テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
デスゲーム2日目。
アナウンスが、再び会場に響いた。
『次のゲームは――デュエット対決』
ざわめきが広がる。
『ペアで1曲歌唱していただきます』
『音程・表現・シンクロ率を審査し、勝敗を決定』
着々と審査が進む──────
負けたペアは一瞬にして、地面へと崩れ落ちる。
『では次、宮舘・目黒ペア』
スポットライトが、二人を照らす。
ステージへと上がる足取りは、
重く、現実感がなかった。
音楽が、流れる。
聴き慣れたイントロ。
それは――
俺達の曲だった。
♥️「……」
🖤「……」
一瞬、言葉を失う。
何度も歌って、何度も踊った曲。
仲間たちの顔が、浮かぶ。
♥️(みんな……)
胸が、締めつけられる。
声を出そうとしても、
喉がうまく動かない。
歌い出し。
わずかに、音がズレた。
♥️(まずい…)
小さく、震える声。
🖤「大丈夫」
すぐ隣で、低く囁く。
🖤「俺、ちゃんと合わせるから」
その一言に、
ほんの少しだけ、呼吸が整う。
再び、歌い出す。
今度は、ゆっくりと。
互いの声を探るように。
ふと、目が合う。
その瞬間――
懐かしい景色が、よぎった。
ステージの光。
ファンの歓声。
隣で笑う、仲間たち。
♥️「……っ」
涙が、滲む。
それでも、歌うのをやめない。
🖤(絶対に、ここで終わらせない)
目黒の声が、少しだけ強くなる。
引っ張るように。
支えるように。
徐々に、重なっていく声。
ズレていた音が、
ぴたりと、合っていく。
そして、サビへ──────
二人の声が、
まるでひとつになったように響いた。
会場が、静まり返る。
誰も、音を立てない。
ただ、その歌に引き込まれていた。
最後のフレーズ。
タロ
息を合わせる。
同時に――
歌いきった。
やがて、
審査員が、一人ずつ札を上げる。
全員――
宮舘・目黒ペア。
♥️「……はぁ、…」
🖤「……っ」
勝った。
そのはずなのに、
喜びはなかった。
ただ、
生き残ったという事実だけが、
重くのしかかる。
🖤「舘さん……」
そっと、手を握る。
♥️「……」
その手は、まだ少し震えていた。
♥️「ありがとう……」
♥️「目黒のおかげで、歌えた」
小さく、呟く。
🖤「俺も」
🖤「舘さんとだったから」
ほんの一瞬、
ふたりは、微笑み合った。
だけど――
この先も、
同じように生き残れる保証なんて、どこにもない。
それでも、
この瞬間だけは、
確かに“ふたりで生きていた”
つづく。