テラーノベル
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家についてからすぐに制服を着替えて、ヘルメットを着けてから小型二輪パイクにまたがる。
すぐにあの屋敷には着いたが、先客がいた。
「よっ。遅かったじゃん10分くらい待ったよ。」
車に寄っかかりスマホをいじっている北上先生がいた。確かに3年前の事件から変異者ではないかということは知っていた。
北上先生の持っていた鍵を使い、二人で平賀さんの世界に入った。
「てめぇだれだ?」
きっちりと和服を着こなした平賀さんが殺意マシマシで北上先生をにらんでいる。腰の刀を抜く準備は万端のようで、構えはきちんとできた状態で、刀身が半分ほど見えている。
「ラガくん。17年ぶりに会う態度がひどすぎない?サトくんだよーサトくん。」
平賀さんは即座に刀をしまい、殺意を消し、即座にニコッと微笑み、北上先生の首に腕をまわした。
「酒でものもーぜ。久々の再開だ。」
「また今度な」
「今度っていつだよ。でも、お前が来てくれただけで十分だわ、本気で殺しあえる。」
「どういうことですか」
さすがにそんな尋常じゃない言葉が出てきたら僕も気になる。
「私の能力は〘医者〙。治癒とか、心臓と脳のどちらかが動いていれば再生できる。自分でも、他人でもね。後、整形と毒物の生成。こういう風に」
顔の形がスッと変わり、凛とした青年になった。
「こっちが素顔だからね。」
その北上先生の顔は、いわゆるイケメンではないが、知的な感じがうかがえるイケメンといえばいいのだろうか。やはり変異者は僕を除いてはイケメンや美女しかいないのだろうか。
「ほら、私達ってイケメンだから、この顔で授業をするとみんな聞いてくれないんだよね。告白されすぎてうざいし。」
「自己評価高いですね。」
「いや、俺たち全員、相当なイケメンだぞ、お前も雰囲気変えたらさらにモテそうなのに。お前は相変わらず自己肯定感低いな。」
平賀さんからのお世辞はありがたく受け取っておこう。
「ということで、今日は真剣で殺しあおう」
「物騒ですね。」
「あぁ、あきらめろ、ラガはこういうやつだ。」
あの暴君の北上先生が、あきらめるレベルとは。初めて会ったときに猫をかぶりすぎである。
「じゃぁ、早く行くよ。真剣を振り回したくてうずうずしているんだ。」
それからすぐに、闘技場に僕らはついた。
「真剣で戦うことは少ないだろうから僕らで戦うね。」
平賀さんは腰の刀を鞘ごと一本抜いて、北上先生に投げて渡す。それから二人して刀をきちんと相手の喉元に向ける。
「じゃぁ。始めますか。」
二人が走り出すが、北上先生はためらいがない。やはり、すぐに直せるという自信から、怪我を恐れずに突っ込めるのだろう。感情を消した僕よりかはためらいが存在するが、一般人よりもはるかにためらいが少ない。
技術は互角。ぎりぎり平賀さんの方が勝っている。しかし、北上先生はその差を速度などでリカバリーしている。北上先生は消耗戦に持ち込まれたら結構厄介である。そもそも、消耗戦以外この人とできる気がしない。消耗戦になったら負ける。よって戦えば負ける。戦うような状態には絶対になりたくないな。
「よし、疲れた。終了」
平賀さんが一方的に終わらせた。暴君だ。北上先生を超えるレベルの暴君だ。
「幸人。一緒にやろう。切られても何とかなるから。」
北上先生は僕に手渡しで刀を持たせた。
即座に切りかかると、平賀さんはそれに対応してきた。ある程度僕の型も通用するが、主には木刀で戦うような形式であったため、急所を突く 骨を折る 脳震盪を起こす 力でぶっ飛ばす などという戦い方であるため、斬るという種類のものとは無縁のものである。そんな僕が勝てるわけがない。
瞬間、僕は理解を超えた地獄のただ中に放り込まれた。
刃が肉を裂く、鈍く、湿った音。
右目は、切っ先の鋭利さにぐちゃりと潰され、熱い血と、ゼリー状の硝子体がドロリと頬を伝った。左腕は肩口から骨ごと断たれ、断面からは白い骨髄が露出し、その場に叩きつけられた拍子に、切断された手首が、まるで生きた魚のように床の上でぴくぴくと痙攣していた。
右足の太腿は、肉の塊が抉り取られたように大きく開き、筋繊維が糸のようにぶら下がり、そこから血が噴水のように噴き出し、闘技場の砂を瞬時に真っ赤な泥に変えた。
そして、極めつけは平賀さんの無慈悲な一撃。腹部を横断した一閃により、内臓は堰を切ったように生暖かく、ねっとりとした塊となって飛び散り、胃液と排泄物の臭いが混ざった腐敗臭が鼻腔を突き刺す。
床には、胃や腸のグニャグニャとした管が散乱し、剥き出しになったあばら骨が2本、まるで誰かの食い残した骨のように落ちていた。僕は、呼吸器に流れ込んだ自分の血でゴボゴボと音を立てながら、冷たい砂の上で痙攣を繰り返した。
「やりすぎだぞ。ラガ」
北上先生が僕に触れて即座に直した。右目は即座に新しいものが内部からでき、左腕も右足は骨ができ、その周りをまとうように筋肉と血管ができて、その上を皮膚がどんどんできていった。そして内臓は、腹から出ているものがずるりと落ちて新しいものが再生されていく。全てが治るのに3秒とかからなかっただろう。
闘技場は赤く染まり、手と脚。それから臓物がそこら中に散らばっていた。
「やりすぎ?まぁそっか。でも、これくらいしないと生きてけないよ。」
「そうかもしれないが。最初っからこうする必要はないだろ。」
「お前は人を救える能力だからいいよな。俺たちは違う。弱ければ仲間を失う。自分の命も失う。いつ戦いになるかなんてわからない。そのいつかに備えて俺は戦う。研鑽しないといけない。寿命が長いからってゆっくりまったり。なんて速度じゃもしもの時に何も救えない可能性がある。」
「それもそうか。じゃぁ、私はあいつの娘とでも話してくる。ほどほどにしておけよ」
手を振った北上先生が見えなくなる。
「あの子は、結構相手に対して気遣いができる子だ。だから、たぶん俺達に話す時間をくれたんだろうさ。今日の訓練はここまででいいや。」
「こんなあっさり終わっていいんですか?」
「いいんだよ。今は真剣で戦えないし。お前も精神的にきつかっただろうし。今日はこれでいいんだよ。」
「そうですか」
「そういえばさ、お前の能力ってなんなん?いや、名前じゃなくて力的にさ。」
「半径12km圏内での爆発の停止。分解じゃないから、解いた瞬間に一気に爆発する。爆弾の被害からの絶対安全これも同じく12km。でも、第二被害は防げない。銃とかの爆発を許してから使っても意味はない。爆発物の生成。自分の中のエネルギーを25倍して爆弾を作り出す能力。これは結構エネルギーを使うから強いものの、連発は難しい。それと、感情を消す能力。これは何を消すか選択できる。」
「‥‥強すぎないか?」
何を言っているのだ。圧倒的弱者でしかない。〘医者〙に比べたらくそ雑魚である。だって、僕はただただ手榴弾を持ってツッコム餓鬼と同じレベルだ。
「核爆弾を作り出せるんだぞ。やばいよ やばいよ、勝てる想像できなくなった。厳しいって。能力聞かなきゃよかった。」
最後は半ば怒鳴りながら言ってる。
「どうしたんですか?」
「お前は、核爆弾を相手に勝てることをイメージできるか?できないだろ?イメージできない奴に勝つことなんて不可能なんだよ。」
「北上先生に勝てるイメージはできるんですか?」
「できないよ。俺くそ雑魚だもん」
この人、新しい空間を作り出せるのにこんなのでいいのかよ。
「それでよく戦おうと思いましたね。」
「世の中実践だよ。死んでも何とかなるってわかっていたからね。」
「きちがいすぎだろ」
「その『きちがい』がこの世界の歴史を変えてきたんだ。」
なんとなく名言が出たっぽいから拍手しておこう。
「帰りますね。」
「じゃぁ、また今度。」
「また今度」
昨日と同じ手順で塀を超えると、黒い帽子と黒いマスクそれからサングラスをつけた女性が車から出てきて、あたりをキョロキョロとしてから階段を上り、塀の向こうに消えた。
コメント
1件
第15話読了〜!!🌸✨ いやもう、平賀さんと北上先生の再会からバトルシーンまでノンストップで胸熱だったよ…!!😭💕 特に主人公がボコボコにされた直後に北上先生が即再生する流れ、描写が生々しすぎて「うわっ」って声出た(良い意味で!)。「核爆弾作れるのお前やばいよ」って先生が引いてるところも笑ったw ラストの怪しい女、次回が気になりすぎる…!!🔥
ウィド&ディレ
92
榎本くもり
10,056
#面白くないかも
如月玲
37
谷崎爽奈
81