テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
眠れない夜
実習のある夜。
部屋の電気は消えているのに、目だけが冴えている。
布団に入っても、頭の中だけが静かにならない。
明日のこと。
失敗した場面。
誰かの言葉。
全部が勝手に浮かんでは消えていく。
「……寝なきゃ。」
そう思うほど、眠気は遠くなる。
⸻
「👁️🗨️。」
声は部屋の中ではなく、思考の端に落ちてくる。
Ი𐑼。
いつも通り。
表情は見えないはずなのに、なぜか“変わらない顔”だけが浮かぶ。
「起きているな。」
短い確認。
⸻
👁️🗨️は小さく息を吐く。
「……寝れないです。」
「実習なのに。」
その言葉に、少しだけ焦りが混ざる。
⸻
「焦るな。」
即答。
「それが睡眠を止めている。」
⸻
間。
Ი𐑼は淡々と続ける。
「今から指示する。」
「寝ようとするな。」
⸻
👁️🗨️の目が少し動く。
「え……?」
⸻
「“寝なきゃ”をやめろ。」
「眠れないことを問題にするな。」
「横になれ。」
「それだけだ。」
⸻
静かな命令。
でも、追い詰める感じではない。
むしろ“外す”言葉。
⸻
👁️🗨️は布団の中で小さく動く。
「……でも、明日……」
⸻
「明日は今ではない。」
すぐに切る。
「今を潰すな。」
⸻
沈黙。
部屋の音はほとんどない。
呼吸だけがある。
⸻
Ი𐑼は最後に一言だけ言う。
「目を閉じろ。」
「起きていてもいい。」
「寝なくていい。」
「でも、休め。」
⸻
👁️🗨️はゆっくり目を閉じる。
まだ眠れない。
それでも、“戦う必要”だけは少しずつほどけていく。
「……はい。」
小さな声が、暗闇に落ちた。
コメント
1件
みぅです🥀 第43話、読ませてもらいました。 眠れない夜の、あの“焦り”と“体重”みたいな感覚、すごく分かります…。 「寝なきゃ」って思うほど、逆に目が冴えちゃうんですよね。 そしたら突然、声が降りてきて。 しかも「寝ようとするな」って、そう来るんだ…って、思わずちょっと笑っちゃいました。 命令なんだけど、追いめる感じじゃなくて、むしろ“手を離させる”みたいな温かさがあって。 ああ、この人に言われたら、確かに少しだけ、戦うのやめられるかもなぁって思いました。 大好きです🥀
47
106