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#原作無視
Akiha
5,272
ab.side
境界線の向こう風は、あの日よりも少しだけ優しかった。
亮平は羽を心地よい風に吹かれながら雲の上を歩いていた。
「んー」
胸の奥が、ずっと落ち着かない。
――黒い羽の堕天使。
――落ちそうになった自分を支えた腕。
――優しく心配してくれたあの低い声。
(覗いた顔も、かっこよかったな)
思い出すたび、心臓がふわっと跳ねる。
そして、佐久間の言葉がまた頭に浮かんだ。
sk『その堕天使、阿部ちゃんのこと、今頃気になってるんじゃない?』
「…やだ、また赤くなっちゃう。…」
両手で頬を押さえたらやっぱり熱くて。
羽の先までぽわっと熱を帯びる。
「佐久間のアニメ脳…ほんと、変なこと言うんだから」
(でも、相談して良かったな。)
そんなことを思っている間も、胸の奥では小さな期待がふわっと膨らんでいた。
でも…
もし本当に、少しでも気にしてくれていたら――
こんな時もまた顔は赤くなるし。
「…名前も知らないのに、こんなに気になるなんて」
黒い羽が、風に揺れる姿が頭から離れない。
毛先だけ白く残る、あの柔らかい形。
堕天しても天使の名残があるみたいで。心はまだ、悪魔に染まり切っていない証拠だ。
それがどうしようもなく綺麗だった。
「……少しだけ。少しだけ、見に行くだけだから」
そういいながら、
亮平の羽は自然と境界線へ向かっていた。
灰色の風が混ざり始めて、天使界の光が薄れていく。
その変化が少し怖いけれど――
(あの時のお礼、ちゃんと伝えたいし。母さんのためにも。)
胸のざわめきが、背中を押した。
境界線が見えてくる。
彼に助けられた、この場所。
深呼吸をしてそっと降り立った。
そして、ちいさくつぶやいた。
「…また来ちゃった」
その声は、風に溶けるほど小さかったけれど、
胸の奥は昨日よりずっと強く、大きく。彼を求めていた。
continued…
コメント
3件
やばーい🥹💖 住む世界線が変わっちゃった2人、🖤が悪魔の世界に行っちゃった理由が気になります🥺 続き楽しみにしてます😆ブクマ失礼致します🙂↕️💚
うわあ、亮平くんのこの優しい切なさ…めっちゃ伝わってきます。堕天使の「毛先だけ白い」描写がすごく綺麗で、亮平が惹かれる気持ちがじんわり分かるんですよね。佐久間の「気になってるんじゃない?」が頭から離れなくて、自分で否定しながらも期待しちゃう感じが甘酸っぱくて…。また境界線に行っちゃうところ、可愛すぎます。続き、めっちゃ気になる!