テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
恋恵side
「…僕の家には女の子がいなかった」
妊娠した時女の子だったら祖父にすぐ降ろさせるの。
もし産んだとしても女の子ってバレたら最悪な家に売られる。
「女は家事しかできない役立たず」の古い、最悪なイメージがずっと残ってたから。だから僕に女の子の従姉妹はいない。
けど、僕の両親はそんな意見が大っ嫌いだったから「恋恵」を男の子として産んだ
けど僕は可愛いものが好きだし、声も高かった。だからよく怒られた
「可愛いものじゃなくてかっこいいものを好きになりなさい!」
「高い声を出すな気持ち悪い!」
「…すみません」
ずっと辛くて
自分の好きな歌を歌うのもダメ
好きな服を着るのもダメ
好きなものを買うのもダメ
そんな生活が大っ嫌いだった
けど、お父さんもお母さんも僕のことを思って言ってくれてるのはわかってたから耐えられた。
「こえくんはかっこいいなぁ✨」
「そう?〇〇の方がかっこいいじゃん」
平気なフリをしてても「かっこいい」って言われるのは正直苦痛
小学校まではそれだけだったからよかった。
女なのがバレたの。
「はw?お前女じゃんやっばぁww」
「男のフリしてるとかキモ…」
僕の学校は男女差別が激しかった
まあいじめがバレたらダメだから、親の耳にも、入院中の祖父の耳に僕が女なのが入ることはなかった。
僕だってやりたくてやってるわけじゃないのに
「うわ血吐いたwきっしょw」
「ねぇ触れないでよ?心まで汚れるw」
殴られたり
「あれじゃ使えないでしょw」
「探しちゃってw」
物を隠されて、ぐちゃぐちゃにされて
けど、あの日だけ…いや、あの日からは違った
バシャァッ!
「ははっw気持ちわるぅw」
「服ビッチョビチョww」
その日もいつも通り登校してきた。そしてルーティーンの水も浴びた。そして拭こうと雑巾を取ってきてしゃがんだ時
上からタオルと上着が落ちてきた
夢かと思ってた。嘘かと思ってた。裏があると思ってた。誰かから新しくいじめられるのかと思ってた。
「…君のおじいさん、◯んだって。よかったね。恋恵ちゃん」
…ちむにとっての最高の朗報、ずっと呼ばれたかった呼び方、落ち着いた声。嬉し泣きには十分すぎた
手元のびしょ濡れの雑巾に水滴が落ちる
「生徒会長まで参戦ですか!マジキモいっすよねw」
「うん。ものすごく気持ち悪い」
……あ、この人…
「そうっすよねw転校とかさせられませんw?」
「そんなんしたらつまんないっしょw」
「…そうだねぇ転校させたらいいかもね」
「ですよねw!早く生徒会室連れてって手続きしちゃいましょw」
「うん。じゃあほら、早く来な?」
「…は?」
ちむの味方だ…
視界がぼやける
「は?じゃなくて。君だよ?何うちの大切な生徒いじめてくれてんの?」
「いや、俺は常識を…」
「人の事情も知らずに常識…か」
少し青みがかった紫色の綺麗が下を向いていた視界の横に入る
「…恋恵ちゃん?こっそり髪伸ばしてたんだよね。女子用の下着と制服、保健室にあるから使っていいよ」
思わず顔を上げる
綺麗な紫色の瞳、少し毛先を巻いてある青紫色の綺麗な髪
優しい表情
少し驚いたかと思うとすぐ満面の笑みに変わる
「…可愛い」
やばい、泣きそう
何も見えなくなる。元々濡れた顔にさらに水が流れる
「ほら、おいで」
手を広げて微笑む彼女に今すぐにでも抱きつきたかったけど
「…今、濡れてて」
「…地声でいいんだよw?もう、恋恵ちゃんのおじいさんはいない。批判する人もいない。ほら」
その瞬間、我慢してたものが全部溢れ出て
泣いて、泣いて、泣きまくった。
「その後こったんに全部説明してもらって、いじめがなくなったの。主犯は退学。そっからちむはありのままでいれるようになったの」
満面の笑みに流れる涙が星明かりに照らされた
読んでいただきありがとうございます!
出すの遅くなりましたすみません…
恋恵さんの琥楽さんの初対面はこんな感じだったんですね👀
最近誤字多いので多めに見てください😭
皆さんの反応はどうなんでしょうね?
それでは!また次回!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!