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#怪異
阿炎快空
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阿炎快空
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阿炎快空
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側近達が近づいても、魔女は彼らをチラリと見ただけで、呪文の詠唱を止めなかった。 代わりに肩に乗ったナハトが、鎖と鳥籠を口から吐き出す。
ナカムラソウゴが縛られ、オーマが籠に入れられるのを、ナギは少し離れた位置で見ていた。
しばらくして——魔女は詠唱を終えると、魔法陣の中心を離れ、ナカムラソウゴとオーマのすぐ近くまでやってきた。
怪物二体は、ナカムラソウゴとオーマを挟むようにして立っている。
(落ち着け……焦るな……)
自らに言い聞かせながら、ナギはそろり、そろりと魔女の背後へと回った。
その距離、およそ数メートル。
これ以上近づけば気づかれる——戦士の本能がそう告げる、ギリギリの距離だ。
いつでも斬りかかれるよう、刀には手をかけてある。
「さあて——おい、起きな」
魔女は尖った靴の先端で、うつ伏せに倒れているナカムラソウゴの頭を軽く蹴った。
鳥籠に入れられたオーマが、ひえっ、と身をすくませる。
「う……うう……」
魔女は目を覚ましたナカムラソウゴの髪を掴み、自分の方へと無理やり顔を向けさせた。
「お前らの背後にいるのは、一体誰だい?」
「……どういう……意味だ……?」
「はん!とぼけるんじゃあないよ。お友達が持っていた銃——あれに施されてるのは、このアタシから見ても高度で複雑な魔術だ。アタシの敵の中で、あのレベルの術が使える奴といったら——」
と、そこまで言って。
何か思い当たる節があったのか、魔女は少しの間沈黙した。
ナギの位置から、その表情は窺えない。
「——まさか、妹の差し金じゃあないだろうねえ?」
「妹?」
「いや、それはないか……あいつは死んだ……この目で死体を見ちゃあいないが、確かな筋の情報だ」
自らを納得させるような口調で、ぶつぶつと魔女は続けた。
「まったく、馬鹿な女だったよ。十三人の魔女の一人に数えられるだけの実力を持ちながら、くだらないサーカスなんぞで家族ごっこにあけくれて……最終的には、病でおっ死んじまいやがった」
まあ、あんな奴のことはどうでもいい——魔女は吐き捨てるようにそう言った後で、ナカムラソウゴに顔を近づけ、ひっひっひっ、と笑った。
「男の拷問は趣味じゃないんだが、今回は特別大サービスだ。お前は常人よりも頑丈そうだし、時間をかけて楽しむとしようか。ただの人間じゃあないのは最初からわかっていたが——大方、人と妖怪の混血、ってとこだろ?ええ?」
「さあな」
ぶっきらぼうに返すナカムラソウゴに、魔女は楽しそうな口調で続けた。
「おやおや。もしかして、橋の下で拾われでもしたのかい?ま、そりゃそうだろうねえ。お前みたいな化物が生まれてきたら、普通の神経をしてる親なら——んん?」
魔女が再び、言葉を切る。
ナカムラソウゴの臭いを嗅いでいるらしく、クンクン、と鼻をひくつかせる音がナギの耳にも届いた。
「お前、まさか——」
数秒間、絶句した後で、
「——そうか!やっと思い出したよ!こいつはまた、随分と懐かしい再会じゃないか!」
魔女はそう叫んで、愉快そうに高笑いした。
ナカムラソウゴの反応は見えないが、オーマはポカンとした表情で魔女を見上げ、側近達も不思議そうに顔を見合わせている。
「ひっひっひっ!しかし、見た目がすっかり変わっていたとはいえ、自分でかけた魔法に気が付かないとは——全く、年は取りたくないもんだねえ!」
「おい、一人で何を納得してやがる?」
ナカムラソウゴの言葉を意に介さず、魔女は笑い続けた。
おかしくて仕方がないとでも言うように。
「フフン。その様子だと、父親の仇を取りに来た、ってわけでもなさそうだねえ。記憶喪失ってやつか」
「お前……俺を知ってるのか?」
「ああ、ああ!よおく憶えてるとも——まさか逃がしたご馳走が、自分から食卓へ戻ってくるとはねえ——」
そうして、魔女は真実を告げた。
ナギを凍り付かせる、残酷な真実を。
「——久しぶりだねえ、半竜族の双子の片割れ」
〝宵闇〟の魔女に連れ去られた、ナギの双子の弟。
その名をニアという。
コメント
1件
うわああああ急展開すぎる!!😭💥 まさかナカムラソウゴが「半竜族の双子の片割れ」だったなんて…! しかもニアって名前の弟がいるの?!魔女が「逃がしたご馳走」って言ってたのもヤバすぎるし、記憶喪失って伏線がここで回収された感じ…!? ナギが背後で刀に手をかけてる緊張感も最高だったし、オーマが籠に入れられて「ひえっ」ってなるのも可愛い…! 次話が待ちきれないよ〜〜!!🔥✨