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同僚は何かを感じ取ったのか、自身のものは抜かずにそのまま主を抱き抱えて立ち上がり隣の部屋に行こうとした。
「ちょっ、ちょっと!?何してっ」
「複数でしたいんだろ?だったらアイツら呼ぶよりこっちから行けば良いだろ。」
(周りが◯◯の事を相当淫乱に育てたみたいだな…まぁ、いっか。俺はもう十分◯◯から愛情もらったし。)
こうして同僚は主と繋がったまま隣の部屋に行くと、アモンと後輩は何しに来たのかと問い掛けた。
「…何しに来たんすか!?」
「ちょっと!なんて格好で…」
主は恥ずかしがりながら同僚の胸元で顔を隠していた。すると、同僚は主にちゃんと話すように言った。
「…キス、したくなっちゃったの。複数でやってたらアモンとキス出来るから…それで…」
主の答えにアモンは呆れたような、でも安心もしつつ主の方へ歩み寄り主の顔を両手で包み込みキスをした。
アモンが甘く深いキスをしていると、同僚もゆっくりと動きだした。その様子に後輩は呆気にとられたが自身のものも大きくなりつつあった。
「っんぅ゙んっハァハァっんぅっ…」
同僚は後輩の方をチラっと見て、布団の方へ主とアモンを連れて行き主を布団に寝かせ優しく頭を撫でた。
「◯◯、ありがとな。」
(…一般的にこの気持ちを愛してるっていうんだろうな。この歳になるまで分かんねぇとか情けないな…)
同僚はそう言って主の額にキスをし、主の中を掻き乱していった。その時、アモンは同僚の心の変化に気付いていた。
「…隼人…っんぁ!ぁあっんぁああ!」
同僚は主の中を掻き乱しながら、主への想いをぶつけていた。主はなんとなくでも察したのだろう、同僚の頬に軽くキスをした。
自然とふと笑みを零した同僚は、主にだけ聞こえるように耳元で“愛してる”と囁き激しく動きだした。
「っんぁっぁああ!ハァっんぅ゙ぁあ!」
主は同僚のものを締め付けながら何度も達し続け、その度に同僚も出そうになるのだが離れるのが惜しくて何度も我慢した。
「っんぁっぁあっハァっハァっぁああ!」
主の嬌声が同僚の耳を刺激し続け、我慢出来ずに主のお腹の上に全てを吐き出した。そして主の頬に軽く手を添え、心の内でもう1度想いを伝えた。
(本当に可愛いな…◯◯、愛してる。)
主は終わったと思ったのだが、そうはいかず3人は各々のものから出なくなるまで主を抱きつぶした。
「…アモンとかいったか?ありがとな◯◯との事許してくれて。」
「それは◯◯さんが許したからで、俺は主様である◯◯さんの決め事には逆らう事は執事として出来ないんすよ。」
同僚は主だとか執事とかではなく、1人の男としての意見が聞きたかったのだったのだがその事を含め許したのだろうと思ったのだった。
「…そっか、そんなお前だから◯◯は彼氏にしたのかもな。敵わねぇな…」
そう言って、同僚はアモンの腕を引っ張り体を引き寄せて唇にキスをした。突然の事でアモンは驚きと戸惑いが隠せなかった。
「ぉ゙ぇ゙〜…気持ち悪っ最悪っす。」
アモンは唇を拭いながら、身の危険を感じたが同僚はそっちの趣味はないと言い放った。
「…◯◯と間接ちゅー♪」
同僚は笑いながら言って後輩と同じ布団に潜り込み寝入った。後輩は心の内で何やってるんだこの人達は、 と思いつつもどこか楽しそうな感覚で居た。
アモンも主を抱き締めながら優越感に浸りながら寝入った。
†††
「おはようございますっす、◯◯さん。朝食も結城さんが手伝ってくれて出来てますよ。」
アモンはそう言って主を起こしていると、同僚はアモンの言葉に引っかかりを覚え突っ込んだ。
「俺も手伝ったんだけどな!…◯◯起きろ遅刻すんぞ!」
主は渋々起き上がり、仕事へ行く準備をしだした。仕事に行く前にアモンを屋敷に送り3人は一緒に職場へ向かって行った。
その日も外来患者さんの診察中以外では主の側には後輩と同僚の両方かどちらかが常に一緒に居る状態で、過ごしていた。
医局内では噂話好きの人達は、同僚からの叱責もあったおかげか誰も噂話をしようとしなかった。
その日主の父親のお通夜─
開始30分前には着き、参列者の人達は受付をし会場へ入室し後方の席に着き粛々と開式した。
喪主は理事長であり、主の父親の兄が務める事になっていたため主はその手伝いに奔走していた。
主は最後までほとんど口を開く事はなく、ずっと父親の事を想いながら過ごしていた。
最後に行う別室での参列者に食事や飲み物を振る舞われる時も、最低限の事しか話さなかった。
そしてとうとう全員が帰る頃になった時、理事長であり主の伯父が主の元へやって来た。
「手伝ってくれてありがとう。きっと弟も喜んでいると思うよ。」
伯父は空を見上げて、微笑んだ。
「…あいつは本当に不器用な奴で嫁さんに対しても感情を出す事は、ほとんどなかった。それはずっと一緒に過ごしていた◯◯さんには痛い程分かるんじゃないかな?
あいつは医者としてかなり優秀で右に出る者は居なかった。…技術においても、知識においても。大学を首席で卒業した後もひたすら勉強していたよ。
…肝内胆管癌だったよ。最期まで仕事をしていて急に倒れてしまったんだ。前から症状は出ていたんだが、 見付かった時は既にステージⅣでもう手遅れだという事が分かってたんだろう。」
「手術は!?…手術は、出来なかったんですか?」
主は出来たであろう可能性を今更ながら思考を巡らせていた。自身でもそれは分かりきっていた事だったが、考えずには居られなかった。
「意識がなかったんだ。それに遠位転移もしていてね。…◯◯さんは誰よりも優し過ぎる人だから外科には向かなかったかもしれない。
だが、今のところでは良い部下を持ったみたいでなによりだ。これからも一緒によろしく頼む。」
伯父はそう言って主に握手を求め、2人はこれからの病院の盛栄を願った。
主は伯父から知らなかった父親の一面や病気の事を聞き、父親の本心を知っているかもしれないと思った。
「…あの、父は、私の事…いえ何でもありません。お話して頂けて嬉しいです、ありがとうございます。」
主は急にこんな事を伯父に聞くのも…と思い聞くのを止めた。何よりも心の内に留めておくべきなのかとも思ってしまった。
「…父娘というのは分かり合えそうでなかなかそうもいかないものだな。それに…目に見えるものだけが真実ではないよ、特にあいつは不器用だからな…
親の願いとは届くようで届かないもんだな。」
伯父は主にそう言うと踵を返し、帰る場所へと向かって行った。そして、告別式に向けての準備へと進めた。
次の日─
告別式での最後のお別れの時、参列者は棺の中に生花や思い出の品を入れ故人とのお別れをする時だった。
すぐ主の番が来て棺を前にした時、もうたくさん涙を流したはずなのに再び涙が溢れてきた。
(たくさん泣いたと思ったのに…まだ出て来るんだ。…お父さん、もう会えないなんて嫌だよ。もっと色んな事教えて欲しかったよ。)
主は父親への想いが溢れて来て、棺の前で泣き崩れた。
「…お父さんっ…厳しい時もあったけどお父さんは、小さい頃からの憧れだったの。医者としても父親としてもっ…お父さんの事、ずっと尊敬してるよ…っ」
主は泣きながら微笑んで父親との最後の別れをした。
その後は出棺をし火葬と収骨を行ない初七日法要と精進落とし〈会食〉を行なうために式場へと向かって行った。
主の側に居た後輩と同僚は、最後のお別れでの事を思い返していた。そしてもうあんな姿の主を見たくないと心に固く誓った。
その時の主の心はもう、限界を超えていたのだった。立ち上がる事も、歩く事も今日で最後にしたいと思うほどに…
†††
同僚と後輩は、主を部屋まで届け終え後輩はアモンを連れてくるために主から指輪を借りて屋敷に向かって行った。
主は玄関先で膝から崩れ落ち、動けなくなってしまった。虚無感と父親を失った喪失感しか残らなかった。
「おい、大丈夫か!?もう今日はゆっくりしろ。分かったな?…○○?」
「…たい。」
同僚は主が何を言っているのか分からなかったので聞き返すと、今度ははっきりと聞こえた。
「1人になりたい。」
同僚は以前、1人になった時を見計らって死のうとした事があるのを知っていたため、それは出来ないと言った。
「…隼人は知ってるものね。でも、もう動けないの。もう何も出来ないの。もう全部、終わりにしたいの。…疲れちゃった。っ、死なせてよ!私の邪魔しないで!」
同僚は泣いている主の靴を脱がし、ベッドに押し倒した。
「そんな事言うなよ。執事達だって結城だって俺も…悲しくなるだろ?○○は1人じゃない。俺らが居るじゃん。
…前に○○の側に居るって約束したじゃねぇか!○○が居なくなるなら俺も一緒に⚫︎んでやるよ。」
主は同僚には居なくなって欲しくないと思う気持ちと、どうしようも出来ない気持ちでいっぱいになっていた。その時、後輩とアモンは静かにリビングに姿を現した。
「嫌だよ…隼人には生きてて欲しいよ。」
「俺だってそうだ!…○○には親父さんの分までちゃんと生きてて欲しい。きっと親父さんもそう思ってるはずだ。
誰も悲しませたくないなら生きろ!必死に生にしがみつけ。…その途中で辛かったら、誰でも良いから肩を借りて休めば良い。
誰だって…1人で生きていける訳じゃねぇんだから。どんなに強そうに見えても誰にも見せずに苦しんでる奴なんてごまんといるんだ。
1人で抱え込むなよ…○○、…愛してんだよ。失いたくない。◯◯は俺が初めてちゃんと人の事を好きになれた大切な人なんだよ。自分勝手かもしんねぇけど生きて欲しいんだ。
守るから、俺が◯◯の事を守るからお願いだから、死ぬなんて言うなよ…」
同僚は主を押し倒したまま、抱き締めながら涙を流していた。主はすすり泣く声を聞き自分だけではなく同僚までも涙を流している事を知った。
「 …隼人も苦しんでるの?っ…」
アモンと後輩は主達の元へ行った。
「◯◯さん、今度は1人じゃなくて皆で頑張るんすよ。…生きて下さいっす。」
「そうですよ。俺らが側に居るんで生きて下さい。◯◯さんが居ないと寂しいです。」
主の心の傷が完全に癒えた訳ではないが3人の言葉で、もう少し生きてみようと思えるようになった。
ぷち
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コメント
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第28話、読み終えました。父親の葬儀から一連のシーン、特に最後の同僚の告白には胸が詰まりましたね。「守るから」って言葉に、これまでの彼の態度が全部裏返ったみたいで…。設定の細かさに惹かれる自分としては、伯父から語られる父親の不器用な愛情の裏側も気になる伏線でした。でも何より、主人公が「もう少し生きてみよう」と思えるまでの心情の揺れが丁寧に描かれていて、しっかり読後感に浸れました。続きが楽しみです。