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プロローグ
「え?なんだろう……?」
クレアが良い紙でできた封筒を手にしている。
私みたいな貧相な農民に貴族が関係するのかな?
「魔法学校入学試験合格……って!」
手紙を見るなりに目を見開いて大きな声で目をパチクリさせている。
え?魔法学校入学試験ってあの……!
❃
「マリーさんですね。家では……」
私は魔法学校の面接試験中で凄い緊張している。
『カルダ魔法学校』という学校が王都にある。この国唯一の魔法学校で、規模も大きい。
私の家はあまり裕福では無かった上に魔法使いの家系とも聞いた事が無いけどダメ元で受けている。
しかも私みたいな痩せて体も他の六歳と比べて発達しきっていなかった。
だけど、私は森で昔、迷子になった時に神獣が見えた。絵本の絵のそのままでびっくりした事を覚えている。
でもその神獣はその日に限らずちょくちょく見かける。近くにいた弟のロジェや姉のクレアには見えなかった。
だから少しの希望をかけての試験だったはずだったのに……
❃
「マリー!合格よ!」
クレアが珍しく凄い喜んでいる。
それというもの補助金が出るのだ。それに魔法使いになって帰ってくれば治療師とか反乱が起こった時だって助けられる。
それにロジェにだって学校へ通わせられる。
「え? マリー姉ちゃんが学校?」
ロジェは訳が分からず首を傾げている。
「だったら、荷物をまとめないと!」
私は自分の荷物をできるだけ入れた。
「ねぇ、いつ出るの?」
夕ご飯を準備しているクレアが私に尋ねる。
「そんな早々には出ないよ。早くて明後日。遅くて一週間くらいかな? そうじゃないと無断欠席になっちゃうから……」
色々と考えている内に寂しい気持ちも芽生えてきた。
「え? 行っちゃうの?」
「寮に入らないといけないから……夏休みはこっちに来れるかもだし、手紙だって送れるはず。だから少し留守にするね」
微笑みながらロジェの頭を撫でた。
三日後。
「行ってくるね! ロジェ、クレアの手伝いをしてあげて。私は夏休みには帰って来て手伝うから」
からお弁当を受け取って飛び出した。
正しくは逃げ出した。気が変わらない内に出ないととどこかで焦りを感じていた。
離れるのはもちろん嫌だけど、離れたく無いという気持ちが強くなったら行けなくなってしまうと子供なりに考えだからだった。
少し歩たら村に着いた。
馭者さんに尋ねると、予定では四日後には着くはずと言っていた。
私の王都までの旅が始まった。
旅といっても荷馬車の中で座ってたり、寝てたりするだけで偶に外を眺めて、初めての物に目を丸くしたり色々だった。
途中でお弁当を食べたり、馭者さんの交代だったり全然楽だった。
「わぁ、王都か……」
四日目の昼過ぎに王都へついた。
「いってらっしゃい」と馭者さんに見送られ地図を頼りに進んで行く。
こんな人混みを初めて目にしたので全てが初めてだ。
順調に進んで行くと魔法学校が見えた。
「あれ? 新入生ですか?」
髪をお団子にした背の低い中年女性が話しかけてきた。
「はい」と私は大きく頷いた。
「はじめまして。寮母のユッタです。案内しますね」
魔法学校をユッタさんが案内してくれた。
案内してくれている途中は白い壁と大理石の床が張り巡らせていて圧巻させられた。
寮に入ると扉が大量にあった。私は一〇九号室に案内された。
「ここが貴方の部屋です。荷物を片付けたらコレに着替えてください」
緑のロングコートみたいな服とブラウス、緑の帽子に黒いズボンと長いブーツを手渡された。
私はユッタさんがどこかへいってから一〇九号室に入った。
部屋を見渡すと一人分のベッドとクローゼットと机椅子、暖炉と薪。机の上にはドッサリ教科書が置いてあった。
私はそそくさと荷物を片付けて制服に着替えた。
少し大きくてブカッとしてたけどこのくらい大丈夫だろうと頷いた。
教科書を読んで予習をしようと思ったけど、旅の疲れが出て寝てしまった。
❃
「新入生一人目がついたんだって」「え? 皆ギリギリに来るのに……」
という声がロビーに飛び交っている。
二学年中央委員会の僕カールは冷や汗をかいた。それも…
「農民生まれのやせ細った女の子らしいよ」「まじか?貴族じゃないなんて珍しいな……」「教育もろくに受けてないだろうに……」
という噂がもうあった。
農民生まれだろうが平等にするのがこの魔法学校の規則だろうが……はぁ……
そんな事を聞いていたら頭が痛くなってきたので部屋に戻ろうとしたら夕ご飯の鐘が鳴った。
そうするとユッタさんが新入生の女の子を連れてきた。
服はブカブカでも顔は田舎っ子という顔をしている。それにコケているようにも見えてしまう。
でも近くに来ると顔は整っていて幼さが残っている。歩く度にブロンド髪がなびいて、青が強い青緑の瞳には不安が滲み出ている。それに、魔力がとても多いように見える。
「カール。マリーに案内をしてあげなさい」とユッタさんが僕に話しかけた。
え? 僕?
ちょっと押し付けられたような気もしなが「あ、はい。よろしく、僕はカール」と軽く解釈するとその子も「マリーです。よろしくお願いします」と頭をペコリと下げた。
「夕食の時間だからご飯を取りに行こうか。ついて来て」と手招きをするとちょこちょこ小さな歩幅でついて来た。
可愛いと心の隅で思いつつ少しこの学校の事について解説しといた。
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