モブ視点
最近原稿に追われて少し疲れたので、自分に少し休みを与えようと思い、街の中心にあるカフェに行くことにしました。カフェの中はほのかなコーヒーの香りが漂い、心地よい背景音楽が流れていて、木製のテーブルや椅子、柔らかな照明がとてもリラックスさせてくれます。座ってしばらくすると、視線が不遠くの二人の男の子に引き寄せられました。
「わぁ、イケメンだ!」彼らは年齢が近そうな二人の男の子でした。一人はパンダのパーカーを着ていて、髪の色は淡い茶色で、前髪が少し目にかかっています。細身で可愛い顔立ちをしていました。もう一人は黒と緑のパーカーを着ていて、髪は黒く、優しさよりもクールな印象を与えていました。見た目はまったく違うのに、どちらもとても魅力的でした。
ノートを取り出してスケッチしようとしたその時、目の前の光景に思わず固まりました。パンダのパーカーを着た男の子が、ケーキを一口切り取り、黒髪の男の子の口元に差し出したのです。
「これ食べてみて〜本当に美味しいから!!」
「えっと……自分で食べればいいじゃん?」黒髪の男の子は微かに首を傾げ、少し戸惑った様子でしたが、それでも口を開けてそのケーキを食べました。
食べた瞬間、淡い茶色の髪の男の子は得意げな笑みを浮かべ、「どう?美味しいでしょ?」と尋ねました。
「ちょっと待って、このやり取りは何なの?」私は心の中で驚きました。さっきまでは淡い茶色の髪の子が可愛いと思っていたのに、今見ると黒髪の子の方がもっと可愛く見えてきた!!
二人はとてもリラックスしているようでしたが、なぜか不思議な親密さが漂っています。その中でも特に黒髪の男の子は、明らかに嫌々ながらもケーキを食べているのに、口元が微かに上がっていて、実は嬉しいのかもしれません?
私はノートに素早くいくつかの線を描き、鉛筆が紙の上を滑るたびに心拍数も上がりました。二人のやり取りはとても自然で、まったく隔たりがないように見えます。特に淡い茶色の髪の男の子がケーキを食べさせるその動作は、何気ないようでいて無視できない親密さを醸し出していました。「この自然で甘いやり取り、まさに私のツボ!彼らは……友達なの?それとも恋人?どちらにせよ、この微妙な曖昧さがたまらなく魅力的だわ!」私は漫画のようなシーンを思い浮かべながら、絵を描き続けました。
密かに観察していると、淡い茶色の髪の男の子が突然顔を上げて、私の方を見ました。私はびっくりして心臓が一瞬止まり、すぐに目を伏せて絵を描いているふりをしました。耳が熱くなってきます……こっそりちらりと見ると、彼はまだ私を見ていて、口元に微かな笑みを浮かべています。その笑顔には少しからかうようなニュアンスがあり、何かを示唆しているようにも感じました。
「まさか……私がこっそり見ていることに気づいたの?」私はドキドキしながら、さらに目を伏せて絵を描くふりを続けました。しかし、心の中では「その笑顔は何なの?まるで『これは俺の人だ』と言っているみたい……」と考えてしまいました。
でも、彼らの関係が何であれ、普通の友達以上の深い絆があることを感じました。淡い茶色の髪の男の子が黒髪の男の子を見つめるその眼差しは、一般的な友人とは違う特別なものでした。気づいた時には、二人は会計を終え、立ち上がって外に出て行きました。彼らの背中がドアの外に消えていくのを見ながら、私はなぜか少し物足りない気持ちになりました。
「今日は出かけて正解だったー!!」私は心の中で軽くため息をつき、指先がノートの上で彼らの姿を描き続けました。彼らの名前も、関係もわからないけれど、もしかしたら学校でたくさんの時間を共に過ごした友達か、互いに秘めた思いを抱えた青い少年たちなのかもしれません。私は彼らのやり取りに心を満たされ、「彼らの関係がこれからもずっと続きますように」と願いました。
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