素敵なあなたの素敵な恋人になるために。①
目次
○はじめに(作者から)
○好きな人の好きなもの
○クラスの空気 ↴第2話にて投稿予定
○文化祭準備
○音駒高校文化祭!
○こころ
○あとがき
○はじめに(作者から)
いらっしゃいませ。まずは作品を開いて下さり、誠に有難うございます。本作を読んで頂く前にちょっとした挨拶をさせていただきます。
堅苦しいのは苦手なのでこの辺に…。私は、基本的にチャットノベルを投稿しているんですけど、ノベルの方も気になってて!好奇心で書いております!!書き始めでも楽しいです!
今回は、チャットノベルでも投稿していた『音駒高校男子バレー部のマネージャーになるために。』のその後のお話を書かせて頂きます!!書きたかった!
もしかしたら、そちらの作品 見てないよ〜って方でもなんとなく大丈夫かも??(自信はない)
見てるよ〜って人はお待ちかねの続きです!
待っててくれてありがとなっ☆大好きだぜっ!
ここで、一度真面目に話させて頂きますと、この物語は二次創作となります。そして、原作とは関係の無いお話があります。というかそれしか御座いませんね。
御理解下さると幸いです。
以上!情緒も言ってる事もキモイ作者、みぃでした!ちなみに、今回長いよっ! それでは、いってらっしゃいませ。
○好きな人の好きなもの
私は鳴瀬奏音《なるせかのん》。音駒高校2年生で男子バレー部のマネージャーをしている。
音駒高校はバレーボールの甲子園と言われる春の高校バレー。略して春高に出場する事となった。
なんというか、今まで色々なこともあったのもあり感動。この一言に尽きると思う。
本当に色々であった。でも、一番の変化と言えばやっぱり……
「おはよ、奏音」
「おはよう!研磨くん!」
「奏音、宿題やった?」
そう。私は、同じクラスで同じ部活の孤爪研磨くんとお付き合いをしている。合宿から付き合い始めた。
といっても、カップルらしい事など殆ど出来ていない。それは少し寂しくもある。
「…というか、研磨くん。宿題の話題をするという事は、昨日は夜更かしでもしたのかな?」
「…………」
図星だ…完全に図星だ。まぁ、今回が初めてということではない。
前にもゲームを徹夜でして宿題をしてなかった事があった。たぶん、今日もそれでしょう。
「…宿題写させてください」
「いいよ〜、次はしっかりとしてね?」
悪い事とは分かっているが、許してしまう。恋人効果なのだろうか?とても、愛くるしい猫のようでつい了承してしまう。もしや私、詐欺に騙されやすいのではないのか…?
「お礼に、その…」
「??」
よく分からないが、気恥しそうに口をパクパク動かして何かを訴えかけている。とても可愛い。
「…今度アップルパイ、食べに行かない…?」
こ、これは!?デートのお誘い!?お家デートはこの前したけれど、名前で呼び合うようになったくらいだった。外でデート…!
しかも、完全なるインドア派の研磨くんからの誘い!断る輩はいるのだろうか?いや、居ない!!
「い、行こう!!!絶対!」
「…!うん、絶対」
何故か、いつもより目が輝いているように見える。そんなにデートが嬉しいのかな?私も同じ気持ちですよ!
教室に入ると、扇風機の涼しい風が吹いてきた。もう9月とはいえ、今年の夏は例年より暑いらしい。日焼けはしたくないな…。
研磨くんに宿題を見せていると、クラスメイトの樋口やよいさんに声を掛けられた。
「奏音ちゃーん、ちょっといい?」
「あ、うん。少し待ってね 」
宿題を見せている途中だった研磨くんに一声かけてから、樋口さんの元に向かった。
「どうしたの?樋口さん」
「ごめんね、孤爪くんと居たのに…」
「そ、そんな!気にしないで!」
ちなみに、クラス全員には付き合っていることはバレている。正確に言うと、部活の先輩が遊びに来た時に爆弾を置いたからである。
「あのね、もうすぐ文化祭について話し合いが行われるじゃない?私、実行委員なんだけど何かやりたいものとかある?」
「やりたいもの?話し合いで決めるんじゃないの?」
「一応、把握しておこうと思ってね」
「あぁ、なるほど」
文化祭か。こういう行事、研磨くん苦手そう…。大丈夫かな?
音駒高校の文化祭は11月に行われる。準備期間は約一ヶ月半。そして、文化祭は3日間ある。それはもう大盛り上がりだとか。
「去年はどんなのやったの?」
「あ、そっか。去年は奏音ちゃん居なかったもんね」
今年の4月から転校してきたので、どんな文化祭なのか噂程度にしか知らない。
「んー、去年はお化け屋敷とか、メイド喫茶とか。定番なものばっかりだったよ」
「…ごめんね、特にこれといったものはないかなぁ」
「そっか、ありがとね。話し合いの時までには考えといて〜!」
そういって、笑顔で別の子に話し掛けに行った。実行委員は絶対に大変な仕事だ。その点、誰にでも話しかけられるフレンドリーな樋口さんには向いている。流石です。
私も、研磨くんの元に戻り文化祭の話をしていたら、ホームルームの時間になった。ちなみに、宿題の方は間に合ったらしい。
授業が終わり、放課後になった。
「奏音、行こ」
「はーい」
更衣室で着替えてから、研磨くんと体育館に向かった。
実は、付き合い始めてからずっと行動を共にしている気がする。私は嬉しいのだけど、研磨くんはこういうの嫌うタイプだと思っていた。
付き合ってから分かる意外な一面を知ることが増えたな、と思っていたら背後から声を掛けられた。
「おふたりさーん」
「…クロ、背後を取らないでよ」
「背後を取るって!武士かぁ!」
「黒尾さん、背中の傷は剣士の恥なんですよ?」
「かのちゃんまで変なこと言う〜」
部活の先輩、バレー部主将の黒尾鉄朗さんは研磨くんの幼馴染であり、私の憧れの人でもある。というか、ノリがいい。
「今度の部活オフの日どっか遊びに行こーぜー?」
部活オフの日は確か…
「クロ、悪いけど予定入ってる」
「おやおや〜?」
研磨くんとアップルパイを食べる約束をしていた。私には何故か、アップルパイは必ず食べるという固い意志を感じる。
「あ、仕事しなきゃ…!」
「そうだな。いってらっしゃい、かのちゃん」
マネージャーは呑気にしてはいられない。仕事は山のようにあるので、働かなければならない。こんな時に気を利かせた一年生が手伝ってくれたら最高なのです。
「ありがとうございましたッ!」
「「「ありがとうございましたッッ!!!!」」」
部活が終わり、研磨くんと黒尾さんと帰ることになった。
「そういや、文化祭で何するか決まったのか?」
コンビニで買った肉まんを食べながら黒尾さんが聞いてきた。
「いえ、まだですね」
「クロのクラスはもう決まったの?」
「おう、3年は最期だから気合い入ってんぞ」
三年生はもう、話し合いを済ませて早く準備に取り掛かるらしい。
「かのちゃんは厄介事に巻き込まれるからなぁ。文化祭くらいは何もなきゃいいな…!」
「……」
「……」
なんだろう。フラグというものが…。
研磨くんも同じことを思っているらしい。いつもよりオーバーリアクションだ。表情が豊かだな。
今日は部活はオフ。つまり… 待ちに待ったデートの日です…!
楽しみすぎて服選びに1時間迷った。あれもいい、これもいい、と悩んでしまったので結局最初に選んだ服にした。
一応男の人の意見も大事にしようと思うので、お父さんに聞いてみることにした。
「お父さん、どうかな…?変だったら遠慮なく!」
「奏音はどんな服でも似合うね〜。可愛いよ!自信もって!!」
「喜んでくれるかな…?」
「孤爪くん、あの子は絶対に喜んでくれるよ」
お父さんって謎に研磨くんを気に入ってるんだよね。付き合った後も、更に仲を深めようと意気込んでいた。
「じゃ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
電車に乗るらしく、駅前で待ち合わせとなった。楽しみすぎて集合時間よりも20分前に来てしまった…。
少し反省をしながら、1人で研磨くんを待つことを決めた。
「ねーね!君1人〜?」
突然知らない男性2人組に声を掛けられてしまっ た…。これはまた、よくある展開だ。嫌すぎるよ。
「…すみません。人を待っているので」
「え〜いいじゃ〜ん!」
こちらはよくないから断っているのにな…。以前までは諸事情があり車移動が多かったのだが、最近は基本的に歩きか電車を利用するようになった。だから、あまりこういう人への耐性などはない。
「ねーね!連絡先交換ぐらいならいいでしょ?」
「メアド教えて〜?」
「ちょっ…!触らないで下さい!」
腕をつかまれて思わず声をあげた。力では流石に男の人には勝てない。強引に押されたりしたら、終わりだ。そう思った時はいつも……
「行くよ」
「…っ!」
その落ち着いた声の人を待っていた。私が困った時、辛い時にいつも来てくれる。
「お、おい!その子は俺達と用事があって!」
「…?そんな訳ないでしょ。オレの彼女と何の用事?」
「研磨くん…」
「…チッ、彼氏居んのかよ」
お決まりの捨て台詞を吐いてチャラい2人組が去っていった。
「大丈夫?」
「うん…ありがとね」
「ううん。それより行こ」
また意外な一面を見たな。あんな怖い顔で追い払う研磨くん。普段は可愛いと思う事が多々あるけど、こういう時の研磨くんはかっこいいと思う。
とあるカフェのお店の前には、『期間限定アップルパイ』と書いてあった。これがお目当ての品らしい。メニューを見る研磨くんの目がいつもより少し。ほんの少しだけ輝いている。
そして、注文して少しするとアップルパイが運ばれてきた。
「わ!美味しそう!」
「そうだね」
「「いただきます」」
最近は、甘い物は控えていたので、幸せをより感じる。美味しいぃ。
研磨くんも珍しく美味しそうに頬張っている。可愛い。
「…研磨くんはアップルパイが好きなの?」
「うん、まぁね」
「そうなんだ!知らなかったなぁ」
少し意外ではある。好きなのある?って聞いたら特にない。みたいな感じかと。
「奏音は?好きな食べ物とかある?」
「好きな食べ物か〜、これといったものはないけど強いて言うならチョコチップクッキーかな?」
「チョコクッキーじゃなくて?」
「じゃなくて。チョコチップが大事なんだよ」
「ふーん……覚えとく」
少しニヤけた顔で研磨くんが言った。少し小悪魔っぽいな、と思った。言ったら怒られるだろうな。
その後も2人で雑談をしながら食べ進めた。
「今日はありがとう!」
「宿題写させてもらったお礼と、単純に一緒に出掛けたい…と思った から」
少し恥ずかしそうに、でも芯のある声で私を見つめながら言った。見つめられるとなんだか恥ずかしくなって私が照れてしまう。
「あと、ずっと言いたかったんだけど 」
「なになに?」
「今日の服、凄い可愛いよ。似合ってる」
「……へぁっ!?」
「なにその驚き方」
笑われた…。いやいや!それより、褒めてくれた…!
こうして喋るだけの時間がとても幸せで、とても短く感じられた。
ちなみに、この後家でずっと鼻歌を歌っていたことは秘密です。しーっ!
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