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この手触りを見ているだけで、 こんなにも穏やかな気持ちになれるとは。

この結晶の中にいる限り、 時間は意味を失うらしい。

それは、きっと正しいことなんだろう。

ここならば、誰も傷つけることはないし、 誰もが癒されることができるはずだ。

ここは優しい場所だよ。

本当に素晴らしい。

ここには希望しかない。

ここには何も存在しない。

ここに在るのは僕だけさ。

だから僕は、僕の望むように在ることができる。

ここでは誰にも干渉されないし、 誰でも受け入れる。

ここは自由で平等なんだ。

ここでなら争いもなく、 憎しみあうこともない。

ここはとても美しいよ。

ずっとこうしていたいな。……どうやら、君も気に入ったみたいだね。

よかった。まだ残っていたみたいね。あなたたち二人だけよ。ほら、入ってちょうだい。どうぞ座って待っていてくれるかしら? すぐに戻るわ。えーっと、確かここにしまったはずだけど……。あぁ、あった! はいこれ、頼まれていた本。遅くなってごめんなさいね。ついさっき届いたばかりだから許して頂戴。あら? どうしたの? 顔色があまりよくないようだけど大丈夫? もしかして具合が悪いのかしら? もしそうならすぐに横になった方がいいと思うのだけれど……。そうだわ! ちょうどいい機会だし、今日はこのあとお休みにしてゆっくり休んでみてはどうかしら? うん、それが一番だと思うわ。あ、それとも、他に何か用事があるとか? だったら無理しなくてもいいんだけど……。う~ん、やっぱり心配よね。それに、なんだか放っても置けない感じがするわ。ねぇ、本当に一人で平気なの? 私としてはこのままここで看病をしてあげたいくらいなのだけど……。駄目……かな? ふぅ、仕方ないか……。分かったわ。じゃあせめて送っていくくらいはさせてもらってもいいでしょう? こんな状態で一人で返すなんてことできるわけないし。ねっ、お願い。いいでしょう? ありがとう。助かるわ。それじゃあ帰りましょうか。ほら、しっかり手を繋いでないと危ないわよ。

さぁ着いたわ。ちゃんとお薬飲んで寝てるのよ。それから熱が高い時はいつでも電話して頂戴。遠慮しないですぐ駆けつけるから。約束だからね。

また来るわ。それまでおとなしくしていてちょうだい。それじゃあね。

こんにちは。具合はどう? あら、まだ起き上がってちゃだめじゃない。言ったでしょう? もう少し安静にしているようにって。あなたったら私の言うことを聞かないんですもの。困ったものね。

はぁ……。ごめんなさい。ちょっと言い過ぎたかしら。別にあなたのことが嫌いになった訳じゃないのよ。ただ、自分の身体のことをもっと大切にしてほしいだけ。それだけなの。分かってくれるといいのだけれど……。

あっ、そろそろ行かないと。今日はこれで帰るけど、明日は必ず様子を見に来るから。待っていてね。

それじゃあ行って来ます。くれぐれも大人しくしているのよ

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