今日も不思議な夢を見た。
前回と同じような教室で、また女の子がいじめられてるの。
助けてられなかった私を睨んで、彼女はこう言った。
ー嘘つき……許さない……絶対……呪ってやる……! 貴方なんて……誰にも愛されずに、死ねばいいのよ!
ごめんなさい……私にはどうすることもできないの……
この子の名前は何だったかしら……?
全く思い出せない……
アルカ side
僕の肩に頭を乗せ、眠ちゃったトウカ。
「あ、あれ……? 寝ちゃ…った?」
もう時間も遅いし…帰ろうかなぁ……
トウカを抱き抱え、家に向かって歩く。
「軽っ……」
抱き抱えてみると、その体は思った以上に軽かった。この体で、いろんなものを抱えてきたんだなぁ……
袖口から見える手は、傷だらけ……
「辛かったねぇ……大丈夫だよ…僕がいるからさ…」
勝手に共感したら、怒られちゃうかな……
「貴方に何がわかるの」って
「……アルカ……?」
少し歩いていると、トウカが目を覚ました。
「あ、ごめん……起こしちゃった……? まだ寝てていいよ……寒いと思うし……」
「ん……大丈夫…降りるから………」
「だっ……ダメっ! つ、疲れてると思うし……今は…」
「………大丈夫よ。」
立ち上がったトウカは、スタスタと歩いていく。
トウカの寝顔が綺麗だったなんて………言えないや……
そのまま家に着いた僕達は、すぐにベットに潜った。
僕は床でいいって言ったのに………まさか…添い寝することになるとは……
このままソファーに逃げようかな………
なんてことを考えているうちに、寝ちゃったみたい………
NO side
夜が更け、フクロウの声が響くこの街。
街の端に佇むこの館には、いつから誰も出てこなくなった。
そんな館のとある一室で、一人の少女が、とある計画を実行しようとしていた。
アスカside
「……えぇ、私ならできる……小さい頃から訓練してきたじゃない……大丈夫よ……」
鏡に向けで自己暗示をかける。
アイラがこの屋敷に占拠されてから、ずっと考えてきたこの作戦……
ランも、アオトも……ベルソーも……彼女に洗脳されて……
私は洗脳が解けたけれど、アイラからは警戒されている。
でも大丈夫よ……私は、ココンとは違う……あの子は学習しなかったのよ。
だからあの子は壊れた。
でも、私は違うわ。私はしっかりと学習した。彼女に対する敵意を隠し、オモチャを演じ続けた。
「………行くわよ。」
部屋の窓から飛び降りる。
街灯が完全に消えた街を全力で走る。
これでいいのよ……
ラン、アオト、ベルソー……待ってて、私が必ず戻してみせるわ。