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ダウナー系イケメン
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エル ___ ✟
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灰依瀬 @ 不定期投稿
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コメント
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ああ、読み終わりました……第7話「目覚め」。 しろせんせーが「心配させんといてや」って言いながら、ちゃんと手を握って背中をさすってくれて。あの阿保って言葉に、どれだけ心配してたかが滲んでましたね。 トルテさんも倒れてた……って知って、自分を責める弐十ちゃんの胸の内が痛いくらい伝わってきて。でも最後、シードがああやって道を開けてくれて、そこにトルテさんが立ってる——その瞬間、息を呑みました。 次の展開が気になって仕方ないです。続き、楽しみにしていますね🌷
ゆっくりと、意識が浮上してくる。
ずっと水の中に沈んでいくような苦しさと心地よさの狭間に揺られていた感覚が、ゆっくりと浮かんでくる。
白い、ぼんやりとした光が見える。
その光に向かって、重く怠い手を、ゆっくり、ゆっくりと伸ばす。
弐十「………あ……」
白い天井が見えた。
重い瞼を開け、周りを見ると、そこは病室のようだった。
怠い体を頑張って起こして病人用のベッドの上で起き上がると、自分の手に点滴がつながれているのが見えた。
弐十「俺………なにしてたんだっけ、」
ずきんずきん、と痛む頭にそっと手を当てる。がらがら、と病室の扉が開いた。
しろ「……っ!?弐十ちゃん、起きたんか!?」
弐十「せんせー……?」
驚いたように目を見開いたしろせんせーが看護師さんと一緒に入ってくる。
彼の目は涙目で、泣いたような跡も目元に残っていた。
駆け寄るようにして俺のベッドに近づいて、せんせーは俺の手を取った。
しろ「…っ、心配させんといてや、マジで死んだかと思ったやろ……」
弐十「ごめん……迷惑かけたよね。」
しろ「心臓止まるかと思ったわ、阿保。」
看護師さんが気を遣ってくれたのか、点滴の袋を変えて直ぐに部屋から出て言ってくれた。
二人っきりになった病室で、気まずさに耐えられず俺はしろせんせーに尋ねた。
弐十「あのさ……何で、せんせーがここに?」
しろ「……キルちゃんから、電話がかかってきたんよ。」
その言葉にずきんっ、とひときわ大きく頭痛が襲った。
ぼんやりしていた思考回路が冷水を浴びせられたように冷え、喉の奥からひゅ、と乾いた音が鳴る。
弐十「う”、ッ、げほッ、う”ぇ、…、っ”」
せんせーが素早く俺の背中をさすってくれ、優しい声で俺に言った。
しろ「弐十ちゃん、ゆっくり、深呼吸できる?」
弐十「う”…ひゅ、ぅ”……ッ…はぁ……っ、」
しろ「そう、その調子や。」
大きく吸って、吐いてを繰り返していくうちにだんだん呼吸が落ち着いてきた。
せんせーの手が白くなってしまうほど強く手を握ってしまっていたことに気付いて慌てて手を離す。
弐十「あ、ごめん……」
しろ「気にせんでええよ。……思い出した?」
弐十「うん、全部ね。」
そうだ。俺の目の前で、トルテさんが花吐き病を発症して。
感情が大きく揺れ動いた俺の症状が急激に悪化して、トルテさんの前で、過呼吸で倒れたんだ。
目に焼き付くようにして鮮明に思い出すことが出来る、俺の血が混じった大量の白いアネモネの花。
頭をよぎるその光景に、また気分が悪くなりそうだった。
弐十「せんせー、続き教えて。」
しろ「うん。……それで電話出たんだけど、無音やった。」
弐十「え……?」
何で。俺がここに居るのも、一緒にいたトルテさんが救急車呼んだからじゃないの?
俺の反応を見て、言うべきか迷うように視線を泳がせ、はぁ、と深呼吸をしてせんせーは再び口を開いた。
しろ「……行ったときには、キルちゃんも倒れとった。」
弐十「嘘…でしょ……?っ、なんで……」
しろ「花吐き病発症したばかりでも、感情が大きく揺れれば急激に悪化する。だから、キルも過呼吸で倒れたんだと思う。」
弐十「トルテさんは……!?いまッ、どこに……」
しろ「別の病室。そっちにはニキとシードが居る。」
信じたくない。
せんせーが来てくれなかったら、俺も、トルテさんも、死んでてもおかしくなかったなんて。
……………俺のせいで、トルテさんが死にかけたんだ。
きつく拳を握りしめる。
自分のせいで、大切な人を失いかけた。
俺が、トルテさんに対する想いを諦めきれなかったから、踏ん切り付けられなかったから。
自分の命だけじゃなくて、トルテさんの命までもが危険にさらされた。
俺の、せいで。
………………俺のせいで。
しろ「……なぁ、弐十ちゃん。」
静かな声が降ってきた。
顔を上げると、真剣な表情をしたせんせーが真っすぐに俺を見ていた。
しろ「……なるべく二人のことだからって思ってきた。けど、もう無理や。」
弐十「え……?」
しろ「……看護師さんに怒られるかも知んないけど、勘弁してな。」
弐十「ちょ、せんせー!?」
そう言って病室を飛び出したせんせーを追いかけようとベッドに手をつき、起き上がる。
けれど、せんせーの体は病室をでたところでぴたり、と止まった。
しろ「な……っ…」
弐十「せんせー……?」
目を見開いて固まった先に居る影は、丁度死角になっていて俺からは見えない。
ちら、と顔を出したニキ君の姿が見えて、俺も目を瞬いた。
弐十「ニキ君?」
シード「……後は、二人の問題じゃけぇ。しろ、ありがとな。」
ぽん、とせんせーの肩に手を置いたシードが俺をちらり、とみて笑い、そっと下がる。
こつ、という足音と共に、せんせーの目線の先の影が動いた。
「………トルテ、………さん……」
そこには、トルテさんが立っていた。