後日、ガ―レットの屋敷にて。
そこでは三人の男女の姿があった。
一人はガ―レット、そしてスリュー。
もう一人は彼の屋敷で働くメイドだ。
彼女はガ―レットに紅茶を出すと、そのまま部屋を出て行った。
二人きりになったところで、ガ―レットはスリューに対して口を開いた。
「わざわざ呼び出したりして悪かったな」
「いえ、構いませんよ。あなたとは一度ゆっくり話してみたいと思っていましたので」
「そうかい。そりゃ良かった」
そう言ってガ―レットは出された紅茶を飲む。
それをみたスリューも同じように飲んだ。
上等な茶だ。
ガ―レットはよく飲んでいるが、スリューはそうでは無い。
「ふぅ…」
「美味しいですね…」
二人はしばらく無言のままティータイムを過ごした。
しばし沈黙の時が続く。
やがて、ガ―レットがポツリと呟く。
「最近調子はどうだ?」
「はい。おかげさまで順調に進んでいます」
「そうか…」
「…」
「…」
会話終了。
再び沈黙が流れる。
しかし、ガ―レットが再び話し始めた。
「なぁ、スリュー」
「はい」
「お前ってさ、彼氏いるのか?」
「ぶっ!?」
突然の言葉に思わずむせるスリュー。
慌ててハンカチを取り出し、口を拭った。
その様子を見たガ―レットは笑い声をあげた。
「ハハッ!面白い反応するじゃねえか!」
「す、すみません」
「謝ることはねえよ。それで、どうなんだ?」
「それは…その…まあ、一応おりますけど」
そう答えると、ガ―レットの表情が一瞬変わった。
しかし、すぐにいつもの表情に戻ると、さらに質問を続けた。
それは、今までとは全く違うものだった。
まるで、尋問のような口調だ。
そんな彼に戸惑いながらも、スリューは正直に答えていく。
「へぇー、そうなのか。どんな奴だ?」
「え、えっと…優しくて誠実な人です」
「ほぉ~、随分とベタ褒めされてるな」
「べ、別にそんなことはありませんが…」
頬を赤らめるスリュー。
それをみて、ガ―レットはさらに笑みを深めた。
だが、次の瞬間には真顔に戻った。
「そういや、お前の恋人はどこの国の出身なんだ?」
「確か…『アルセリア王国』の出身だと聞いていますが…」
彼は立ち上がると、スリューの隣に立った。
そして、その肩に手を置く。
ビクッと体を震わせるスリューだったが、ガ―レットは何も言わずにじっと見つめている。
「あの…どうかしましたか?」
「…」
スリューの問いかけにも何も言わない。
ただ、じっと彼女を見つめるだけだ。
彼女の瞳を、『吸い込まれそうなほどに』じっと見つめる。
ガ―レットの視線に耐え切れなくなったスリューは、恥ずかしそうに身を捩る。
「あ、あまり見つめないでください」
「どうしてだ?」
「だって…こんなに近くに寄られたら…恥ずかしいです」
「なら、慣れるまで見てやるよ」
「えっ?」
そう言うとガ―レットは更に顔を近づけてきた。
そして、彼女の瞳を再び『吸い込まれそうなほどに』じっと見つめる。
耳元まで顔を寄せると、そっと囁いた。
「お前のこと、好きだぜ」
「っ!?」
耳元にかかる吐息がくすぐったいのか、スリューはびくりと震えた。
一方のガ―レットは、彼女の反応を楽しむように続けた。
「ずっと前から気になってたんだよ。お前のことを見ていると興奮してくるんだ」
「そ、そうなんですか…」
「ああ。だからよ、俺の女になれよ。悪いようにはならないからよ」
「いや、でも私は…」
「俺じゃ不満か?」
「いえ、そういうわけでは…けど私にはもう…」
「じゃあ、決まりだな」
ガ―レットは強引に彼女を引き寄せると、そのまま唇を重ねた。
彼女の瞳を『吸い込まれそうなほどに』じっと見つめながら。
最初は驚いて抵抗していた彼女も、次第に受け入れていった。
しばらくして、ガ―レットが顔を離すと、そこには蕩けた表情をしたスリューがいた。
彼女は熱い眼差しを向けながら言った。
「ガ―レット様…今日だけは…わ、私のこと、好きにしていいですよ」
「そうかい。それじゃ遠慮なく」
ガ―レットは再び彼女にキスをする。今度は先程よりも激しく、情熱的なものだ。
そして、そのまま二人はベッドへと倒れ込む。
こうして、二人の夜が始まった。
スリューは既に裸になっており、その体は美しく魅力的だった。
白く透き通った肌はきめ細かく、触れると吸い付くような感触だった。
胸は大きい方ではないが、形が整っており綺麗だった。
そして何より、男心をくすぐる魅惑の身体。
そんな彼女が今、自分の腕の中にいる。
「スリュー、愛しているぞ」
「今日だけ…今日だけですよ…」
二人はお互いを求め合った。
何度も体を重ね合い、二人は快楽を共有した。
やがて、二人は果てると同時に眠りについた。
その翌日。
顔を赤く染めながらスリューは屋敷を後にした。
「なんだろう?体が変な感じがする…」
朝起きた時から違和感を感じていたが、どうも調子が悪いようだ。
風邪を引いたかなと思いつつ、彼女はそそくさと帰っていった。
それを屋敷の中から眺めるキョウナとルイサ。彼女たちは昨晩の出来事を全て見ていたのだ。
最近、ガ―レットがかまってくれる頻度が減った。
そう考える二人。
どうやら欲求不満になっているらしい。
そこで、とある計画を立てた。
まずは準備を整えるため、街に出かけた。
そして、必要な準備をすると、再び屋敷に戻っていった。
「ふふふ。ガ―レット様、喜んでくれるといいね。ルイサ」
「そうだね。早く会いたいなぁ~」
二人は上機嫌だ。
それもそのはず。この日のために色々と計画を練ってきたからだ。
そして、ついにその時が来た。
部屋の扉が開くと、そこからガ―レットが現れた。
「ガ―レット様!」
「お帰りなさいませ!」
笑顔で出迎える二人。
ガ―レットはというと、そんな彼女らを不思議そうに見た。
「ん?お前ら…?」
それもそのはず。
二人はそれぞれ、身体の目立つとところにガ―レットへの愛を誓う刺青をいれていたからだ。
ルイサは右腕に、キョウナは左頬に。
その身体に紋様を刻み込んでいた。
「はい!実は私たち、ガ―レット様にご奉仕したいと思っています」
「えっ?」
驚く彼をよそに、二人はスカートをたくし上げた。
そこには下着はなく、股間を隠す小さな布だけだった。
突然のことに戸惑う彼だったが、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。
どうやらやる気満々のようだ。
早速、キョウナとルイサは彼に迫った。
この二人にとって、バッシュやスリューはガ―レットとの関係を乱す敵。
メリーランとミドリは、ガ―レットもそう言う対象として見てないようだが…
「今日の夜は長いですよ」
「覚悟して下さいね」
「ハハッ、楽しみにしているよ」
こうして、三人の夜は始まった。
その寝室に広がる二人の少女の甘く淫靡な声。
それらはその夜の間中、続いた。
ガ―レットからの寵愛を、二人だけのモノにするために…
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