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「え?」
「…こよちゃ、すき……♡」
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いつもと変わらない博衣こよりの研究室。だがいつもと違う点が1つ_______博衣こよりに惚れた沙花叉クロヱがいた。
どうしてこうなった。もとはといえば、こよが興味本位で作った薬品がいけないのかもしれないけど……………それをクロたんが飲んじゃうなんて思わないじゃん!!!
「こよちゃ〜ん、なにしてるのー?沙花叉に構ってよ〜」
かれこれ数時間この調子でこよに甘えてくるクロたん。これはあまりにもこよには耐え難い。
「ねぇ、こよちゃん?きいてる?無視しないでよ〜」
ずっとこんな感じでこよの横にピッタリとくっついて、挙げ句の果てには腕をギュッと握ってくる始末。本人は気にしていないかもしれないが、胸がしっかりくっついて、顔に熱が集まっていく。
「ク、クロたん!!離れて!!ち、近いよ!!」
恥ずかしさにどうにかなって、声を少し荒げて、乱暴にクロたんを拒否してしまった。
『やってしまった』と思うのは遅いみたいで、クロたんは少し間を空けた後、すごくしょんぼりした顔で、おそるおそる聞いてくる。
「…こよちゃんは、沙花叉のこと、きらい、?」
「嫌いじゃない、けど…」
「じゃあ、すき、?」
「ぐ…すき、だよ。こよもクロたんが好きだよ」
初めてクロたんに面と向かって『すき』なんて言った気がする。いつもならお互いが自分のことを好きすぎるなんて会話になるはずなのに、ならないこの空気にやられて、居心地が悪く感じた。
「そっか、よかった。沙花叉もこよちゃんが好きだよ!大好き!」
だけど、満面の笑みで『すき』だなんて言われれば、こよにはブッ刺さるみたいで。
顔に熱が集まって、尻尾は自分でもわかってしまうくらいにぶんぶん揺れていて。
胸がぎゅうってあったかくなってキュンキュンしてしまった。
パチッ(薬の効果が切れる)
「……ん、あれ?沙花叉なにしてた?てかなんでこんこよの部屋に…」
「クロたん、」
「こんこよ…?大丈夫?顔、真っ赤だけど!?熱でもある!?」
「…っ、なんもない!!!クロたんのばか!!でてって!!」
「ええ…!?まって、沙花叉なにかしちゃっ(バタンっ
言い終わる前にこよりはクロヱを部屋から追い出すと、ベットへ倒れ込む。尻尾を丸めて耳も顔を隠すように丸まって、瞳を閉じる。
やっぱりおかしい。ドキドキがおさまらなくて、この部屋に残るクロたんの匂いが鼻をくすぐって。そうだ。熱でも出てしまったのかもしれない。
クロたんのことを考えるだけでドキドキするこの胸はきっと、体調不良の、惚れ薬のせいだ_______