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俺には兄がいる。
兄と言っても双子の兄
いつも兄は優しかった。
俺と妹は母親似、双子の兄は父親とそっくりの黒髪を持ち、それ以外は俺と似ていた
父親に初めて殴られたあの時、双子の兄は父親を初めて殴り返した。
俺はそれが嬉しかった
何故かは分からないけど、兄は俺を大事にしてくれていると知れたのが嬉しかったんだ。
でも
そんな日が続いていた日常に
終わりが来た
母が、親父を殺した。
俺はそこに立っていることしか出来なかった
ドアが空いた音がした
左馬刻「……ぁ………”ゆう、ま”…」
その双子の兄の名は右馬。
双子の兄は急いで母親を下ろした。
でも、遅かった
父親が死んだ
母親が死んだ
そんな俺達には救いが無かった
兄は必死にバイトをして金を貯めた
俺も兄と一緒になって金を貯めた
俺と、兄貴と、妹の合歓で3人で暮らせるように必死になって働いて金を貯めた
その夢が叶ってから数日後
兄は俺たちを護るために家を出て行った
その時、初めて俺は泣いた。
俺に力が無いから
俺に守る力が無かったから
でも兄は
『左馬刻、俺が出ていくのはお前のせいじゃねぇよ。俺がお前らを守りてぇから出て行くんだ。俺の意思だ、お前のせいなんかじゃねぇ、俺はお前らを守れる力が欲しい、そのために俺は必死こいて金を貯めてお前らが暮らせるだけの金を用意したンだ。必ず会いに来る。お前が辛い時、寂しい時、俺は隣に居てやれねぇけど、お前にいつか出来る仲間がきっとお前を助けてくれる。お前を支えてくれる。俺は必ず夢を叶える、だからお前は、お前と合歓は、必ず……幸せになれ』
『死にてぇなんて考えんな、生きろ!!生きて生きて、足掻け!!!』
そう言った
だから俺は
俺は、合歓を守る。
生きて必ず兄に会うと誓った。
兄が会いに来てくれると信じて
俺は待つ。