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#ロマンスファンタジー
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二人に出された料理と飲み物には毒が盛られているが、それを承知で食べている。二人にとって毒は全く問題ではない。
獣魔のゼンティは毒が好物だし、毒の種族の獣魔であるリィラも同様。むしろ毒のスパイスで食欲が増す。
相手が人間だと思って、新開発の魔物用の毒ではなく、人間用の普通の毒を使用したレンティの詰めが甘かった。
離れたテーブル席からその様子を見ていたレンティの顔色が変わる。
「おかしいですわね……なぜ二人とも平気なの……」
レンティの隣に座るアレンはその言葉の意味が分かる。だが、あえて表情を変えずに反応しない。
ゼンティとリィラは毒入りの料理を普通に食べ続けている。リィラが毒の種族だとしても、ゼンティが獣魔である事をレンティは知らない。
レンティは食事用のナイフを片手に握ると急に立ち上がる。そして堂々と新郎新婦の席の前へと立つ。
客席の方を向くと、注目を集めようと声を張り上げる。
「皆様、お聞きになって!! 新婦のリィラ様は毒を持つ種族ですのよ!!」
会場内が、しんと静まり返る。王女であるレンティの発言を止めようとする者なんて誰もいない。
今ではアディール国の兵団すらもレンティの味方なのだから、彼女には恐れる者なんていない。
「アディールに忌まわしい毒を持ち込んだお二人の結婚は認められませんわ!!」
レンティはまず、二人の結婚を破談させる事から行動を起こした。その流れで王位を奪い、後で二人を処刑すればいい。
リィラは動じずに静かに立ち上がった。そのリィラの背中を見届けるゼンティの瞳にも光はない。
レンティの横にリィラが立つ。レンティはリィラの片腕を掴んで引っ張り、素肌の腕にナイフを突きつける。
「皆様に証拠をお見せいたしますわ。リィラ様の血の色をご覧くださいませ」
レンティはリィラが毒の種族だという確信を持っている。毒入りの料理を食べても影響がないのだから。
手に持ったナイフでリィラの腕を切りつけようとした瞬間、その片腕が動かなくなった。
いつの間にか背後に回っていたアレンが、後ろからレンティの腕を掴んで制止していた。
「なっ……アレン!?」
「レンティ様、式の最中です。お控えください」
アレンはレンティの手からナイフを奪い取るが、レンティは納得いかずにアレンに何かを言い返そうと構える。
アレンはメインテーブルに置かれたグラスを手に取るとレンティに差し出した。その飲み物には毒が含まれている。
「落ち着いてください。お飲み物でもどうぞ」
「……!!」
毒が盛られている事を知っているアレンが、なぜそれを飲ませようとするのか。レンティは訳が分からない。
レンティが戸惑って動けずにいると、アレンはそのグラスの飲み物を自分の口に含んだ。
「アレン、だめですわ、それには毒が……!!」
レンティがアレンを引き止めようと手を伸ばすと、その手をアレンが掴んで強く引き寄せた。
あっという間にアレンの胸に抱かれる形になって驚いたレンティが顔を上げる。
アレンの瞳の色は、いつものブラウンではなく赤。その魔物の赤い瞳と目が合うと、アレンに強引に唇を重ねられる。
「……んっ!?」
口移しによって毒の飲料を口に流し込まれたレンティは、両手で力いっぱいアレンの体を突き放した。
「げほっ、げほっ……! はぁ、はぁ……」
飲まされた毒を吐き出そうと咳き込む。幸い、それほど飲み込んではいないが少し痺れが残る。
赤の瞳を持つ魔物のアレンは、床に座り込むレンティを感情もなく見下している。
「忌まわしい毒を持ち込んだのはレンティ、お前だ」
「アレ、ン、あなた……」
レンティは未だに気付いていない。アレンの演技も、偽りの愛も、そして復讐にも。
コメント
1件
いやー、第24話めっちゃアツかった!アレンがレンティに毒を口移しするシーン、あの赤い瞳に変わるところのギャップがやばい。普段ブラウンの瞳だからこそ、あの瞬間の“魔物感”がめちゃくちゃ映えたよ。レンティが「アレン、だめ!」って止めようとした手を逆手に取って、逆に自分が毒を飲まされるとは思わなかっただろうな…。最後の「忌まわしい毒を持ち込んだのはレンティ、お前だ」って台詞、アレンの復讐の本気度が伝わってきてゾクッとした。もう続きが気になって仕方ない!