ーアクシア・出会いー
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※卒業済みライバー注意
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俺、ローレン・イロアスには親友がいた。
小さい頃から一緒だった。
幼い頃からエデンで過ごして来た俺にとって、同世代の友達は彼だけだった。
アクシア・クローネ
青い瞳で、端正な顔立ちをしていた。
表情豊かで、鈴を転がすように笑う。
今でも記憶に焼き付いている。
「おれ達はずっと一緒。2人でひとつだ。絶対に離れたりしない。大人になってもずっと。」
そう言っていた彼は、何も言わずに突然消えた。噂では、親が逆賊となり、エデンから追放させられただの、奴隷として連れて行かれただの何だの言われている。
信じたくない。信じるもんか。
ずっと離れないと誓った。
此処エデンで、大人になってもずっと一緒だと。
俺は待ち続ける。彼は絶対に帰ってくる。そう、信じている。
信じ続けて、気がつけばそれ以外に何も残っていなかった。
親友が突如失踪することは、子供からしたら少々酷な事実だった。生きることの意味さえ見失い、俺の精神は疲弊していった。
もともと俺に親はいない。
イブ様、貴方が通りかかっていなかったら、俺は死んでいたのかもしれない。6歳の子がこんなにも神々しく見えたのは、生まれて初めての感覚だった。
6歳に助けられる10歳…俺ってダサい。
でも、この人になら助けてもらいたいと思った。
助けて欲しい。お腹が空いてるんだ。でも動く気力すらないんだ。もう…生きる意味もわからないんだ。
震える声を振り絞って、平民は皇族に縋った。
「助けて…」
気がつけば、生優しい表情の男が目の前にいた。俺を指差しながら、あの皇族の子に諭している。
「イブラヒム、この子供は平民じゃないか。」
「父上、どうかお願いします。彼は弱っているのです。自分のことは自分でどうにか出来る年でしょう。此処に置いてやってください。」
ああ、この方は俺を助けてくれた。平民の俺を見捨てずに、真剣な眼差しで父に頼んでいる。
イブ様、貴方がいなかったら、俺は…
助けられた。救われた。
貴方が、俺の生きる意味。
「生きる意味を見失ったのなら、私を生きる意味にすれば良い。私が生きる限り意味があるから、ろれは死ねないだろう?」
イブ様のこの言葉が、今でも心に響く。
アクシアを、本当の生きる意味を見出すまで、俺はイブ様を御守りします。
それまでもう少し、お側にいさせて下さい。