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雫
32
🎀もちたん🎀
5,424
それは、大型特番の生放送を終えた直後のことだった。
楽屋に戻ってきた瞬間、仁人は息を吸い込むこともできず、その場に激しく崩れ落ちた。
🩷「仁人……っ!?」
一番近くにいた勇斗が咄嗟にその身体を抱きとめる。
しかし、その瞬間に勇斗の脳裏を襲ったのは、これまでとは比較にならないほどの、狂気じみた甘い香りだった。
紅茶の香水など一瞬で焼き尽くす、完熟した蜜のようなオメガのフェロモン。
それも、今までの初期症状とは違う、肉体がαを激しく求めて叫び声を上げているような、本物の『大ヒート』の兆候だった。
💛「ハァ、っ、あ、熱い……っ、勇斗、だめ、これ、抑えられ、ない……っ!」
仁人の肌は一瞬にして真っ赤に火照り、目からは涙が溢れ出している。
ここはテレビ局の楽屋だ。
外の廊下には、まだ他の出演者や何十人ものスタッフが行き交っている。
もしこの匂いがドアの隙間から漏れ出せば、一発で全てが破滅する。
💙「おい、マジかよ……これ、匂いヤバすぎるって……!」
太智が顔を青くしてドアの鍵を即座に閉め、隙間を私服のジャケットで塞いだ。
❤️「勇ちゃんフェロモン! 勇ちゃんのフェロモンで仁ちゃんの匂いを押し殺して!」
舜太が必死の形相で叫ぶ。
🩷「分かってる……っ!」
勇斗は仁人をソファに寝かせ、自らの優性αとしてのフェロモンを最大出力で放出した。
嵐のような威圧感と包容力で楽屋の空気を満たし、仁人の甘い匂いを力任せに上書きしていく。
しかし、今回の仁人のヒートは強烈すぎた。
勇斗が匂いを抑え込もうとすればするほど、仁人のオメガの肉体は、目の前にいる極上のαに反応し、さらに濃厚な求愛のフェロモンを溢れ出させてしまうのだ。
💛「あ、あぁ……勇斗、欲しい、中、めちゃくちゃにして……っ!」
仁人は理性を完全に失い、自ら衣装のシャツを引きちぎるようにして胸元をはだけさせた。
汗ばんだ白い肌が、勇斗のαの刺激に震えている。
🩷「くそっ、これじゃ逆効果だ……! 部屋を出ることもできねえ!」
勇斗は自分の下半身が激しく昂るのを感じながら、奥歯を噛み締めた。
ここで仁人を抱けば、少しは落ち着くかもしれない。
しかし、ここは楽屋だ。いつスタッフがドアを叩くか分からない。
その時、コンコン、とドアが激しくノックされた。
「M!LKの皆さん、衣装の返却と、この後の個別インタビューのお時間なんですけど――」
スタッフの声だ。楽屋の中が一瞬で凍りつく。
❤️「マ、マネージャーは今、他の現場の調整で行ってていない……っ」
舜太が声を震わせる。
🤍「僕が時間を稼ぐ」
静かに立ち上がったのは柔太朗だった。
彼は動揺を一切見せない、完璧なアイドルの表情を作ると、ドアをほんの少しだけ開け、自分の身体で中の様子が見えないように隙間を塞いだ。
🤍「あ、すみません。実は仁人くんが急に激しい胃腸炎の症状で倒れちゃって。今、勇斗くんが看病してるんです。インタビュー、1時間だけ後ろにずらせませんか? 衣装は僕らがまとめて後で楽屋の前に出しておきます」
「えっ、吉田さん大丈夫ですか!? わかりました、制作サイドに確認して時間を調整します!」
柔太朗の冷静な機転により、スタッフの足音は遠ざかっていった。
🤍「1時間が限界だ。勇ちゃん、どうする」
柔太朗がドアを閉め、緊迫した目を勇斗に向けた。
ソファの上では、仁人が
💛「勇斗、おねがい、中、いれて……っ」
と声を枯らして泣いている。
🩷「……ここでやるしかねえ」
勇斗は覚悟を決めた目をメンバーたちに向けた。
🩷「仁人を救うには、俺が今ここで、あいつの中に全部出すしかねえ。……みんな、頼む。仁人を、M!LKを、俺たちに守らせてくれ」
太智、柔太朗、舜太の3人は、一瞬だけ目を見合わせたが、すぐに力強く頷いた。
🤍「分かった。ドアの前は僕らが死守する」
と柔太朗。
💙「音と匂い、絶対外に漏らさないように俺らで壁になるから!」
と太智。
「勇ちゃん、仁ちゃんをお願い!」
と舜太。
メンバー全員の命がけのバックアップを受け、勇斗は退路を断たれた楽屋のソファで、熱り立つ仁人の身体へと覆いかぶさった。
M!LKの絆が試される、絶体絶命の時間が始まろうとしていた。
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コメント
7件

続き楽しみ!!!!!!!気になる!!!!!!!
続き楽しみです!

いつも楽しみに読ませていただいています😆続きがものすごく気になります☺️☺️