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第一話
あれから、ストレートで深い青の瞳を持った先輩のカールさんに色々と教わった。
この魔法学校は地位なんて関係無しで、学年だけでなんとなく上下関係が成り立っているらしい。
魔法学校には低学年、中学年、高学年の三つに分かれるらしく、低学年は三年生まで、中学年は六年生まで、高学年は九年生までらしく、一番下っ端の低学年は緑の制服らしい。中学年は臙脂色の制服で高学年は群青色の制服になるらしい。それに、この学校には龍の卵があるから見ていったらと勧められた。
そんな説明を受けている間に食堂へと着いた。
「僕の後ろにいてね」と優しく話しかけてくれる。
私はコクリと頷くと微笑んでくれる。
私たちが入った列は八年生ばかりで私の事が見えない程の背丈の人もいて蹴られそうになったり、躓かれたり移動するだけでも大変だった。
「ここから取ってね。少し取りづらいかもだけど頑張って」とおぼんと皿を渡してくれた。
「あの、高い所のやつが届かないのは…やっぱり我慢ですかね」とダメ元で聞いてみた。
「あ、もしあれだったら僕が取るよ。明日も一緒にいる子は来ないだろうし。せめてでも三日前じゃないと新入生は来ないんだ」と苦笑している。
「え?でも、カールさんは同級生とは…」と言いかけたところで『そこは探らないでくれ』と笑顔の圧をかけられた。
それから色々と取ってから席に着いた。
「いただきます」と両手を合わせて挨拶すると「あはは、貴族より礼儀正しいね」と苦笑された。
え?貴族ってそういったところからちゃんとするんじゃ…
私が不思議そうにしていると「もう、魔法学校にいるとそんな事は面倒になって大雑把になるんだよ。それで、卒業してからまた取り戻すんだ」と丁寧に貴族とは縁がない私にも説明してくれる。
「色々とありがとうございます。こんなに手厚く説明してくれて…私、少し心に余裕ができた気がします」と微笑むと微笑み返してくれた。
「ははっ。可愛らしい後輩がきたな」と笑っている。
なにそれ。私って何かしたっけ?
「早く食べないと冷めちゃうよ」と照れ隠しにカールさんは食べ始めた。
私も大きく頷いてから食べ始めた。
凄いご馳走でとても美味しかった。
それからお風呂に入るから、ゆっくりお風呂で浸かった。でも、出て着替えるところまでできたけど、髪がビチョビチョだ。
私が髪を拭きながらロビーへ出ると先輩たちが綺麗なクリーム色の石になにかモヤを送り込んでいるように見えた。
それもカラフルで人それぞれ色が違うので目がチカチカしてしまう。
先輩がモヤを送り込んでいると風が吹いた。
私も深呼吸をするともっとはっきり見えた。なんなら自分のモヤがという事まではっきりした。
それも自由自在に動かせたので綺麗な石にモヤを注ぎ込んでみた。
そしたらブワッと風が勢い良く出て尻もちを着いてしまった。
「大丈夫?」と先輩たちが私の事を囲む。その外で馬鹿にする人も見えた。
私はどうしていいのか分からず「すみません。私は大丈夫です」と言ってから足早にその場を逃げた。
❃
ん?魔法石が暴発したのか?
学校の一番上の階にいる大魔導士がいた。ローブを羽織っていて中はブラウスにネクタイを着けている。
実年齢は百歳を超えているが見た目では判断出来ない。
あんなに魔法石に魔力を注ぐなんて一体どこの誰だ?そんなに魔力の多い子はいなかったはずだが…
部屋の外へ出て階段で一階へ移動しようとおもったら一階の途中ところで小さな女の子とぶつかった。
「あ、すみません」と少し頭を下げるとそそくさと行ってしまった。
今の子は…魔力が半端ない。正常と判断されるギリギリくらいの量だ。
後で例の物を渡さないとな…
と思いながら資料室ヘ向かった。
資料室はガビの匂いがツンッとして昔から変わらないと苦笑した。
「ええっと…あ、あった」と声に出しながら龍の卵を抱えた。龍の卵は全部白く、魔力も見えない。
どうやって孵化させるのかは不明だけど、魔力が多い生徒には魔力を注げと言ったら魔力の扱いになれるので渡している。全部で八つあるが、前渡したのが十年も前の事なので外に展示されている一つとここにある七つを合わせれば全部ここに揃っていた。
俺は卵を片手に五階まで階段で上がった。
百歳を超える老人にはとてもキツイ。だが、それ以外に移動方法が無いので仕方無く歩きで移動している。
本当は資料室を五階まで動かしてほしいところだけど一年生も使うので却下された。大きなため息をつきながら階段を登る大魔導士であった。