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零月町にある唯一の大学『紅姫大学』ここの生徒達は一癖も二癖もあるものばかりで、中でもひと際目立つ生徒がいた
彼女の名前は月宮 桃華。紅姫大学1年生の生徒で漆黒の髪に、桃色の瞳、そして何より同性ですらも見惚れさせる人間離れした美貌の持ち主である。性格に特別癖があるわけではないが、その美貌故に常に男女問わず注目を集めている生徒である
母親について分かっていないことが多く、父親も彼女が高校生の頃に事故で他界しているため、母親はどんな人だったのか、自身を愛してくれていたのか、出来る範囲で探しながら義理の妹と二人で暮らしている
夕暮れ時、桃華は今日も今日とて唯一人目を避けられる大学内の図書館で本を読み漁っていた。
「もーもちゃん!」
そんな桃華に声をかける少女
「ここに来るなんて珍しいこともあるのね調べものでもしにきたの?」
少女の名前は早乙女 翠。零月学園高等部2年生、透き通った銀髪に、緑色の瞳、そして中性的な顔立ちが特徴的な少女だ
彼女もまた母親がおらず、父親と腹違いの妹とこれまた腹違いの弟と暮らしている
翠と出会ったのは約1か月前、桃華は趣味の廃墟巡りで心霊スポットと名高い廃病院に足を運ぶとそこにオカルトマニアの翠がおり、目的は違えど廃墟巡りが好きという点と母親の記憶がないという点で意気投合し仲良くなったという訳だ。
「うん!今日ね~面白い話聞いたんだけど…」
翠がそう言うと、桃華が興味深そうに
「その話聞いても?」
「もちろん!そのつもりで来たんだもん!昔ね天日山の中腹に小さな集落があったんだって、だけどその集落は一夜にして住んでいた人全員が殺されて廃集落になちゃったっていう話なんだけど…」
それを聞くと途端に興味を無くしたのか
「よくあるオカルト話ね」
と言い本に視線を戻す
「まあね~話として聞く分には面白いんだけど、もしかしたらこの話の元ネタになった事件があったんじゃないかって、ふと思ってさ」
すると再び興味がわいたのか
「なるほど、それを調べに来たのね?」
「まぁそんなとこ!」
「なかなか面白そうね、どうせ暇だし一緒に調べましょうか」
「いいの⁉やったぁ!じゃあまずは天日山の中腹にあると言われている集落が本当にあるのか調べよー!昔の地図とかってある?」
「たしかここら辺に…あったあったこれじゃない?」
「おぉ、分厚いなぁ…」
「パッと見た感じ数百年分くらいあるけどどうする?」
「いつなくなったかを知れればいいから、一番最近のから見て行こ」
「それがいいわ」
「…思ったより早く見つかったわね」
「だね、もっと時間掛かるとおもってた。なんか拍子抜け」
「まぁ、早く見つけるに越したことはないでしょう」
調べ始めて数分、早くも見つかった手掛かりに拍子抜けする二人
話の元ネタになったと思われる集落の名前は霞沢集落、調べた感じ、20年程前まではあった模様
「結構最近なくなった集落だったんだね。こんな最近なら新聞とかテレビとかでやっててもおかしくないのに、なんで私達は知らなかったんだろ?」
「考えたって仕方がないわ、次は事件が本当にあったかどうか調べてみましょう。あっちにパソコンがあるわ」
「そうだね、調べてればおのずと分かってくるよね!」
調べ始めて数時間、外はもうすっかり暗くなっている
「図書館では静かにね、早乙女さん」
「ご、ごめん…」
「まぁ、こんなに調べても出てこないから叫びたくなる気持ちもわかるけど…」
「さっきはあんなにあっさり出てきたのに~」
「でも確かに、なんでこんなにも情報が無いのかしら?一つや二つあってもおかしくないのに…」
「今日はここまでにしましょう、もう外は真っ暗よ。送って行k」
「よし、桃ちゃん!明日天日山に行って話の真相を調べよう!」
「…はい?」
「これだけ調べても出てこないんだよ?直接行って調べた方が早いと思うよ?それに桃ちゃんも霞沢集落のこと気になるんでしょ?明日休みだしちょうどいいじゃん!それに、こんな消化不良で終わりたくないよ?私」
「…それもそうね」
「なら決まり!明日の計画は帰りながら立てよ~!」
これがきっかけで霞沢集落の隠された秘密、そして彼女達の出生について知ることになるとは、この時の二人は知りもしなかった