こんにちは、深尾です。
今回はほのぼの書いてみました。
相変わらずの駄文ですが、良ければ読んでみてください。
どうぞ。
「嫌や。ぜってー言わん。」
吐き捨てるように言って、悠佑はふい、とそっぽを向いた。
「えー、いいじゃん、あにきー。みんなだって結構言ってるし、そんな嫌がらなくっても大丈夫だってば!」
「いーやーやー!」
ほとけが猫なで声で言いつつ悠佑のスマホを取ろうとすると、悠佑がガバッとスマホを抱きかかえた。
久しぶりに空いている日が重なったからと、ほとけの家に遊びに来た悠佑。2人でお菓子をつまんで談笑して。
ふと会話が途切れ、そうだ、とほとけがスマホを取り出した。
「あにきとおうちデートしてるって、呟いちゃおーっと。」
「また、お前は…。男同士でデートはないやろ。どいつもこいつも、すぐデートとか抜かして。」
ほとけの発言に少し眉を潜めて悠佑が言った。
「別に、良くない?デートって書いた方がみんな喜ぶし。」
「いや、そうなのかもしれんけど……」
でもなあ、と聞き取れないくらいの声でブツブツ言っている悠佑。
「これもファンサだよ、あにき。だからあにきも呟こうよ!」
「え、嫌や。」
__冒頭へ戻る。
「そんな嫌がっても、僕もう呟いちゃったもんね。」
ほとけが送信済みの画面を見せると、もー、とため息混じりに言われた。
「まためんどくさいことになるやん。」
「あにきは真面目に考えすぎなんだって。そう、デートしたんだー、なんて返しとけばいいじゃん。あにきっずの子達だって、本気にしてる訳じゃないと思うし。」
「……」
なおも渋い顔をしている悠佑に、ほとけはニヤッと笑った。
「…あにきって、ピュアだねえ。」
「は?」
「デートって言うだけでこんなにも意識しちゃってさ。かわいいね。」
煽るように言って頭を撫でると、途端に悠佑の顔は赤くなった。
「いや、年上舐めんなよ!別にそんなんやないから!」
「ずっと歌ばっかだったもんね。そういうことに慣れてなくたっておかしくないよね。よちよち、かわいいよー。」
「ほとけぇ!」
「こんなに恥ずかしがっちゃってさ、ホント、あにきって乙女だよねぇ。」
「お前、いい加減にしないとシバくぞ!」
立ち上がった悠佑から、わざとらしくキャー、と嬌声を上げて距離をとる。
「俺やって恋愛経験くらいあるわ!」
「じゃあ、いいじゃん。呟いてよ。」
「いやだから、それは…」
「もー、そのピュアさに免じて、僕の呟きにコメ入れるだけで許してあげるからさ。」
ほら、と悠佑のスマホを指さした。
「………あー、もう!わかった!」
かなりの葛藤を見せながらようやく悠佑はスマホを起動させた。
嫌やぁ…、と呟きながらスマホ操作すると、チラリと伺いを立てるようにほとけのほうを見る。ほとけが大きく頷くと、えい、とばかりに送信した。
スマホを操作して確認すると、ほとけの
”あにきとおうちデート中!”
の呟きの下に
” はい ”
とかなりの余白を使って悠佑の肯定のコメントが入ってきた。途端に増えていくDM数。
それを見て悠佑はため息をついてスマホをソファに投げ出した。
「あー、とうとうやってもうたー……。」
そのまま頭を抱えて唸っている。
「初デートおめでとう、あにき!」
「……お前、まじでシバく……」
「でもさ、あにき僕らに好き、とか愛してる、とか可愛い、とかはよく言ってくれるのに、なんでデートは嫌なの?」
「え、なんでって、そりゃ……」
単純な疑問を投げかけたほとけに、悠佑はキョトンとした顔を向けた。
「だって、それは本心やから。」
「え、」
「嫁たちはもちろんやけど、お前らのことだって本気で好きやし、可愛いと思っとるもん。うそついてる訳じゃないから。」
「……」
「…あ!もちろん仲間として、やからな!また変な妄想すんなよ!!」
あわてて悠佑が言い直しているが、そんなことはどうでも良い。悠佑の真っ直ぐな好意に、顔が火照ってしまった。
「…僕もあにきのこと、大好きー!!!」
「わっ、……そうか、ありがとうな。」
ほとけに抱きつかれ一瞬驚いた悠佑だったが、直ぐに笑顔になり頭をぽん、と撫でる。
僕らのあにきは、今日も僕らを惹き付けて離さない。
頭を撫でられてふわふわした感覚を楽しみながら、ほとけはさらにギュッと抱きしめる手を強めた。
呟きを見たメンバーたちがほとけの家に凸してきたのは、また別のお話。
コメント
1件
凸って来たのか... そこもみたい(((