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side🩷
🩷「……最近さ、俺たちのこと、事務所はどう思ってんのかな」
何気なく言ったつもりだった。
でも、その瞬間、楽屋の空気がピンと張り詰めた。
あれ? 俺、変なこと言った?
いや、違う。たぶん、みんな心のどこかで思ってたことなんだ。
阿部ちゃんが、俺の顔をじっと見つめる。
💚「佐久間……」
心配そうな顔をしてる。
🩷「いや、俺だってわかってるよ。ライブの手応えもあったし、ファンも増えてる。だけどさ……」
言葉を続けると、喉の奥が苦くなった。
🩷「デビューの話が、全然こない」
静まり返った楽屋。
誰もが、何か言いたそうにしてるのに、言葉にできない。
俺は、小さく息を吐いた。
💜「そんな簡単に決まるもんじゃないだろ」
ふっかが落ち着いた声で言った。
🩷「それはわかってるけど……俺たち、もう結構いい感じじゃね?
9人のバランスも、ファンの熱も、悪くないと思う。でもさ、何も言われないの、やっぱ怖くね?」
俺は、無意識に拳を握った。
❤️「まぁでも、佐久間の言うこともわかるよ」
涼太が腕を組む。
❤️「俺たち、これまで何年もやってきた。途中加入の3人もすっかり馴染んで、9人の形が見えてきた。
でも、デビューの確約があるわけじゃない」
🩷「そうなんだよ……」
俺は膝に肘をつきながら、靴のつま先を見つめる。
せっかくここまできたのに、また待つだけなのか?
🤍「……僕さ、最近ちょっと不安なんだよね」
ラウールの声が聞こえた。
🩷「え?」
顔を上げると、ラウールが少し俯いていた。
🤍「僕が加入してから、グループの雰囲気が変わったと思う。良い意味で。でも……悪い影響もあるんじゃないかって」
🧡「おいおい、ラウール」
康二がすぐに否定する。
🧡「ラウールが来て、9人になったからこそ、今の俺たちがあるんやで?」
🖤「そう、ラウールがいたから、新しいファンも増えた」
蓮も真剣な目で言った。
🤍「でも……僕のせいで、何かが変わりすぎたんじゃないかって思うことがあるんだ」
ラウールの不安げな顔を見て、俺は胸が痛くなった。
🩷「そんなことないって!」
俺は思わず声を上げた。
🩷「確かに、9人になって変わったことはある。でも、それって全部プラスなことだよ!」
🤍「……本当に?」
ラウールが俺の目をじっと見る。
俺は、笑った。
🩷「本当に決まってんじゃん! だって、俺たちめちゃくちゃ楽しいじゃん!」
🤍「……っ!」
ラウールの目が少し潤んだ気がした。
🩷「でもなぁ……」
俺は、自分の胸に手を当てる。
🩷「正直、俺も焦ってるよ。ラウールだけじゃない。俺だって、デビューできるか不安なんだ」
🤍「佐久間くん……」
🩷「でもさ!」
俺は立ち上がる。
🩷「俺たち、今めちゃくちゃカッコいいと思うんだよ! 9人でいるのが、めっちゃ楽しくて、めっちゃ最高だって思ってる!」
🤍「……僕も、そう思う」
ラウールが、小さく笑った。
💛「だったら、それをもっと見せつけてやろうぜ! 俺たちがやるべきことは、それしかない!」
💜「焦っても仕方ない。でも、何もしないで待つのはもっとダメだ」
照の言葉が、すごく響いた。
🩷「俺たちは、今まで通り努力する。それしかできない。でも、それが一番大事なことだ」
俺たちは顔を見合わせる。
🩷「……よし!」
俺は拳を握った。
🩷「とりあえず、練習行こう! 動いてないと落ち着かねぇし!」
💙「お前、単純すぎだろ」
翔太が笑いながら言う。
💚「でも、悪くないね」
阿部ちゃんが微笑む。
🖤「……やるしかないもんな」
蓮が立ち上がり、康二も大きく伸びをする。
🩷「9人でやれること、全部やり尽くしてやろうぜ!」
俺は、みんなに笑いかける。
不安は、まだある。
焦りも、まだ消えない。
でも、それに飲まれてたまるか。
俺たちは、俺たちのやり方で、前に進むしかないんだから。