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第17話 〚予知が告げる最悪の放課後〛
その日の放課後。
澪は、放送委員の仕事を終えて一人、廊下を歩いていた。
(今日は……何も起きませんように)
そう思った瞬間――
頭が、強く締め付けられた。
「……っ」
視界が歪む。
足が止まる。
――予知。
夕暮れの校舎。
人気のない階段下。
伸びる影。
恒一の目。
いつもより近い距離。
逃げ道を塞ぐような立ち位置。
「澪」
名前を呼ばれる声。
澪の喉が、ひくりと鳴る。
(……やだ)
さらに映像は続く。
駆け寄ってくる足音。
海翔の声。
ぶつかる感情。
そして――
誰かが倒れる未来。
「……っ!!」
澪は、はっと我に返った。
廊下には、誰もいない。
けれど、心臓が激しく脈打っている。
(このままじゃ……ダメ)
(予知が、現実になる)
澪は、スマホを握りしめ、
急いでメッセージを送った。
――海翔へ。
「今日、放課後、
私一人になっちゃダメ」
数秒後。
「分かってる。
迎えに行く」
その短い返信に、
胸が少しだけ落ち着く。
だが――
予知は、まだ終わっていなかった。
最後に映ったのは、
恒一の、静かな笑顔。
(……近い)
(もう、すぐそこまで来てる)
澪は、初めて思った。
――予知を、変えたい。
当たる未来じゃなく、
選ぶ未来にしたいと。
その頃。
校舎の外で、
恒一は一人、空を見上げていた。
(今日は……いい日だ)
全てが、
計画通りに進んでいると思っていた。
まだ、
誰も気づいていないと。
そして、
放課後のチャイムが鳴る。
運命の時間が、
静かに、動き出した。
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