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そんな愛らしい寝顔を見ていたら、もう一度キスがしたいという衝動が込み上げてきた。
僕は性懲りもなく、欲望の赴くままに再び美咲さんの唇にキスをしようと顔を近づけた。
「んんんんっ…‥」
あともう少しという所で美咲さんは目を覚ました。
「えっ!? こっ‥紺野くん、どうしたの?」
美咲さんは、とても驚いた顔をしていた。
そりゃそうだ…‥
起きた瞬間、僕の顔が目の前にあったのだから…。
「ちっ‥違いますよ! キスしようとしてた訳じゃありませんから…」
“それなら何をしようとしてたんだよ”と心の中で自分に突っ込んでいた。
「別に構わないけど…紺野くんがしたいなら」
美咲さんは目を閉じて僕のキスを待っていた。
「だから違うって…」
「それなら何しようとしてたの?」
「なっ、何って…。ソッ、ソファーで寝てると風邪をひくと思って…」
「どんな味だった?」
「コーヒーの味がした。あっ!?」
しまった…‥
言ってしまった。
というより、言わされてしまった。
「しないならいいよ。でも私は紺野くんとキスがしたい…」
「んんんっ…」
美咲さんは動揺している僕の唇にキスをした…。
「美咲さん…」
「紺野くんの唇やわらかくて懐かしい味がした」
「美咲さんっ」
「んんっ…」
僕は美咲さんを押し倒し無理矢理キスをした。
そして着ていた服を脱がせると、美咲さんの胸や首筋を愛撫した。
「紺野くん…ダメっ…それ以上は…‥」
「ごっ‥ごめん…」
でも…今の僕たちには、それ以上の関係になる勇気もなければ、まだ許しを得てもいなかった。
それから気まずい空気の中、美咲さんは夕食の支度を始め、僕はソファーに横になってテレビを見ていた。
そうこうしているうちに18時になってしまった。
ピーンポーン…‥
玄関のチャイムが鳴った。
美咲さんと顔を見合わせた。
「紺野くん、早く!」
なかなか出迎えに行こうとしない僕に、美咲さんが慌てて急かした。
「はっ‥はい」
遥香の知り合いというだけでも緊張するというのに、そのうえ能力者だというのだから緊張感は倍増した。
「どうぞっ」
2人で玄関まで出迎えに行くと、美咲さんは嬉しそうな顔で声をかけた。
ガチャ…‥
ドアが開き、中に入って来たのはスーツ姿の20代前半の若々しい女性だった。
背丈は160cmくらいで痩せ型、髪は後ろで1つに縛り、ほのかに香る香水の甘い匂いがとても清潔感を感じさせた。
また、頭のよさそうな顔をしているが、童顔なので年齢よりも幼く見えるし、とてもかわいく透明感があった。
「こんにちは」
「こんにちは、遥香の父です。いつも遥香がお世話になっています」
「そっ‥そんなお世話だなんて…。こちらこそ、いつもお家におじゃまさせて頂いております」
とても礼儀正しく印象は相当良かった。
「どうぞ、上がって」
「はい、おじゃまします」