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長毛詐欺/コニー
39
時系列なし
【実験場】
「父さ、!!もう…無理だ、!あの影響がこっちに来すぎてる…父さん、頭が痛い……」
そう言いながらカザフは震える体でゆっくりとヤーの元から離れる。
「父様、さすがにあれは看過できないよ。どうにかできないの……?」
そう気まずそうにウクライナが呟いた。
ヤーだってわかってる。
確かに必要、なのかもしれない…
でもだからといってあんなの、ヤーだって見てられる訳ないんだ。
でも、ヤーには止める権利なんかない。
そんなことできるようなやつじゃないんだ。
「カザフ大丈夫か?立て、るか……?おぶってやろうか、?」
そう言いながらロシアが吐きそうにするカザフの背中をさすっていた。
まだ幼く背の低い子供達。
ヤーは子供を笑顔にできたことがなかった。
本当にすまない、カザフ。
ごめんな、みんな。
【父子の話】
「父さんヤー達みんなボロボロだ」
隣に座るロシアがそう呟いた。
わかってる。
「バルトの反発だってすごくなってきてる」
知ってるさ。
「父さんはそしたらどうなるんだ」
さあな知らん。
残してもらえるかもしれんないが……いやそれか人間がお前に殺させようとするかもな。
「ヤー父さんを殺したくない」
そうだな、ヤーもお前に殺されたくないさ。
「父さん、弟達前よりも顔が暗くなってる」
そうだな笑顔減っちまったな。
「父さん、ヤーは何も出来ない」
近くに居てやるだけでいいさ。
「そういうんじゃない、飢饉も健康被害も全部全部人間だけじゃなくてヤーたちも多少なりとも影響を受けてる」
ああ、そうだな。
でもお前が動いたとこで人間の意志には逆らうことなんかできないんだ。
「どうしてヤーたち逆らえないんだ……?」
さあ…な。ただの国の顔だからかもな。
【置いていかないで】
それぞれの独立意識が高くなってる。
存続が出来ないほど落ちぶれてしまった。
独立しようと動いてる人々と弟妹をただ眺めていることしか出来なかった。
逆にやだ置いていかないでと泣き縋ってくる弟妹達もいたんだ。
だから最後の時間まで。
傍で頭を撫で続けた。
「やだあやだよ兄様……父様はどうなるの、私たちどうなっちゃ、うの…」
静かに泣き続けるベラルーシの背中を優しくさすった。
なんて声をかけたらいいか分からなくて。
トルクもカザフもキルギスもウズベクも。
モルドバもタジキも。
ずっと浮かない顔だった。
このままじゃだめなんだ。
でもヤーにはどうしようも出来なかった。
ヤーだって……置いてかれたくなかった。
でも、でもこの手で終わらせなきゃなんだ。
【最期】
「殺さないのか」
出来るわけない。
「そうだな、でもお前がやらないと」
無理だよ、父さん……やだ、よ
「大丈夫だ。刺してさえすればいい。そしたらもうそのまま放置で死ぬ」
やだよ父さんそんなの辛いだろ
「お前達の受けてきたことに比べたらなんて事ないレベルなんだ」
でも、!でもやだ……。
「お願いだロシア。せめて俺に……何も出来なかった弱い俺に罰をくれ。」
父さんは鎌を握り震えるヤーの手を掴んだままそれを首に宛がえた。
やだやだやだやめて父さん!!
「許してくれ、こうでもしないと、お前じゃないと俺は死ねないんだ。ほんとにすまない。
最後の最後までヤーはお前達のいい父親になれなかった。」
やめてやだ、やだ!!父さんお願いだ!
離してくれ!!
隠居でもすれば済む話だろ!?
「こんなことさせる形になってごめんな」
しなくても、いいじゃん
ねえ父さんお願いだから……
「なあロシア。ヤーはお前達を愛してた。
あんなに酷いことをしてきたけど。
家族として子供としてちゃんと……。」
やだねえ父さんだめだって!!
なんでそんな事言うの?
やめてよ、やだよひぐっ……
「沢山酷いことしてきたな。
でもなヤーはバルトもザカフカース達もお前たちも全員を心の底から愛していた。」
ねえ、父さん、やだ、よ。
おえっ、やあ゙!!
お願い父さん離してよ゙っっ!!
「ロシア。泣かないでくれ。」
やだやだ父さんとまだいたいよ!!
お願いだからやだよ……父さん、
「あのな、ロシア。こんな、こんなヤーの子供でいてくれて、ありがとう。」
父さんお願いだから、手離してよ…
「ごめんロシア。ヤーはお前達を愛してた」
肉の切れる音が響いた。
ヤーの手に握られた鎌は赤く染って。
最後の父さんの声が頭に響く。
愛してるなんて言葉を聞いたのは初めてだ。
父さんはいつも悲しそうな顔……だった?
ヤーも強くてかっこいい父さんが、
憧れで大好きだったよ。
ああ、はは、ははは……。
ヤーはこれからどうしたらいいんだ……。
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