外資系でリーマンパロです。エセ関西弁などが含まれます!○○というのには貴方の名前を入れて読んでください!また、相手の名字はこちらで設定させていただきます!
外資系の名字:塩戸(しおと)
それでも良い方はどうぞ!
12/25。今日はクリスマス。カップル共がそこらへんでいちゃつくクソみたいな日だ。
カップルは夜景やらを見に行き、告白とかするんだろっ!?
その夜景を作ってんのは自分たち残業組の俺たちのおかげだってこと知ってる!?
感謝しろ、などと悪くもないカップルに心のなかで八つ当たりをする。
そんな俺は暗い建物の中で残業をしている。
遅くまでしている理由は最近入ってきた新人のせいだ。仕事が遅く、効率が悪い。
それで愛嬌があればいいのだが、
「せんぱ〜い、これわかんないんでお願いしま〜す。」
などと軽く言う。
ホントにムカつく。だが世間様もよく見ている。それだけは感謝している。周りもあいつの肩を持つなら辞職するところだった。
「○○さん、ここはこうでいいですか。」
後輩の塩戸の声だ。
彼もあいつと一緒に入ってきた人だ。
今はあいつの分の残業を手伝って貰っている。
自分は彼のことが好きだ。一目惚れをした。暗い部屋に好きな人と二人きり。少々自意識過剰だが、期待はしてしまう。
「うん、それでお願いします。ホントにごめんな。」
だが今は仕事に集中せねば。
「いえこれくらい。俺、仕事覚えんの遅いんでこうでもしないと覚えられないんっす。」
彼は仕事を覚えるの速い、なのでこれは嘘だ。
先輩を立てる出来る後輩。
立たせてもらっている情けなさと下手な嘘が新人らしく可愛らしい感情が入り交じる。
「ありがとな、何か奢るわ。」
「…じゃあヤニ休憩しません?煙草ないんで○○さんが買ってください。」
「それでいいん?」
「はい。」
「わかったわ。あと何か食いもんか買お。流石に腹減ったわ。」
「いいですね。」
終わりかけの仕事をキリがいいところで終わらし、煙草と食べ物を買いにコンビニへと向かった。
自分のデスクの上に乗っている書類を端によせ、コンビニでの勝利品をデスクの上に置く。
俺はおにぎりやらサンドイッチ、今は飲まないが酒などを買った。
ショッピはショートピースを二箱買った。それがご飯ですというかのようだった。
自分はおにぎりを頬張る。
「…塩戸。食べづらい。」
塩戸は自分の方を見ている。
煙草を吸いたいからはよしろ…ってこと!?
先輩、心が違う意味でドキドキしちゃう。恐怖。
「すいませんw米粒が口の端についてますよ。」
おっと…。お見苦しいところを。先輩の威厳がなくなる。
「ん、ありがと。」
おにぎりを食べ終わり、コーヒーで喉を潤す。
仕事もコーヒーもブラック。
「じゃあ、ヤニ休憩すっか。」
お前が待ち望んでいた休憩だぞと心の中でささやく。
「はーい。」
喫煙所、そこは喫煙者にとって楽園のように感じる。
自分はたまに煙草を吸う程度だが、喫煙所に行くと安心する。
煙草は塩戸と同じショートピース。かなり重い。
これを吸っている塩戸の肺は死んでいるだろう。
煙草を一本取り出し、火をつける。煙が肺を循環する。
塩戸の方をちらりと見るとライターを探しているようだった。
「ライター無くした?」
ライターがなくては吸えない。
「そお…みたいっす。火ぃ貰ってもいいです?」
…そういえば、と昨日ドラマで見たシーンを思い出した。
「ええで。」
シガーキスだ。
煙草を咥えながら、塩戸の方に近づく。やってから後悔した。これはセクハラではと危惧していると
「…あざーす。」
塩戸は火をつけていない煙草を咥え、自分の煙草から火を貰った。
まつげが長かった。前髪から覗く瞳も綺麗で、本当にキスをしているかのようだった。
塩戸は火を貰ったら正面を向き、煙を吐き出す。
自分の煙と混じり合い、少しこそばゆい。
「…○○さん、さっきのあれ、誰にでもやってるんです?」
「いや、昨日ドラマでやってて、それで…やってみたくなったといいますか…。」
「…あれ、一歩間違えばセクハラですよ。」
やはりか。昨今の日本はハラスメントに厳しい。だが行為に名前がつき、盾に出来るというのは強みだ。
「まっじでごめん。」
それでも、悪いものは悪い。明日は解雇とかある?
「まあ、ええですよ。○○さんなら。」
「じゃあ戻ります。」
彼は背中を自分に向け、残業へと戻っていった。
自分はその場にしゃがみ込む。
彼の赤い顔が、耳が忘れられない。
クリスマス、案外いい日なのかもしれない。
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