な戦闘力では私の方が下ですが…」
なぜか、頭がくらくらする。
まさか、これは…
ng「事前に仕込み、怒りでそのことしか考えさせられなくすれば、私にも勝機はあります」
ショウは地面に倒れ込んだ。
まるで、睡眠薬でもかがされたように、くらくらして意識が飛びそうになる。
ng「このガスに致死性はありません。仲間が来るまで眠っていなさい」
rb「まっ」
ng「さようなら。いや、またあともう一回」
そんな言葉が聞こえたような気がして、視界が黒く染まった。
えいりあん
102
サトウ
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コメント
2件
いやー、一気に動きましたね…!1対1でそれぞれ別の相手と対峙する構成、すごくスリリングでした。雲雀さんの「もう、ええんよ」の諦めと優しさが混ざった口調に胸が締め付けられました。あと、セラフさんの「今回は誰も大怪我させるな」って指令が逆に不気味で…何か大きな作戦の一部なのかな。続きが気になります!