あべちゃんバースデー企画のはずが、昨日忙しくて1日遅れになってしまいました😭
長いのでお暇な時にどうぞ!
今日は、この人生で32回目の誕生日。
この人生も波乱万丈だけれども、なかなか悪くはないよな、と常々思う。
というのも俺には、前世の記憶がある。
前世の俺は、性別は女で、どこかの王国の王女だった。
現世でどれだけ調べても、その国は存在するのか分からなかったから、今は子供のときに見た夢なのかな、とも思い始めた。
でも、ふとした瞬間に思い起こされるそれらは、夢とは思えないほど鮮明だった。
ほぼ恒例行事みたいになった、誕生日のインスタライブを終えて帰途につく。
夜ご飯も食べたし、あとは寝るだけ。明日は朝番組の出演で朝が早いから、毎週金曜は早く寝る。
真っ暗にした部屋の中で、微睡みかけた俺の瞼に、あの情景が映った。
西洋風の大きな建物に、ドタドタと足音が響く。
🖤リョウ様!リョウ様ー!少し止まってください!
💚やだー!!お見合いなんて誰がするか!
黒髪のすらりと背が伸びた青年、レンが私を転ばせないように、分かりやすく焦りながら追いかけてくる。一生懸命なその姿に、一瞬止まってやろうかと後ろを振り返ってみる。
いや、どこの馬の骨かわからない男となんか、目も合わせたくない。やっぱ逃げよ。
あ、ここの角を曲がれば逃げ切れそう!と思った私の視界が、壁に阻まれた。
抱き止められた私の耳に、ヒカルの声が上から降ってきた。
💛口が悪いですよ、姫様。明日は隣国の王子との晩餐があるんですから、少し発言には気を配ってくださ…
💚もー!!わかってるって!
🧡姫様、口がぷくってなっとる!フグみたいやな。かわいいお顔が台無しやで。
💚コージ…次から次へと…
🧡もー。姫様こわーい。
💛ほら、みんなのところへ戻りますよ。
💚きゃっ!!
筋骨隆々なヒカルにお姫様抱っこをされたまま、部屋へ帰された。
私の暮らす王宮では、10年ほど前に敵国との戦争で両親が殺されてしまい、王族は私だけになっていた。
そんな跡継ぎとなる私を護るため、8人の騎士が私と一緒に暮らしている。
みんな優しくて一緒にいて楽しいけども、私への心配をしすぎて、たまに鬱陶しく感じてしまう。
💜あ、おてんば姫様。やっと帰ってきた。
💙遅いよー。もうアフタヌーンティーのケーキ全部食べちゃった。
💚はぁー!?ショータ!また勝手に全部食べたの?
💙またって!前食べてたのはヒカルじゃん!
💛それはもう前のことー。
💚どっちもだめに決まってるでしょ。
🩷まーまー。リョウ様!俺のカップケーキあげるから。
💚…ありがと。
🤍怒ってる姫もかわいいー♡
❤️ケーキなら今からでも作れるよ。いつものチョコケーキでいい?リョウ様。
💚うん!リョータのつくるチョコケーキ食べたい!
⛄俺も!!
❤️はいはい笑
最年長でおおらかなタツヤに、騎士団の隊長のヒカル。真面目で優しいレン、いつも面白いコージ、気まぐれだけど思いやりのあるショータ。まだ幼さがあって可愛いラウールと、盛り上げ役で明るいダイスケ、料理が上手なリョータ。
みんな私のことを大事にしてくれたり、一緒に笑いあったり。私にとって最愛の人達だ。
でも、忘れてしまっていた。私は命を狙われている人間だということを。
翌朝、目を覚ますと、王宮は炎に包まれていた。
そばで私を護っていてくれたレンとヒカルから、隣国の王子が兵を引き連れて、奇襲を仕掛けたのだと聞かされた。
🖤すみません、姫様。今日は大雪で、兵たちのほとんどが除雪作業に追われ、城の警備が薄くなっていてしまい…。今は、城全体が襲撃を受けている状況です。
💛敵国と隣国が裏で繋がっている噂は耳に入っていましたが、想定外でした。申し訳ありません。
💚状況はわかったわ。ふたりとも、守っていてくれてありがとう。
みんなはきっと私のために身を挺して戦ってくれている。それを想像しただけで身震いがした。みんなも、両親のように遠くへ行ってしまうのかもしれないのだと思うと、どうしようもなく怖かった。
💚私、どうすれば…
💛姫様はそこに居てください。遠くに行かれると守れなくなる。
💚うん、わかった。他のみんなは無事よね…?
🖤はい!皆ならきっとこのくらい余裕ですよ。
そう笑顔で言うレンの手は、震えていた。
ドアが強引に開けられて、部屋に大勢の敵が侵入してくる。二人は必死に戦うが、大人数に囲まれてしまい、勝ち目は見えない。
あっという間に、レンのお腹に相手の剣が沈んだ。
💛レン!
🖤ぐぁっ…!っリョウ様!お逃げください!
💚レン!嫌よ、行きたくない。
🖤駄目です。貴女は生きないと。俺は大丈夫ですから。
💛ここは俺たちがなんとかしますから!どうかご無事で。
💚…っ
後ろは振り返らず、流れる涙も拭わずに、俺は必死に走った。もうすぐで城を出られる、というところで敵に見つかり、追い詰められた。
逃げ場を失い、刃を振り下ろされる。
💚…っ、助けて!
🩷姫様ぁぁぁっ!
❤️姫!危ない!!
間一髪のところで、ダイスケとリョータが私を敵から庇った。ふたりとも身体中傷だらけで、ふらつきながらも戦っている。
💚ダイスケ!リョータっ!
💜姫様!どうしてここに…
💚タツヤ…!レンが酷い怪我をして、それで…
私の悲鳴を聞き付けたタツヤが、駆け寄って来る。気持ちの整理が出来ない私を諭すように、肩を優しく叩いてタツヤは言った。
💜リョウ様、俺たちは離れていても、いつも側に居ます。あちらに馬車がありますから、そこに…
💚嫌だ!!
💜姫様…
💚私、逃げたくない。みんなと離れたくない。だから、私も戦う。
💜そんな、駄目ですよ!姫!
タツヤの背後に迫っていた敵の頸を、隠し持っていたナイフで切りつける。
💚私、強くなったんだから。今まで私のこと守ってくれてた分、みんなのことも護らせて。
💜…わかり、ました。でも、ずっと一緒がいいなんて貴女らしいや。
💚ふふっ、でしょ。
タツヤと目を合わせて、同時に駆け出した。
ボロボロになったドレスは構わずに、劣勢になっているコージとラウールを助ける。敵から奪った薙刀と、拾ったライフルで回りを一掃した。
🤍姫様!?どうしてここに…
💚決めたの。私も戦うって。
🤍いや!でも僕たち、姫になにかあったら…
💚そんなに心配しない!大丈夫よ。私、ラウが思ってるよりも強いから。
🧡姫様らしいな。絶対死なせんから、離れんどいてや!
💚それはこっちの台詞でしょ!
🧡やっぱ姫は強気やな~
もう何時間戦い続けたのか、わからないほど疲れた。みんなは何処にいるのだろう。荒くなった自分の呼吸しか聞こえない。
転がっている敵の死体に躓いて、転んでしまった。
💚うっ…いたたぁ…
💙ったく。おっちょこちょいな姫様なのか、馬鹿力な騎士なのかわかんねえや。
そういって、いつの間にか目の前に居たショータが手を差し延べた。
💚…ショータ!
💙ご無事でなによりです。姫様。
💚あははっ、無事じゃ、ないけどね…。
💙俺も、ですよ
立っているのもやっとなのか、座り込んだショータの背中には、大きな剣が突き刺さっていた。
かくいう私も、激戦の最中で右腕を失ってしまった。簡単な処置はしたけど、血が止まらない。
いつもの態度とは違う、優しい声でショータが言った。
💙みんなのとこ、行きませんか?
💚…うん
やっとの思いで着いた王宮の前には、皆が居た。とは言っても、みんな倒れたまま息をしていない。
赤く染まった広場に、私とショータは倒れこんだ。
私も血を失い過ぎている。直にみんなの所へ行けるだろう。
💚ねえ、ショータ。
💙はい
💚私たち、来世も一緒がいいや。
苦しそうに肩で息をして、ショータは微笑んだ。互いの傷だらけの顔には、大粒の涙が流れる。
💙約束します。今度こそ、絶対に姫様を守り抜く。その時は、みんな一緒です。
💚うん。ありがとう…。
視界が暗転して、そこで意識は途切れた。
無機質なアラーム音で、まだ日の昇っていない深夜に目が覚める。目を擦ると、涙が頬に流れていることに気づいた。
きっと、この記憶は夢じゃない。俺たち9人は、前世から繋がっていたんだ。
俺たちがまた今生で出会えたのも、運命と永遠の愛で結ばれているからなんだ。
俺は溢れる涙はそのままに、待ち受け画面に設定された、スマホに映る8人の姿を抱き締めた。
End
Happy birthday 💚!
2025.11.27
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