二次創作です。
ご本人様には関係ありません。
某実況者様のお名前をお借りしています。
誤字脱字等あるかもしれませんが、
温かい目で見守ってくだされば幸いです。
尚、ご指摘等は程々に宜しくお願いします。
「ンー…」
らだおくんがボケっとしている間に話を進める。
「俺ネ、魔法使いナノ…」
魔法使い…代償を対価として奇跡を起こす者達の総称。
ずっと昔に魔法使いは全員殺された…はずだったんだけど、魔法使いもバカじゃないし。
魔法を使わなければいいだけの話だからそこそこの数が生きてたんだ。
だけど、魔法使いのほとんどが愛だの友情だのといった感情が乏しいおかげで、魔法使いという生物は緩やかに絶滅していった。
俺が生きてたのは、“魔法使いに創られた魔法使い”だから。
俺は 魔法で創られた。代償は3人の魔法使いの魔力。
1人目は不老の身体と自己再生。
2人目は膨大な魔力と知識。
3人目 は感情の欠如。
感情は欠如というより、普通の魔法使いより乏しくなるってくらいだったけど。
そっから魔法使いとして生きて、周りの奴らは死んで、1人になって。
奇跡を欲したニンゲンに捕まって、逃げ出して、追われて、自己再生が追いつかないくらい怪我が絶えなかった。
そして逃げ込んだ森の中で……
らだおくんに出会った。
昔のらだおくんは今よりも能力の扱いが下手で、その時も能力が少し暴走しかけていた。
『君…だい、じょうぶ……?』
『…』
『どうして…こんな、所……に?』
『探せっ…きっとこの辺りだ!!』
『生捕りにして陛下に献上するのだっ!!』
『…!』
思わず肩を竦めると、らだおくんは顔色が悪いままにっこりと笑った。
『…先に、行きな?』
『…』
『ここを、真っ直ぐ行った先に…館があるんだ、君に……あげる、よ』
『いたぞっ!! 』
背中を押され、よろけながら走り出す。
あの人がどうなろうとどうでもいい。
俺には関係ない。早く逃げろ。
……本当にいいの?本当に?
はじめてじゃない?助けてくれたの。
はじめてじゃない?優しくしてくれたの。
魔法使い達だって優しくはなかった。
厳しかったし、愛なんてものはなかった。
初めてもらった小さな優しさ。
あの人が死んだら…俺はまた独りぼっち。
気付けば俺は、踵を返して走り出した。
どうも、チェシャで御座います。
続きはまた次回。
今回は早めにさようなら。
第21話でお会い致しましょう。それでは。