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悟飯がタブレットを借りてから、三日が経過した。
17号「ようっ、久しぶりだな孫悟飯」
孫悟飯「17号と18号さん!」
18号「私らの、永久エネルギー炉の仕組みは解析できたかい?」
孫悟飯「ええ、大方できました。この部分がおそらく、爆弾と言われているプログラムに該当する箇所でしょう」
17号「本当に大丈夫なんだろうな、18号?」
18号「まあ、黙って聞いときな。それで?」
孫悟飯「はい。リモコン等による外部入力があると、無限ループに陥り、エネルギーが循環できなくなる仕組みになっているようです」
17号「なるほど。それで、熱が滞って爆発するという訳か」
孫悟飯「そこまで大きな爆発はしないと思うけど、周囲の内臓を焼き尽くすぐらいなら……十分かもね」
17号「確かに、筋は通っているな。18号がいいんなら、任せてみたらどうだ?」
18号「意外だね。こうもあっさり納得するとは、思わなかったよ」
17号「頭の方は、少々不安材料であるものの、孫悟飯がお人好しだってことは、誰よりも知っているからな」
孫悟飯「17号……。よし、僕も覚悟を決めたよ。アジトに案内してくれ!」
★★★★★★★
孫悟飯「ここが、レッドリボン軍のアジト……」
17号「ああ。今はここのボス・ドクターゲロがクールダウン中の時間帯だからいいが、そこら中に監視カメラと、赤外線センサーが張り巡らされているからな。注意は怠るなよ」
孫悟飯「分かった」
17号と18号の後に続いて、赤外線センサーを潜り抜けると、重たい雰囲気の一室へと案内された。
17号「ここが、俺たちが人造人間として生まれ変わった場所だ」
孫悟飯「これは何ですか?」
17号「カプセルだ。俺たちが、メインコンピュータに接続するコードが入っている」
孫悟飯「なるほど……念のため確認しますが、本当に二人は良いのですね?」
17号・18号「「ああ」」
孫悟飯「それでは……始めます」
悟飯が静かにそう言うと、二人はカプセルの中に入り、コードを接続した。
それと同時に、眠りについたかのように、目を閉じ、一切の言葉を発しなくなった。
悟飯がプログラミング作業を開始してから、三時間が経過した。
孫悟飯「ハァハァ……これはある意味、武道の修行以上に神経を消耗するな。でもこれで、無限ループの処理は消去できた。再起動してみよう!」
孫悟飯「どうですか?」
17号「ん? もう終わったのか。ふむ……どうって言われても、自分では何も分からないな」
孫悟飯「18号さんの方は、お変わりありませんか?」
18号「そうだねぇ……。強いて言うなら、胸の奥でつっかえていた何かが取れたような、そんな感覚があるかもね」
17号「なんだ、感覚か。まぁ女の勘は男よりも鋭いって、よく言うしな。その感覚を信じるしかなさそうだ」
孫悟飯「こればかりは、試すわけにいかないからね……。とりあえず、他の不具合とかが出てないようで良かった!」
17号「ああ。とりあえず礼を言うぞ。孫悟飯、お前のおかげで助かった」
18号「ありがとね、悟飯」
二人の微笑みを受けて、あっけにとられる悟飯。
17号「どうしたんだ? 何か言えよ」
孫悟飯「あ……そ、そうだね。今まで褒められた事とかなかったから、どう反応したらいいか分からなくて……へへ」
17号「孫悟飯……。お前って、世間知らずに見えて、本当に苦労してきたんだな。だからこその強さか……」
孫悟飯「えっ、最後なんて?」
17号「あー、なんでもない。気にするな」
18号「そろそろいいかい? これで私らは明確に、レッドリボン軍へ反旗を翻した。ゲロに、プログラムの改変がバレるのも時間の問題だ。さぁどうする?」
17号「それは殺すしかないだろ? ついでに、本当に爆弾プログラムが除去されたのかも確かめられる」
18号「そうだね……。正直、少しはビビるけど、やるっきゃないね!」
孫悟飯「……あのぉ。平和的解決ができるんじゃなかったんですか?」
17号「何を言ってるんだ? 奴が敵たるお前の言葉に、耳を傾ける訳がないだろ。大体そんなこと、言った覚えはない」
18号「あ。私が言った」
17号「18号、いくら何でも嘘は……」
18号「仕方ないだろ!? 大義名分もなしじゃ、どうやって取り入るんだい?」
孫悟飯「少しいいですか? せっかく目の前にメインコンピュータがあるんで、ドクターゲロのデータも見せてもらえませんか?」