sho side
tn「起きたんか、シャオロン」
優しく微笑みながら声をかけてくれる。
sho「…トントン、さん」
tn「トントンでええで」
sho「ろ、ロボロは、?」
トントンは少し考えてから
tn「看に行く?」
sho「うんっ!!」
トントンの後ろを歩いていく。
結構広い家やなぁ…こんな家で3人で住んどんのか、?
トントンはある部屋の前にたって、コンコンとノックをする。
数秒後、中から、「はーい」と声が聞こえた。
と同時に、扉を開ける。
そこには、冷えピタを貼られ、ふかふかのベッドで寝ているロボロがいた。
sho「ロボロ…!!」
思わずロボロのそばに近寄る。
ロボロは外にいた時よりも規則正しく、静かに呼吸をしていた。
tn「エミさん、この子、どうなん?」
トントンがエミさんと呼ばれた男の人と話している。
em「いや、ほんとに危なかったですよ、」
「もう少し遅かったら本当に死んでしまうところでした。」
もう少し遅かったら…
やっぱり俺がロボロに無理をさせてしまったんじゃ…
em「見てる感じ、長い間暴行を受けていたようです…痣や切り傷が沢山ありました。もちろん古い傷も…」
「あと身体もものすごく冷えていました。外に出ただけではあーはならないはずです、」
tn「つまり?」
em「…暖房などがない寒い空間にずっといたか、水をかけられたか…」
…そういえば、ロボロはこの半月、どこにおったんや…?
部屋にもいなかった、リビングにも、何処にも…
tn「…シャオロン、ロボロの家での様子…聞いてええか、?」
トントンが申し訳なさそうに俺に聞いてくる。
だが、それを聞かれた瞬間、俺はまた、涙が溢れ出した。
sho「…..俺のせいやねん」ポロポロ
「俺が、俺がちゃんとロボロの事見てなかったから…!」ポロポロ
tn「しゃ、シャオロン落ち着き…」
「辛いかもしれんが…どういう事や?」
俺は泣きながら正直に話した。
ロボロがずっと親に怯えていたこと、ロボロに対する親の態度が俺と違いすぎたこと、親が俺がいない間にロボロに暴力をふるっていたこと…
正直俺はここまでしか知らない。
何でロボロも俺に助けを求めてくれなかったのか…
tn「なるほどなぁ…」
トントンは俺の話を聞いて、少し考え込んだ。
em「正直親とは思えない事をしますね…」
「子どもは親が思っている以上に大変な世の中で生きているのに…」
このエミさん…も過去になにかあったのだろうか、
暗い顔をしてしまった…
tn「シャオロンに聞きたいんやが…」
sho「なにぃ、?」
tn「…これからどうする?」
sho「どうするって言われても…な」
俺が今から仕事見つけて、ロボロと2人で暮らすしか方法はないやろ…
tn「俺が今、考えとるんはこの家に住むか、児相に行くかや、」
sho「えっ」
この家に住むか、児相に行くか…?
でも、なんか聞いたことあるんやけど、児相って最悪の場合、家に帰らされるんじゃ…
tn「俺ら…ゾムとか、俺とかエミさんとかな、皆、寄せ集めの家族なんや。」
「血も何も繋がってない。中には幼なじみとかおるけど、皆、何らかの事情があって引き取られた奴らや」
「シャオロンはどうしたい?」
正直住まわせてもらった方がロボロの為でもある…でも、
sho「…いや、俺らは出てくわ」
「迷惑やろ、こんな子どもがおっても…」
ロボロはともかく、何も出来ない俺がいても…
tn「迷惑なんかじゃない」
em「むしろ、滞在しておいた方がロボロさんの為にもなると思いますよ」
2人とも凄く優しい声で語りかけてくれる。
あかんよ、そんなんしたら…甘えたくなるやんか
sho「…ロボロの体調が良くなるまではおってええか、?」
「それからの事はロボロと相談する…」
tn「ん、分かった」
そう言うとトントンはエミさんに「後は任せたで」って言って部屋を出ていった