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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第1話 『愛の告白はバラの花束で』
冬の寒い日――。私は4人の執事に不意に告白された。しかも、4人同時に。
『『『『主様!!』』』』
『な、何!?みんなしてどうしたの?』
庭で散歩していたらアモン、ラト、ラムリ、ユーハンが私の前に立つ。
『初めて会ったあの時から、俺は主様に心を奪われたっす。この人とずっと一緒にいたい。
ずッと、傍に居たい。って。俺と付き合ってくださいっす。』
彼は赤色の薔薇を3本私に渡した。
『私を悪魔化から救って頂いたあの日から私の気持ちは変わりません。主様。愛しています。私と生涯を共にしてくれませんか?』
彼はピンク色の薔薇を9本私に渡した。
『僕の1番大好きな人は主様です。
僕がずっと一緒にいたい大好きな人です。
ねぇ、主様。僕とずっと一緒にいてください!』
彼は紫色の薔薇を6本私に渡した。
『貴方と出会って私の人生は変わりました。貴方に救われたこの命を最後まで貴方に捧げる。私を貴方の隣にいさせてください。愛しております。主様。』
彼は紅色の薔薇を5本私に渡した。
『え、えっと…。その、まずはありがとう…。でも、私決められな――。』
『まだ決断しないで下さいっす!』
『え?』
アモンが私の言葉を静止する。
『まだ返事はしないで欲しいんです。急に告白して応えてもらえないのは…分かってますから。』
『フフ、この気持ちを抑えられずにはいられなかったのです。』
『ただ、知って欲しかったんです。主様に私の気持ちを。』
『みんな……。』
『これから俺達と過ごして…決めて欲しいんすよ。主様。』
『みんなと過ごして…?』
『はい。もし私達の中で1人選んだその暁には…。』
私は庭の白い薔薇に目をやる。
『白い薔薇を……その人に渡してください。』
『!』
『主様の選んだ相手にそれを渡せば……我々は身を引きます。潔く。』
『えぇ。恨みっこなしの本気の勝負ですから。』
『本気の勝負……。っ、でも、私、ほんとにみんなのこと好きだし、誰か一人なんて…っ。』
(きっと、決められなくてみんなのことを困らせるかもしれない。)
『もしそうならそれでも構わないっす。俺は…俺達は主様の気持ちを尊重するっすから。』
『アモン…。…分かった。それじゃあ私からひとつ…条件を出してもいい?』
『『『『条件?』』』』
『私本当にみんなのことは大好きだし、大切だと思ってる。出来ればこの告白も誰か一人を決めるなんてしたくない。でも。主として、1人の女性としてみんなの気持ちを無下にはしない。したくない。だから……。』
『『『『……。』』』』
私はみんなのことを真っ直ぐ見つめる。
『…本気の勝負なら、私も本気でちゃんと考える。そして、これが私の条件。どんな結果になっても……受け入れてくれる?』
私はみんなの抱える薔薇を受け取る。
『相手を恨まず、憎まず、これからも仲良くしてくれる?それが私の条件。』
『もちろんっすよ。主様。』
『フフ、主様の悲しむことはしません。』
『はい!大好きな主様との約束守ります!』
『執事として、男として必ず守り抜きます。』
『分かった。それなら私も本気で考える。4人と過ごしてちゃんと、決める。そしたらまたもう一度……この薔薇を私に渡して欲しい。』
『了解っす、主様。』
『今日より綺麗なものを必ず用意します。』
『はい!沢山渡します!!』
『かしこまりました。主様。』
『うん。ありがとう。』
私はニコッと微笑む。
『じゃあまた詳しいことは後日説明するっす。主様、俺を選んで下さいっす♡』
『フフ、私も負けませんよ、主様、白い薔薇を渡す日をお待ちしております。』
『主様!僕が1番主様の事を想ってます!大好きですよー!主様!』
『主様。私を選んでくれる日を…いつまでも待ってます。』
みんなはそれぞれ言葉を送り、去っていく。
私はそのままその場に立ち尽くした。
その日の夜――
私はみんなから貰った薔薇の花束を花瓶に生けた。
『こうしてまとめて生けたら……とても綺麗ね。でも――。』
必ず1人に決めないといけない。花はいずれ枯れてしまうから。みんなの私へのこの気持ちが枯れるとは思えないけど、でもその優しさに甘えちゃいけない。花も人もそれぞれ違った美しさがあるそれを私はよく知っている。
『……あの4人が私に気持ちを伝えてくれたんだ。勇気を出して。それなら私も。』
その気持ちに、応えたい。
次回
第2話 『それぞれの思い出のデート場所』
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うみ
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