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強い風に煽られて、森の木々が不穏に揺れている。
書斎から出て馬に乗った私がイリスに到着した時、村は混乱していて、鎧を着て剣を持った男たちが慌ただしく走り回っていた。
アッシュの姿を探して辺りを見渡してみると、ウィリアムの姿を見つけ、ほっとしたのは一瞬の出来事だった。
いつもは冷静沈着で穏やかに話すウィリアムが、動揺し慌てた様子で森に向かって叫んでいる。
風が強く吹いた。踊るように揺れ動く木々が、ウィリアムの叫びを容赦なくかき消していく。
その光景は私の目にゆっくりと流れ、今、何が起きているのか、その声がどんなことを叫んでいるのか、理解するより前に身体が反応し、馬は速度を上げて走りだす。
アッシュがいた……！
ほっと胸を撫でおろしたその時――。
林の中から怪しく光る何かが彼の背中を狙っていることに＊＊＊＊＊
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