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「え..なんで朔がここにいるの!?」
「ちょ、一応授業中だから…」
そう言って朔は私の唇に人差し指を当てる。
「あ、朝…ごめんね..」
「言い過ぎちゃったし..逆ギレ..だったし…」
「本当にね」
「いいよ」
「俺も怒ってないし」
てか授業どうしよう…。
案外時間経ってるし、先生にバレたら…。
「朔…」
「ん?」
「もうそろそろ戻らない?」
「先生にバレたら、やばいし..」
「あと内申点にも響いちゃうかもしれないじゃん?」
「うーん…」
「あ、凪沙は帰りなよ」
「え、なんで?」
「いいからいいから」
あの後、私は早退届けを先生に渡し、
家に帰った。
家のドアを開けると真っ暗な部屋が目に映る。
私の母は、きっと私を好きじゃない。
だって『ただいま』って言っても
『おかえり』って返ってこないし。
朝だって、『行ってきます』って言って
『行ってらっしゃい』なんて言葉は
返ってこない。
母は私を『いないもの』のように扱うのだ。
兄弟とか姉妹が居たら、
きっとこんな気持ちも消えるのだろうか。
どうしたら、このモヤモヤした寂しい気持ちを
消せるのだろうか。