喧嘩組短篇

　　ハロウィンの学校は、賑やかな祭りの雰囲気に包まれていた。生徒たちはそれぞれのキャラクターに扮し、廊下で遊び回ったり、写真を撮ったりして楽しんでいる。Nakamuは小悪魔のコスチュームを選び、黒い悪魔の翼と尖った角、そしてちょっといたずらっぽい笑顔が、彼の可愛さといたずらっぽさを引き立てていた。

　　シャークんは教室の窓際に寄りかかり、遠くで悪魔に扮したNakamuが同級生たちと話しているのを見つめ、思わず目を奪われてしまう。

　　その時、数人のクラスメートが突然近づいてきて、1人がニヤニヤしながら猫耳のカチューシャを持ち上げ、何も言わずにシャークんの頭に被せた。「お前も仮装しないと！」と言い終わると、彼らは大笑いしながら走り去って行った。

　　シャークんは一瞬呆然とし、頭の上の猫耳を手で触った。まだ状況を把握できていないとき、Nakamuがすでに彼の前に立っていて、彼の頭の上の装飾を見て目を輝かせた。「わあ、シャークんめっちゃ可愛いね～」

　　「え、え、何が可愛いの？」シャークんは顔が熱くなり、慌てて視線を外した。猫耳があるせいで、とても恥ずかしい気持ちになり、どうしていいかわからなかった。

　　Nakamuはますます楽しそうに笑い、近づいて彼の猫耳に手を軽く触れた。「本当に似合ってるよ」

　　その時、きんときがちょうど通りかかり、この光景を見て思わず声を上げた。「おい、二人とももう少し近くに寄って、写真を撮らせてくれ！」彼は無理やりスマホを持ち上げ、角度を調整した。

　　シャークんは最初は断ろうとしたが、Nakamuの期待に満ちた目を見て、どうしても拒否できず、仕方なくNakamuの隣に立った、Nakamuは遠慮せずにシャークんの腕を組み、いたずらっぽいポーズを取った。悪魔の角とシャークんの猫耳が微妙な調和を生み出している。

　　「はい、こっち見て——」きんときがシャッターを押し、パシャッと音が鳴った。その瞬間が切り取られた。写真の中で、Nakamuはいたずらっぽく笑い、シャークんは頬を赤らめ、猫耳が少し傾いていて、とても可愛らしかった。

　　写真を撮った後、きんときはスマホの中の写真を満足そうに見て、ニコニコと微笑んだ。「いいねいいね、この写真はハロウィンのポスターにできそうだ。」

　　一方、シャークんは静かに猫耳を外し、心臓の鼓動がまだ落ち着かないようだった。Nakamuをひと目盗んで見たが、その笑顔は心の中から消えなかった。特別な瞬間ではないかもしれないが、彼にとっては大切にしたい思い出となるだろう。