この作品はいかがでしたか?
11
この作品はいかがでしたか?
11
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
17時23分、校舎裏。
先輩に誘われて、初めて煙草を吸った。
初めは拒んだけど、仕方なかった。
その場の雰囲気で茜は、煙草を一本、手に取った。
先輩が、脅かすように顔にライターを近ずけて、カチッ、と火をつける。
内心、不安しか無かったが、平然を装って人差し指と親指で、つまむようにして恐る恐る煙草を持った。
「そんなんじゃカッコつかないぞー!」と先輩に鼻で笑われた。
そんなこと言われても、煙草の正しい持ち方なんて知るわけない。
カッコつけた顔をして、先輩がお手本をするように煙草を咥え、火をつけた。
人差し指と中指で、ピースをするように煙草を持つと、スー、と吸って煙を吐き出した。
正直、ちょっとダサい、と思ってしまったが、茜は真似をして、煙草を持った。
先輩が笑って「そんな感じ!」と頷くとちょっと嬉しくなって、クッ、と煙草を吸った。
よく分からない、変な味だった。癖があるというか、モヤモヤするというか。
フゥーッ、と咳をするように煙を吐き出すと、口から手品みたいに煙が舞い上がった。
茜が初めての煙草に、あたふたとしていると、先輩はニヤニヤしながらこっちに手を伸ばす。
茜が聞く暇もなく、胸元のボタンを3つのけられ、ネクタイを緩められた。
「あははッ笑!茜、ムネでかいからこっちのほーが似合う!」
「それな、明日はスカートもっと短くしてきてみぃ〜!笑」
「え…あ、はい!そーします笑!」
高い笑い声が、煙草の匂いと共に校舎裏小さく響き渡った日だった……