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(前回までのあらすじ)
無事王の剣の贋作をシュラプス7世に献上できた!!
どうやら本人は贋作だと言うことに気づいていない様子。不敵な笑みを浮かべ玉座の間から去った鍛治士は
宮殿から離れ、副業?の軍部に戻ることになった。
その手には、変わらず輝きを纏う王の剣(本物)があった。
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「コーダ様、大将がお帰りです。」とドーソ王国の軍庁舎に設置された、作戦会議室にて、
その報告がなされた。
悪い、まずは自己紹介からだな。僕の名前は「コーダ・ボット」ドーソ王国軍第4大隊長にして、
先程お帰りになられた大将の弟子でもある。
大将の名前は「ソー・エット」。時より宮殿に行っては剣を打ち、噂によると、その剣をシュラプス様に
献上なさったと言われている、だいぶ偉い方だ。
エット様はこのドーソ王国軍の第2大将に位置するお方。この軍内で2番目に偉いお方だ。
紹介はここまでにして、出迎えに向かわねば。
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「お帰りなさいませ、エット大将。」と、俺の帰宅はいつもこの言葉から始まる。
実に愉快だ。流石に宮殿は暑苦しいからな、コーダがいると、安心するのだよフフフ。
「ただいま帰った、留守中何か動きはあったか?」
安心すると言ってもここは軍庁舎。クジマ王国の軍の情勢は見ておかねばならない。
これでも一応大将だからな。
「うーん、特に怪しい動きはありませんでしたが、少し気になる点が。」
それを怪しい動きと呼ぶでは?まぁ、それはともかくだ。聞いておこう
「気になる点って?」
「ここの国境の辺り。ここに敵方の軍の天幕が次々と建てられているのです。武器などの取り入れ等の現場はまだ見られていないので、すぐに戦ということにはならなそうですが、一応、警戒は必要かと。」
ふむ・・・できた弟子だ。大きさにして約二畳あるこの地図の中からほんの僅かな異変に目をつけるとは。
「ふむ、そうだな、一応全員集めろ。ルー大将も呼んでくれ。」
ルー大将とは、このドーソ王国軍の中の最高位の第1大将である。
「ルー様もお呼びするほどのことですか?」
「ふふ、念には念をということだよ、何もなければないで良い話だ。」
「かしこまりました。直ちに幹部全員集めます。」
頼んだぞ、若いの。
「さて、皆を待っている間に、こいつである程度は感覚つかまねぇとな。」
そう言って腰に差している剣の剣身が見えた。王の剣だった。
【続く】