テラーノベル
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【第一章】出航
港は静まり返っていた。
ゾンビは陸地に溢れているはずなのに、海だけは妙に静かで、まるで別世界だった。
俺は手漕ぎボートに乗り込んだ。
そこには、何もない。ただ漕ぐためのオールと、最低限の道具だけ。
食料も水も、自分で手に入れるしかない。
「海の上は安全だ。波以外は何もない。」
モニターの声がそう言っていた。
俺はその言葉を信じるほかない。
オールを握る手が震えた。
緊張か、恐怖か、あるいは長い航海への予感か。
最初の一漕ぎは重かった。
だが、二漕ぎ目、三漕ぎ目と、海が俺を受け入れていくように、ボートは静かに進んだ。
背後で、隔離施設の扉が閉ざされる音がかすかに聞こえた。
その音は、俺が”帰れない”という事実を告げているようだった。
好評だった時は、続きを出します!
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コメント
3件
静かな海と、震える手。その対比がすごく印象的でした。隔離施設の扉が閉まる音で「帰れない」と悟る瞬間、心臓がぎゅっとなりました。ゾンビものなのに波音だけが聞こえる静けさが、逆に不安を強くしていて、この先どうなるのか気になります。続きが読みたいです!