第二話 〜単独行動、ルノ、フィエリ編〜
一方その頃――
ルノは町の片隅、人気のない井戸のそばにいた。
彼女の赤い瞳が、ひとりの子どもと交わっている。
🩸『血、足りない。でも、吸うのはダメって……』
「おねえちゃん、具合わるいの?」
🩸『……わたし、なにもわからない。だから……どうすればいいの』
手のひらを見つめるルノ。
それは魔力の源でもあり、呪いの器でもある。
誰にも聞こえない、静かな葛藤がそこにはあった。
そしてフィエリは、薬草店の裏手で一人、精霊と対話していた。
💊「……また、近づいてきてるのか。黒の“花”が……」
《この地も、長くは持たぬ。光は染まり、命は喰われる》
💊「あの子たちが関わるなら……きっと、この先で選ばされる。僕も……」
彼は静かに目を閉じた。
やがて三人は再び集まり、宿の部屋で顔を合わせる。
🍃「どうだった?」
🩸『おかしなババアいた』
🍃「こら、ルノ……! でも……ちょっと気になることもあったかも」
微笑みながら、フィエリが告げる。
💊「明日、町を出よう。北に“精霊の泉”がある。風の導きなら、きっとそっちだ」
🍃「うん……わかった」
セリスは小さくうなずいた。
その夜、彼女は夢を見た。
誰かが泣いていた。真っ赤な花の上で、誰かが――
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