だけどシュンくんは、この二年の間、バイトを転々として、それどころか女の子に家に転がり込んでヒモみたいな生活してたりして、でもその女の子とケンカになって追い出されてそれでこのアパートに戻ってきて、掃除もしないでゴロゴロしてて、麗の顔も見に来なかったんだ。
それでも、こんな人でも麗のパパなのは間違いないからさ。パパがちゃんといたっていうのは残しておきたいと思ったんだよ。
そしたら彼は、離婚届の書類を書きながら、
「なあ、お前の叔母さん、子供の面倒見てくれてんだろ? だったら子供は叔母さんにあげてよ、また俺と一緒に住まね?」
とか言いだした。
『子供は叔母さんにあげてよ』
その言葉を聞いた瞬間に、ゾッとした。
『ああ、この人は、自分の実の子供をモノとしか思ってないんだな……』