エウリュディケ荘園。今日は新サバイバー【放浪者】が実装される日。
既存のハンターやサバイバーは不定期に訪れるこの日を楽しみにしている、一部を除いて_
◎国語苦手な人間が書いた為、非常に読みにくいものとなっております。
一人の人間の黒歴史を笑い飛ばすノリで読んでください。
愛され系となっております、複数夢が苦手な方はお引き取りください。
The夢主って感じの夢主です。
占い師メインかも…
作者の好きなシチュとか好きなキャラとかしかない完全自己満足です。
作者の自己投影はありません、多分。
原作ストーリーとは違い、かなり明るく緩くなっております。
ナイチンゲールの概念について
荘園主≠ナイチンゲール
なんでも窓口のようなもの。
ハンターサバイバー問わず気軽に相談する事が出来る。
物品を要求する事も出来るが生活必需品では無い場合、ゲームで結果を残した対価として与えられる。
衣装のリクエストも可能
衣装の概念について
1そのまま衣装を着る
2衣装に精神が持ってかれる
3衣装の世界観から本人が来る。
大体こんなかんじだとおもいます。
教育係の概念について
新しく来た人達に荘園やゲームについて教える人の事。
基本的にイライやエマなど誰とでも話せる様な明るい人間が担うが推薦や立候補で毎回決まる。
基本的にサバイバーはサバイバーが、ハンターはハンターが教える決まりとなっている。
以下本編
コンコンコン、木製の扉を軽く叩く音が響く。非常に弱々しく小さな音。
新サバイバー実装日には歓迎するため扉の近くに必ず1人、誰でもいいので配置する決まりだ。招待状の確認をすることも出来る。
そして来訪者を告げる音が小さくとも、近くに人がいれば気が付くことが出来る。
ノックされた数秒後、ゆっくりと大きな扉が開かれる。扉から顔を覗かせたのはフードを被り目隠しをした胡散臭い男_
イライ「やぁ、君が新サバイバーとして荘園に来た”放浪者”さんだね?」
彼の問いかけに対し彼女はコクコクと頷く。
彼女も彼と同じように目隠しにフードをしている。傍から見れば怪しい宗教団体のように見えるだろう。
彼と違う点は比較的明るい色に軽い生地…
地位の高い人間がお忍びでするような格好、とでも言えばいいだろうか。
フードや目隠しからチラつく素肌は真っ白で雪のよう、と言えば聞こえはいいが病的で不健康のようにも見える。
隙間からチラつく髪の毛はほんのりピンク、全体的に色が薄いという印象のお陰で肌の違和感はさほど目立たない。
イライは彼女を招く様に扉を開き誘導する。
彼女はおずおずとした様子で屋敷へ足を踏み入れるが非常に怯えている様子で手を胸の前で握り、背を丸めて小さく震えている。
そんな彼女を見かねてかイライがとても優しく声を掛ける。
イライ「放浪者さん、慣れない場所は怖いだろうけど、そんなに怯えなくても大丈夫。
ここの人達はみんな優しいからね。」
……
彼女からの返答は無い。
イライ「さて、まずは荘園の中を案内しよう!」
先程とは一変、明るく陽気な声色で話す。
そして2人は荘園の中を歩き回りイライが各所を案内した。
医務室など、必要になりそうなものを優先的に教えた。
そしてある一室の前で立ち止まる。
イライ「ここが君の部屋だよ」
扉を開けると部屋の様子がよく見える。
ベッドや机など最低限のものはあれど非常に質素で寂しい部屋だ。
しかし何処か暖かく落ち着くような雰囲気があるようにも感じる。
彼女の震えもいつの間にか収まり手の力も多少緩んでいた。
何も言わない彼女を気にすること無く何かを思い出したかのように声を上げる。
イライ「あ、そうだ!招待状を見ていなかったよ、うっかりしていたね。
見せてくれるかい?」
そう差し出された手を2、3秒ほど見つめたあとハッとしたようにローブから取り出すと彼の手に乗せる。
紛れもないエウデリュケ荘園の招待状。
それを確認すると返却する様に彼女へ差し出す。軽く頭を下げてから彼女は招待状を受け取るがイライには少し疑問が残った様だ。
イライ「招待状には名前が書かれていないね」
彼女は少しドキッとしたのか後退りをする。
イライ「あっすまない、責めるつもりはなかったんだ! 」
慌てた様子で繕うイライ。
前に自分のものでは無い招待状で荘園へ来た人間も居たがその招待状は本来届くべきはずだった人間の名前が書いてあった。
つまり名前が書かれていないのは不自然なのだ。
イライ「あ、うーん…。そうだな… 」
なにか悩んでいるのか独り言を呟く。
そして答えを導き出したのか彼女に
イライ「紹介したい人がいるんだ」
そう言っては手を差し出した。
彼女は困惑しつつもこの意図を理解しようとぐるぐると考えた。
何度も考えたがやはり”手をつなごう”という事だろうか?
差し出された手を取ろうか迷っていたら彼が小さく叫んだ
イライ「す、すまない…!間違えてしまった……!
変な意味は無かったんだ!
後ろを着いてきてくれれば問題ない!」
慌てる彼を見て面白さが込み上げてくる。
1度頷くと彼は歩き出す。
彼女は笑っていた。クスッととても小さく。
そして彼も、彼女本人も笑ったことに気が付かなかった。
コンコンコンとノック音を鳴らす。
イライ「イライです、ちょっといいですか?」
扉の向こうの人へ話し掛けるように声を張り上げる。数秒後、歩いてくるような足音が聞こえ、扉が開かれる。
扉を開けた人物が驚いたように声を出す。
???「イライさんが来るなんて珍しいわね?
……横の子は新入りちゃん?」
イライ「そうなんだ、少し彼女の話を聞いて貰いたくて、ほら、異性の私だと話しにくいかもしれないだろう?」
???「そう、なら少し預からせてもらうわ。」
2人の会話についていけずワタワタとしているとイライが話す。
イライ「放浪者さん、彼女は心理学者。 」
エダ「エダ・メスマーよ、よろしくね 」
自己紹介に会釈で返す。
イライ「じゃぁまた」
ヒラヒラと手を振りどこかへ行ってしまったイライ。
エダに招かれ部屋に入る2人。
椅子に座るよう促され、素直に着席する。
エダ「こんにちは、貴方の名前は?」
…
首を傾げ困ったような仕草をして返す。
エダ「もしかして言葉が話せないの?」
コクコクと頷く。
彼女からは申し訳なさそうな雰囲気を感じる。
エダ「それじゃぁ困るわよね、ちょっとまってて」
そう伝え席を立つとメモ帳とペンを彼女に差し出し筆談を提案する。
〝ありがとうございます。〟
綺麗でバランスは整っているが少し女性らしさのある可愛らしい文字でそう綴られた。
声を出せないだけで意思疎通が測れることを確認することが出来た。
エダ「名前は?」
〝わからないです〟
エダ「声を出すことが出来ないの?」
〝はい〟
エダ「イライさんについてどう思った?」
〝まだなんとも言えないですけど…
今は親切な人だと感じています。〟
エダ「どうして荘園へ来たの?」
〝居住地と自分の事を知りたかったからです。〟
エダ「自分の事が分からないの?」
〝はい…〟
エダ「記憶喪失?」
〝もしかしたらそうかもしれません。 〟
エダ「名前は思い出せない?」
〝はい。〟
エダ「名前が無いと不便よね、
思い出すまで適当な名前でも考えて名乗る?」
〝いいと思います〟
エダ「一緒に考える?」
〝お手を煩わせる訳には行きません 〟
エダ「気にしなくてもいいのに」
しばらく2人で会話をする。
放浪者も彼女に対しては何故か話しやすい、そう感じ自分の事について分かることを話した。
話しているうちに日が暮れ気が付けば夕食の時間も近くなっていく。
エダ「夕食は誰かと食べる予定ある?」
〝いえ…〟
エダ「イライさんでも誘ってみたら?
彼、放浪者ちゃんの教育係だから断らないと思うわよ」
〝教育係ですか?〟
エダ「新入りさんに色々教えるのよ、」
エダ「あ、そうだ。ナイチンゲールさんに会いに行きましょう?」
〝ナイチンゲールさん?〟
エダ「色々生活に必要なものを用意してくれるのよ 」
〝わかりました〟
彼女に手を引かれ、ナイチンゲールの元へ歩いていく。
手を繋ぐ必要があったのかは疑問だが放浪者は何も言わず手を握られる。
エダ「ナイチンゲールさん、彼女にホワイトボードのようなものを使わせたいのだけれど」
ナイチンゲール「ご用意していますよ。」
エダ「ありがとうね」
〝私の為だったんですか?〟
エダ「えぇ、そうよ。
こっちの方が便利でしょう?」
〝ありがとうございます〟
与えられたばかりのホワイトボードに文字を綴る。メモ帳より遥かに見やすく何度も使える分便利だ。
エダ「イライさんは今ゲーム中のはずよ。
ロビーで待ってみたら?」
〝わかりました〟
エダ「それじゃぁ、また何かあれば部屋に来てちょうだいね」
手を振り分かれる2人。
ロビーの場所は既に覚えているため迷う事なく向かうことが出来た。
ここの荘園は”ゲーム”をする事で報酬が得られるらしいが、その内容については一切知らない。
ゲーム…放浪者はチェスなどのボードゲームの知識程度しか覚えていない。
ボードゲームごときで望んだ物が手に入る、なんて事は無いと考えているため一体どんなゲームなんだろう。
1人でしばらくの間ぐるぐると思考していた。
ロビーで椅子に座り待っていると複数人の話し声が聞こえてくる。
そして声のする方へ視線をやるとイライとあと誰か3人が居るようだ。
全員男性で4人のうち3人が長身で中々に迫力がある。
既に人が居るなら引き返そうか、そう考えていたところこちらに気が付いてしまったのかイライが手を振ってくる。
イライ「どうかしたの?」
〝いえ…散歩をしていました。〟
咄嗟に出た嘘。
食事に誘おうとした事を無かったことにしようとして。
???「なんだコイツ、イライの親戚?」
???「目隠しは遺伝するものじゃ無いでしょう…」
???「てっきり放浪者って言うもんだから薄汚いオッサンが来るものだと思ってたよ。」
皆自由に話している。彼女の顔を覗き込むなどしたりしていた。
イライ「ところで、君は言葉を話せなかったりする…のかな?」
〝はい、なのでメスマーさんとナイチンゲール?さんに貰いに行きました。〟
イライ「そうなんだ、それで……」
「君が良ければ何だけど一緒に食事をしないかい?5人で…にはなるんだけど」
???「あ、いや僕は一人で食べます、それじゃぁまた」
グレーの髪を後ろで結んでマスクをつけた青年が拒否する様…と言うか拒否をして足早にその場を離れる。それを少し気まずそうに見つめるイライ。
〝皆さんが良ければ〟
本来なら2人きりの予定だったが誘いを断る事も出来ない、そもそも2人きりの食事の誘いする勇気なんて無かったためそこまでこの誘いを断る必要はないのだ。
それに質問に答えてくれる人は多い方がいい。
イライ「ここでこうすると…」
食堂にて、イライが放浪者にシステムを説明する。
今日は特別豪華な日らしい。
各々が食堂の席に座ると食事に手をつけ始める。
イライ「2人の紹介がまだだったね2人は傭兵と探鉱者の…」
ナワーブ「ナワーブ・サベダー。よろしくな」
ノートン「ノートン・キャンベル。」
〝サベダーさん、キャンベルさんよろしくお願いします。〟
ナワーブ「イライはイライ呼びなのに俺らはそう呼ぶんだな」
怒っている、という感じでも無く不思議そうにする。
〝イライさんとしか名前を知らないので。〟
ノートン「イライ自己紹介してないの〜?」
イライ「すっかり忘れていたよ、少し張り切りすぎちゃったかな?
私の名前はイライ・クラーク。占い師をしているよ」
〝クラークさんも改めて宜しくお願いします。〟
イライ「イライ呼びでもいいのに…」
〝私は…放浪者です〟
ノートン「それだけ?」
ナワーブ「名前は?」
〝えっと、思い出せなくて〟
イライ「あんまり詰めないであげて、」
放浪者はホワイトボードを手放し食事に手をつける。
とても美味しい、出来たてなのかとても暖かく心まで温まるようだ。
3人の会話を聞けば”チェイス”や”救助”など馴染み無い言葉が時々聞こえる。
ナワーブ「にしても、食べ方キレーだな」
ノートン「放浪者ってテーブルマナーとか疎いものだと思ってたよ」
イライ「確かに、とても綺麗に食べるね」
ナワーブ「イイところの出身か?」
話が放浪者へ移ると慌てて飲み込みホワイトボードを手にする。
〝思い出せないので、出身とかはよく分からないですが、お褒め頂きありがとうございます。〟
イライ「そこまで他人行儀じゃなくてもいいのだよ?」
ナワーブ「思い出せない…自分の事がか?」
〝はい、招待状を貰う少し前くらいから記憶があやふやで…名前も思い出せないです。〟
ノートン「招待状に名前書いてあるんじゃないの?」
〝それが、書いてなくて…〟
イライ「招待状はなんて書かれてたの?」
〝”自分を取り戻したければここに来ればいい”のようなことが書かれていたと思います。〟
イライ「荘園は記憶喪失について知っていたみたいだね、ここで記憶を取り戻すようにってことかな? 」
〝多分そうだと思います〟
ナワーブ「名前が無いようじゃ不便だよなぁ、
いっそ4人で考えるか?」
ノートン「僕の事巻き込まないでくれる?」
〝迷惑はかけたくないので…〟
イライ「彼は慣れない人に冷たいだけだよ、あんまり気にしないでも大丈夫。」
〝じゃぁ、お願いします〟
名前の候補を彼女のホワイトボードに書いていく2人。
“ネーミングセンスが…”
“なにか意味も込めたいよね…”
2人を眺めながら食事を進める。
ほかの3人はもう完食しているらしく少し急ぐ。
女性用の量にも関わらず”多い”と感じる。
食事のペースは落ちていきそのうちピタリと止むだろう。
頂いた食事を残すのは無礼では無いだろうか、そう考えていると1人に話しかけられる。
ノートン「食べられないの?」
…小さく頷く。
ノートン「そいつにあげたら?ナワーブはだいぶ飯食える方だし」
頷く。ぶっきらぼうではあるものの自分を想って話しかけて来てくれたことを嬉しく感じる。
ノートン「ナワーブ、食べ切れないから食って欲しいってよ」
ナワーブ「いいのか!?サンキューな!」
お盆ごと渡すと嬉しそうに食べ始める。
よく食べるというのは本当らしい。
イライ「あんまり候補思いつかなかったけど、返すよ」
ホワイトボードが返却される。
ホワイトボードには名前の候補がいくつか書かれている。
どれも素敵な名前でひとつずつ読むが自分の名前、と言われるとピンと来ない。
???「あっ、新サバイバーさんなの!!」
???「ちょっと走らないの!」
エマ「はじめましてなの!私はエマ・ウッズ!庭師をしているなの!」
エミリー「私は医師をしているエミリー・ダイアー。よろしくね。」
イライ「彼女が放浪者、記憶喪失みたいでみんなで今名前を考えていたんだ。
放浪者さんと呼び続けるのもあんまりだしね。」
席を立ち、ぺこりと頭を下げる。
少しばかり思考を巡らせるような仕草をしたあと、ホワイトボードに文字を紡ぐ。
“これからはヒナと名乗ります!”
ホワイトボードに書かれたいくつかの候補のひとつを選んだようだ。
エマ「ヒナさん!宜しくなの!」
改めてよろしく、と皆口にする。
エミリー「ヒナちゃん、食事が終わったらみんな入浴に行くのだけれど一緒に来る?」
“お風呂は一人で入ります……!”
エミリー「そう?じゃぁ私達は今から食事だからこれで失礼するわね」
にっこり微笑んだ後、エマと共に少し離れた席に着いた。
イライ「あ、大切なことを忘れてた、
明日は試合の日だから宜しくね、
実践を通した方がわかりやすいと思うからとりあえず様子見で試合をすることになったんだ」
“わかりました、私は何をすればいいのでしょうか?”
イライ「明日の朝九時頃にロビーで待っててね!」
“覚えておきます”
イライ「明日の試合のメンバーは私と君とナワーブとエミリーの4人で行くからね」
“さっきの医師さんですね、わかりました”
イライ「じゃぁお風呂に一人で入りたいなら早めに行くことをおすすめするよ」
“ありがとうございます、それなら先に失礼しますね”
イライ「うん、じゃぁお休み」
ナワーブ「そういや明日の試合なんで俺なんだ?」
ノートン「ナワーブが救助職の代表みたいな顔してるからじゃない?」
イライ「まぁ実際ナワーブは強いし居てくれたらすごく心強いよ」
ナワーブ「そうか?そう言われて悪い気はしないな……」
イライ「さて、そろそろ私達も解散しようか」
ノートン「じゃおやすみ」
ナワーブ「またあした!」
そう言って食堂を後にしそれぞれ自室へ戻る。
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